福山雅治 Twitterトレンド世界3位に、前代未聞の音楽特番で見せた説得力

音楽 公開日:2020/03/23 10
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静かな緊張感と充実感で満たされていた。福山雅治と彼を支えるバンドメンバー、そして進行役を務める荘口彰久やスタッフなどが、本番開始10分前にスタジオの前に集まり、本日のショーの成功を祈願する気合い入れを行った。本番開始までのカウントダウンが始まり、ホリゾンブルーのゆったりしたシルエットのセットアップに身を包んだ福山が発声を確認する。5秒前。4、3…。スタジオの分厚い扉を開け、福山が一歩を踏み出す。アコースティックギターに語りかけるように爪引き、そのかすかな響きに耳を傾ける。息を吸い込むと、アカペラで『少年』を歌い始めた。


この日、3月21日は福山雅治のデビュー記念日だ。そして今年は30周年という特別な年の始まりを告げるスタートの日でもある。本来であれば、「FUKUYAMA MASAHARU 30TH ANNIVERSARY KICK-OFF LIVE 三十祭!!『序』」が横浜アリーナで開催されているはずだった。しかしご承知の通り、新型コロナウィルスの影響により開催が中止となってしまった。そこで、本人を中心に多くのスタッフやWOWOWとの協議を重ね、実施に漕ぎ着けたのが、「福山雅治 30th ANNIVERSARY KICK-OFF STUDIO LIVE『序』」だった。事前に「福山歌! はじまりの歌」のリクエストを広く募り、TOP30を歴代の映像アーカイブと共にランキング形式でトークも交え発表、TOP10に入ったナンバーをレコーディングスタジオから生演奏でお届けするというものだ。ライブとテレビ番組、さらにはラジオ番組をハイブリッドしたような前代未聞の大型音楽特番となった。
 
ランキング10位に入った1曲目『少年』の演奏を終え、隣のスタジオにいる荘口彰久とのオープニングトークの中で、福山は視聴者のことを「オーディエンス」と言った。そしてツイッターのつぶやきを「声援」と表現した。「オーディエンス」の「声援」が多ければ多いほどバンドの演奏は熱を帯びていくのだと。その姿勢に、彼がデビューしてから30年もの間、ずっとライブにこだわってきたプライドと、彼とファンとの絆を感じた。

30位から11位までの楽曲はMVやライブ映像で紹介され、それを見ながらトークをしていくわけだが、そこでは過去の貴重なMVの撮影秘話などが語られ、ランキングのドキドキと30年分のヒストリーが同時に味わえる仕掛けとなっていた。


27位に入った『アクセス』のMVは代々木公園に実際にいたカップルの皆さんへの撮影交渉をデビュー間もない福山本人が行ったことを明かしたり、24位の『IT’S ONLY LOVE』を観ながら、シャツのボタンを開けすぎていると過去の自分に突っ込んだり、16位の『Beautiful life』のMVを北海道紋別市のコムケ湖で撮影した際、北海道の大スター・大泉洋に紋別で美味しいお店の情報を教えてもらい、その居酒屋で干ししゃもを初めて食べ、ししゃもはオスもうまいことを知った、などというエピソードが止まらない。それもこれも、福山&荘口コンビのなせる技というところが大きい。過去には「魂ラジ」、そして現在では「地底人ラジオ」と長くコンビを組む二人の軽妙なやりとりはまさにラジオっぽい密室感があって実にスムーズ、かつ、楽しい。思えば、ラジオという媒体も福山にとっては欠かせないものとして強い愛着とこだわりを持っていることは誰もが知っているところだ。

さらにMVだけでなくライブ映像も盛り込まれ、「福山☆冬の大感謝祭 其の九」や「福山☆夏の大創業祭 2009 稲佐山」「WE’RE BROS. TOUR 2014 in ASIA」「福山的祭典〝FUKUYAMAGNUM稲佐山〟」などの映像が使用され、ライブ・アーカイブとしても30年分の活動が詰まった構成となっていた。ちなみに現在、福山雅治Official YouTubeに歴代ミュージック・クリップがフルバージョンで一挙公開されているというから、この放送で様々なエピソードを知った後に改めてチェックしてみるのも面白いだろう。

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