田中れいなワンマンライブ、歌って踊って新宿ReNYが興奮の坩堝に

音楽 公開日:2019/10/14 9
この記事を
クリップ

田中れいなのワンマンライブ『田中れいな単独公演〜れーな100%!vol.5 ネオパールレディ♡』が10月5日と6日に新宿ReNYにて開催された。ライブでは、モーニング娘。やハロー!プロジェクトの楽曲、舞台『信長の野望』関連作品のほか、新曲『SNSNG』も初めて披露された。




夏にはミュージカル『赤毛のアン』で主演のアン・シャーリーを務め、11月には舞台『信長の野望・大志 -零- 桶狭間前夜 ~兄弟相克編~』に4度目のお市役で出演と、ここ最近は女優としての活躍も目立つ田中。しかしながら、彼女のベースにあるのはやっぱりシンガー、アーティストとしての活動。ワンマンライブとしては新宿BLAZEにて開催された『れーな100%!vol.4 アクロディーバ♡』公演以来、約8ヶ月ぶりに行なわれるのが、今回の公演だ。

「れーな100%!vol.5 ネオパールレディ♡」の文字が側面をぐるりと囲むLEDパネルに表示される新宿ReNY。客電が落ちて、『ドキバク錯覚!1日中』のイントロが会場のボルテージを高める中、4人のダンサーとともに、黄色と黒を基調としたミニドレス姿で田中れいながステージへと姿を見せる。フロアからの歓声に、つい溢れてしまう笑顔。さらに、田中れいな卒業後初のモーニング娘。シングル収録曲だった『愛の軍団』をパフォーマンスすれば、オーディエンスの興奮は一気に急上昇。そして前回のワンマンライブで初披露した中島卓偉提供の『くれてやんない』に、Juice=Juiceの『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』と、バラエティーに富んだセットリストで冒頭から一気に客席側を魅了していく。

ちなみに今回のライブタイトルは、田中の愛してやまない某タピオカ店というだけではなく、『くれてやんない』の歌詞に出てくる“パール”というワードから着想を得ていたとのことである。

「今、4曲披露したやん? 1曲目と3曲目の曲は自分の曲、2曲目と今の『ひとりで〜』はハロプロの子たちの曲なんですけど。……わかるよ? れーなもハロプロの曲大好きだし。でも、2曲目と4曲目、コールすごいやん? 4曲目に関しては盛り上がる曲じゃないのに。……やっぱ1曲目よね。1回目(の公演で)練習したのになー。お腹ドンッ!ってされたくらいの“うっ!”じゃダメだって言ったやん?」

最初のMCでは挨拶もそこそこに、観客へのダメ出しから入る田中。彼女のライブでは、久しぶりに現場に来たファンを見つけてステージ上から突然「久しぶり〜!」と手を振ってみたり、話の途中で観客と会話をしたり、話がどんどん逸れていったりと、そのキャラクターを存分に発揮した距離感の近い、もしくは本能の赴くままに展開されるMCもまた楽しみのひとつだ。

前半では、Twitter連動のリクエスト企画で選ばれた『ナルシス カマってちゃん協奏曲第5番』に『青春Say A-HA』のモーニング娘。作品も披露される。ちなみにこのふたつの“Theつんく♂曲”をカバーした2018年のコットンクラブでのステージは、映像が公開されると、田中れいなファンだけでなく、ハロー!プロジェクトのファンからも広く注目を集め、そしてそのステージは称賛された。当時のインパクトもまた、今回、ファンからのリクエストに影響したのではないかと推測されるが、いずれにせよ田中の圧倒的な歌唱スキルとダンスパフォーマンス能力は衰えることを知らず、むしろさらに研ぎ澄まされていっているかのよう。今回も客席からは納得感にも似た感嘆の声が溢れ、激しいコールが波しぶきのようにステージに向けて幾度も打ちつけられていた。

なお、本公演では、昨今の田中れいなの活動に紐付いた楽曲も歌われた。「たまにはいつもと違うれーなを見せるのってどうかな?って思っての試み。」と披露されたのは、冒頭に触れた舞台『信長の野望』シリーズから『わらべうた』と『本能寺→本能寺無声芝居曲』。ステージに設置意されたスツールに腰掛けて、ピアノの旋律に声を乗せていくように丁寧に歌い上げる『わらべうた』。生き急ぐように乱世を駆け抜けた兵どもをダイナミックな歌声で表現する「本能寺」。舞台を鑑賞したファンは舞台の光景を反芻するかのように思い浮かべながら歌声に耳を傾け、そして拍手喝采を送っていた。

ライブも中盤を過ぎた頃に用意されていたのが、新曲『SNSNG』だった。今回の作品はSNSを題材として、和田俊輔・新良エツ子夫妻がユニークなアッパーチューンを制作。これにコミカルかつエネルギッシュな振り付けを施したのはDA PUMPのKENZOという組み合わせだ。言ってしまえば田中れいな作品のゴールデントライアングルをも形成しているこの曲は、歌唱前に振り付け解説を行なったこともあって、ファンの盛り上がりタイミングもばっちり。この日披露されたばかりの新曲ながら、早くもフロアの一体感を生み出す1曲としての役割をはたした。

その後も松浦亜弥『THE 美学』、モーニング娘。の『恋は発想 Do The Husle!』『さよならSEE YOU AGAIN アディオス BYE BYE チャッチャ!』と続いた本編。田中が圧倒的に高いレベルの安定感を備えた歌で一気に畳み掛ければ、ペンライトのブルーの光も揺れるこの円形の空間が蓄えた熱量は、下がる気配をまったく見せないまま本編を終えてしまう。

「れいな!」の声援に応える形でのアンコールは、“これぞまさに田中れいな!”という『アクロBADガール』から。アレンジされたライブTシャツに着替えて登場した田中と4人のダンサーズは、歌詞で描かれているネコのように、上手下手にとステージを移動しながらコケティッシュな魅力を振りまく。

「私、今年で30歳になるんですけど、12月の6日に、ここ新宿ReNYで誕生日イベントをやりまーす!」

1ヶ月遅れの誕生日イベントの開催も発表したのち、「もっともっと声出して!」とオーディエンスを煽って披露されたのは、田中がこの世界に足を踏み入れる前から憧れ、敬愛してやまない偉大なる先輩・後藤真希の『抱いてよ!PLEASE GO ON』。後藤といえば、どんな曲も自分色に染めてしまうほどのオリジナリティーと歌唱力を備えたボーカリストだったが、そんな後藤に憧れた田中れいなもまた、音楽的センスは抜群。田中が、どこか後藤の香りを残しつつも、見事なまでに田中れいな色へと染め上げた『抱いてよ!PLEASE GO ON』をひたすらに熱く熱唱すれば、誰もが声の限りコールを発し、クラップを打ち、歌って踊って新宿ReNYは大熱狂と興奮のるつぼ状態に陥る。

そして最後はもちろん、みんなで声を揃えて「おつかれいな!」の挨拶で、『田中れいな単独公演〜れーな100%!vol.5 ネオパールレディ♡』は幕を下ろしたのだった。

なお、田中れいなが出演する舞台『信長の野望・大志 -零- 桶狭間前夜 ~兄弟相克編~』は、11月14日からかめありリリオホールにて上演される。

photo&report by yosuke tsuji

この記事の画像一覧 (全 27件)

関連タグ