森崎ウィン(PRIZMAX)、4年振り2度目となる生誕祭を開催

音楽 公開日:2019/08/24 5
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そんなフレンドリーなムードで客席と密なコミュニケーションを取りながら、中盤ではPRIZMAXの人気曲をボサノバアレンジした「カフェオレ」を皮切りに、カバー曲を並べたメドレーをジャジーに展開。ブルーノ・マーズの「The lazy song」ではクラップを誘い、口笛や表情豊かなアクションでオーディエンスを楽しませ、ジャズの名曲「Fly me to the moon」ではコケティッシュな歌唱で濃厚な大人の夜を描き出す。バンドメンバー紹介から雪崩れ込んだ小粋なフレンチポップ「恋は水色」でも、生演奏とのエモーショナルなコラボレーションで“ライブ”の醍醐味を味わわせると、「もう1曲だけカバーを」と昨年テレビ番組でも披露した米津玄師の「Lemon」まで披露。場内からの歓声を受け、その美声で瑞々しくも鮮やかな印象を残しながら、曲が終わると「Aメロがすごく好きなんです」と説明しながら再度歌い出してオーディエンスを笑わせるのだから、“カッコよくて面白くて歌も上手い”という自己評価は間違ってはいない。

ここで「この曲を作ったのは去年の初め。今までとは違う、新しくて挑戦的な楽曲が出来たなと思っております」と、椅子に座ったまま念願の初披露を果たしたのは「Piano」。タイトル通り、ピアノだけを伴奏にしたディープなロストラブソングで爆発する狂おしいエモーションは凄まじい迫力で、こちらの目も耳も釘付けになってしまう。しかし、PRIZMAXの「Never」で突如立ち上がり、シンガロングを煽って以降は、オーディエンスとの一体感をひたすらにフィーチャー。1部では久々のソロライブに「緊張してるんだよ!」とソワソワしつつ「カバー以外は全部僕が作った曲です」と誇らしげに伝えれば、2部では「生音いいね」とバンドメンバーに感謝を述べて、「バンドでもっともっと歌いたい!」と願いを叫んだ。ホリックと共に“NaNaNa……”と声を合わせた「Believe」に、「Ready」ではバンドメンバーも含めて全員を俯かせた次の瞬間、“俯かないで笑って”と歌詞を続けてリアルに笑わせる一幕も。ラストは再び「Be Free」を力強く叩きつけて、今度は場内を“Be Free”の歌声でいっぱいにしたかと思いきや、一気に暗転して森崎の声だけが残るインパクト抜群の幕切れに、客席からは大きな歓声と拍手が! 自らのイメージを妥協なく落とし込んだステージからは、森崎ウィンのアーティストとしての矜持を、しっかりと見て取ることができた。

アンコールの声に応えて照れくさそうに再登場し、「4年ぶりにソロライブができて嬉しい気持ちでいっぱいです。『Be Free』ツアーとか回れたらいいよね」と告げれば、ホリックたちから同意の拍手が。そして「29歳になって目標を決めました。忙しい中でも、もっと上に行けるように、もっと勉強したい。先輩たちに聞くと、みんな“20代は寝ないで働いてたよ”って言うんで、20代最後なんだから寝てる場合じゃない! それくらいの気持ちで日々精進してまいりますので、これからも森崎ウィンについてきてください」と、頼もしく宣言してくれた。その誓いを胸に刻むようにギター弾き語りで贈ったのは、『レディ・プレイヤー1』の長期撮影から帰国した際、待っていてくれたファンへの想いを表すべく制作&公開された「ただいま」。これまでになくシンプルかつ素朴な歌声で、“ここが僕の帰るところ”と歌うリリックが彼の本心そのままのノンフィクションであることを示す一方、サビでは合唱するホリックたちを見やって「Yeah!」「Oh My God!」と感激してみせる。さらにPRIZMAXの「Three Things」とジャクソン5の「I want you back」を、客席のラップを軸に見事にミックスさせて拍手喝采を呼んでから、この日のステージを一気に優しく締めくくったのが「Shall we dance」。バックドロップに投射された満月を背に、子守歌のようなテンポで“僕の腕の中で夢見て”と甘く歌い上げるのだから、深々と一礼してステージを去っても場内の余韻は冷めやらない。

鳴りやまぬ拍手に2部では予定外のカーテンコールも行われ、「生誕っぽい企画何もなかったんで、良かったら」と誘えば、ホリックたちから「Happy Birth Day To You」の大合唱が。満面の笑顔で退場した森崎は終演後の取材で、「自由こそ僕の象徴。もっと自由になりたい」という想いから、ライブに『Be Free』と名付けたことを告白してくれた。だが「そのためには土台をしっかり作らないといけないことも学んだ」そうで、「アーティストとして、もっとレベルアップするために、もっと楽器や理論を勉強したい」「もっとメリハリをつけて魅せていくライブもしたい」と決意表明。PRIZMAXの一員として、そしてソロアーティストとして、さらなる高みを目指す彼の目線は、はるか高みにある。

文:清水素子

カメラマン:笹森健一


セットリスト

M1:Be Free

M2:Sing it!

M3:One Two Three

M4:I hate you

M5:いつかの三拍子

M6:恋心

M7:カフェオレ

M8:The lazy song

M9:Fly me to the moon

M10:恋は水色

M11:Lemon

M12:Piano

M13:Never

M14:Believe

M15:Ready

M16:Be Free

EN1:ただいま

EN2:Three Things×I want you back

EN3:Shall we dance

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