NASA、火星の岩石に“ローリング・ストーンズ・ロック”と命名「特別な栄誉だ」

音楽 公開日:2019/08/23 4
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【2019年8月22日、太平洋標準時 午後9時、カリフォルニア州パサデナ】
 ザ・ローリング・ストーンズの音楽は、過去数10年のあいだに地球上の隅々にまで行き渡った。そして今、このバンドの影響力は、ついにこの惑星から遠く離れた火星にまで及ぶに至った。NASAインサイト・マーズディープコアミッションの火星探査機に携わるチームは、ある火星の岩石に、ザ・ローリング・ストーンズにちなみ、"ローリング・ストーンズ・ロック (Rolling Stones Rock)"と名付けたのである。

 ザ・ローリング・ストーンズのメンバー ― ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロニー・ウッド ― は、この報せを受け、以下のような喜びのコメントを発表した。
「コンサート・ツアー"ストーンズ・ノー・フィルター"でパサデナを訪れた私たちにとって、これ以上嬉しい報せはない。バンドの波乱に満ちた長い歴史にあっても、とりわけ忘れ難い、特別な栄誉だ。この画期的な出来事を実現してくれたNASAの皆さんに心から感謝したい。」




 NASAの宇宙船が、内部探査のために火星に着陸した2018年11月26日、ゴルフボールより少し大きいその岩石は、探査機のエンジンに煽られ、3フィート(約1m)ほど転がったように見えた。その翌日、探査機"インサイト"が撮影した写真を見ると、"ローリング・ストーンズ・ロック"が、赤みを帯びた地表にいくつもの窪みを残して転がっていったことが確認できる。NASAの宇宙船が、地球以外の惑星に着陸した際に岩石が転がる例はあったものの、確認し得る限り、その距離がこれほど遠くまで達したことはなかった。

 「"ローリング・ストーンズ・ロック"という呼び名はこれ以上なくしっくりきます。」
ワシントンにあるNASAの惑星科学部門の責任者であるロリ・グレーズが語る。「自分たちの業績を多くの人たちと分かち合うというのはNASAの特権の一つなのです。ザ・ローリング・ストーンズがパサデナを訪れるということを知ったとき、私たちは、これこそが、世界中の彼らのファンとともにグループを祝福する最高の方法だと考えたのです。」

 このニュースは、8月22日木曜日に、ザ・ローリング・ストーンズのコンサートの会場であるパサデナのローズ・ボウル・スタジアムで、メンバーの登場に先立って、俳優のロバート・ダウニー・Jr.によって公表された。この世紀の発表を前に、ダウニーはバックステージで以下のようにコメントしている。
「科学と伝説的なロック・バンドの相互交流 ―― すばらしいことだ。」

 米国による火星探査を主導しているのは、パサデナ・ローズ・ボウルからほど近いNASAのジェット推進研究所である。1997年以降、NASAの火星における探査活動すべてに関わってきたNASA ジェット推進研究所の地質学者、マット・ゴロンベックもまた、ザ・ローリング・ストーンズの面々と同様、"ロック・スター"である。ゴロンベックや彼とともに働く科学者たちは地表の岩石によって、着陸地点の安全性を判断する。

 ゴロンベックが語る。「学者という立場から、私はこれまでに火星の岩石をいくつも見てきました。この岩石は、多くの科学者が論文で取り上げるようなものではないでしょう。しかし、間違いなく最も興奮を誘う岩石です。」

 小惑星、彗星、惑星上の特定の場所など太陽系に存在するさまざまな地点や物体の正式な学名を決められるのは、International Astronomical Union(国際天文学連合)だけである。しかし、NASAの火星探査に関わる科学者たちは、便宜上、岩石や、地質学上検証が必要とされるさまざまなものに非公式なニックネームを付けている。"ローリング・ストーンズ・ロック"の呼称も非公式なものには違いないが、その名前は、"赤い惑星"こと火星のワーキング・マップに確かに記されることになるのである。


©Kevin Westenberg


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