Perfume、世界最大級野外フェス “コーチェラ” で渾身のパフォーマンス

音楽 公開日:2019/04/27 12
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アジア、北米9都市を回った『Perfume WORLD TOUR 4th 「FUTURE POP」』を、4月19日(ロサンジェルス現地時間)、大盛況のうちに終えたPerfumeが、その2日後の21日、世界最大級の野外フェスであるコーチェラ(THE COACHELLA VALLEY MUSIC AND ARTS FESTIVAL)に出演。自身のツアーの責任を果たし終えた清々しい表情で、今度は音楽的感度の高いコーチェラ族をうならせるべく、渾身のパフォーマンスに臨んだ。

 20年の歴史を誇るコーチェラは、スマホ世代にとってのいわばウッドストック。憧れのこの日のために貯金をし、最新モードでキメた若者たちが、全米からカリフォルニア州インディオの砂漠地帯に集結する。2週間に渡る週末の3日間、同じアーティストが同じタイムテーブルで登場するのが特徴で、今年のヘッドライナーは、金曜日がチャイルディッシュ・ガンビーノ、土曜日がテーム・インパラ、日曜日がアリアナ・グランデ。Pefumeの出演は日曜日のGOBIステージで、Weekend2のスタートは8:25からだった。




 貴重なセット転換がかぶりつきで見られるとあって、早くから集まったファンで前方エリアはにわかにいっぱいに。Weekend1直後に配信された「Rolling Stone」誌の記事で、Perfumeが全コーチェラ出演アーティストのベスト16に選出されたことを知ったビギナーもぞろぞろと集まってきて、開始直前には後方PA卓までギッシリと人垣ができた。

 もちろん、好奇心いっぱいにお手並み拝見と構える人もいる。が、その目も冒頭の「STORY」で驚きと興奮に変わった。「STORY」は、2015年、テキサス州で開かれるもうひとつの世界最大級フェス「SXSW」において、Perfumeのパフォーマンスがsci-fiワンダーランドとして一気に世界に認知さらたナンバー。パキッとしたキックが刺激的な高揚感あふれる音とメロディアスな歌とが交錯するなか、彼女たち自身がシアー・スクリーンを操り、理解不能なプロジェクション・マッピングとともに近未来感を作り出す。まさにPerfumeのスタイルをギュッと凝縮したもの。スクリーンの向こうからリアルな3人が飛び出してきた瞬間起こった絶叫は、初めての聴衆にもPerfumeが絶大なインパクトで受け止められたことを物語っていた。

  “I'm Kashiyuka”、“I'm Aa-Chan”、“I'm Notch”、“We are Perfume from Japan.”と、お馴染みの挨拶すると、“Let's get the party started!”と、そのこぼれるような笑顔とは真逆の戦闘モードで、3人はコーチェラ族をノックアウトしにかかった。2日前に終了した『FUTURE POP』ツアーの名残りもありつつ、「FUSION」、「edge」、「だいじょばない」といったバキバキのEDM系が続く。つまりこれは、コーチェラ特別仕様の攻めのメニューだ。Perfume史上一番のハイパーな並びと言っていい。

 「♪だんだん好きになる 気になる好きになる〜」が呪文のように繰り返され、快感中枢が麻痺したようになる「edge」では、頬をタッピングする不思議なダンスも相まって、本当にその魔法にかかったように人が集まり、入りきらない人たちがテントの外で踊りまくるという光景も。Weekend2に組み込まれた「Pick Me Up」でさらに興奮極まった観客は、「FAKE IT」で思いっきり手を上げて、ジャンプして、メンバーをサポートした。

 「コーチェラに来れて本当に光栄です」(あ〜ちゃん)、「素晴らしいチームと参加できてうれしいです」(かしゆか)、「まだ夢を見てるみたい。またコーチェラに戻ってきていいですか?」(のっち)と、3人は頬を紅潮させ、胸に手をあてて、英語で感謝を述べた。最後はあ〜ちゃんが、“You are fabulous!  Perfume loves you.  Make some noise for our last song?”と言って「FLASH」。オリエンタルなメロディとカンフーを取り入れた硬軟交わる繊細な振付だが、それは、海外から見たかつての日本的価値「FUJIYAMAGEISH」とはまったく違う。世界共通の土俵で感じる新しさをプレゼンするという意欲に貫かれたものだ。“Oh!”という声を上げて、思わずその動きを真似しようとする人たちのなんと多かったことか。

 Perfumeは、欧米女性の魅力の要素であるセクシーさで訴えかけるわけではない。その一見アイドルと見える女の子たちが、コアなEDMファンも反応する音で、最新鋭の技術と手を組み、鍛錬でしか生み出せない歌詞とつながったダンス表現に挑んでいく。そこが、強くて、美しくて、ユニーク。そして、なぜか言語をも超えて人を幸せにする。終演後、ステージの余韻を思い思いに語り合いながら帰る人々を見て、そんなことを思った。Perfumeがずっと大事にしてきた思いは、コーチェラにも届いていた。その奮闘に心からの拍手を送りたい。


文:藤井美保

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