米津玄師 初のアリーナツアー閉幕、2018年を振り返り「大きく環境が変わっていく一年」

音楽 公開日:2019/03/12 9
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3月11日、米津玄師が「米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃」の国内ファイナル公演を幕張メッセにて開催した。

この日のライブは、1月から始まる8都市16公演で17万人以上を動員した自身初の全国アリーナツアーの国内最終日そこで見せたのは、「自分にとっても大きく、環境が変わっていく一年だった」と彼自身もMCで語った2018年を経て、それでも変わらぬ彼のアーティストとしての美学の真髄を見せるようなステージだった。

開演予定時刻を少し過ぎると、ジェイムス・ブレイクの『Don’t Miss It』をSEに、中島宏士(Gt)、須藤優(Ba)、堀正輝(Dr)というバンドメンバーと共に大歓声のなか米津が登場する。




ライブは『Flamingo』からスタート。見たこともないような三角形のステージと、同じく三角形の大中小、三連のトラスに、淡いピンクのカラーが写しだされるなか、躍動的なグルーヴで会場に熱気を生むと、続く『LOSER』で米津は前方に歩み出て、高くせり上がった三角形の花道からオーディエンスを見下ろし体いっぱいを使い踊り、そして力強く鼓舞しながら歌う。さらに『砂の惑星』ではマイクを握り左右に広がる花道をステージ狭しと歩きまわり、気迫に満ちた叫び声を響かせる。

「今日は楽しい日にしましょう。よろしくお願いします」と告げ、続けてはアコースティック・ギターを抱えて『飛燕』を披露。ステージ背後のLEDビジョンにこの日初めて米津の姿が写しだされると大歓声が起きる、つづく『かいじゅうのマーチ』は古代の壁画のような映像、そして『アイネクライネ』では大きな扉の前に、ハートやスペードなどの記号が映し出される。序盤の3曲がアグレッシヴにオーディエンスの身体を揺さぶるものだったのに対して、続く3曲は優しく親密なメロディで胸を掴むような展開だ。

セットリストはアルバム『BOOTLEG』、そして昨年にリリースされたシングル『Lemon』『Flamingo / TEENAGE RIOT』収録曲を中心に、過去作からのナンバーを織り交ぜた構成。その曲順も、単に曲を並べるだけでなく、多面的な彼の音楽性をさまざまな角度から紐解き、ストーリー性と共に見せていくような構成だ。

それを強く感じたのが、MCなしで9曲を続けて披露した中盤のパートだった。カラフルなグラフィックの『春雷』から『Moonlight』では艶紫色のアンニュイな世界観で、満月の映像をバックに男女2名のダンスパフォーマーが踊るのを前に、ストリーテラーのように歌う米津。

気だるく流れるようなグラフィックに、スモークがたちこめる中、セットの三角形のトラスが上空からステージ全体を包み隠してしまう『fogbound』に続き、『amen』では、暗転した中に響く荘厳な鐘の音から、一転してダークな世界に突入する。青暗く、怪しげなスモークが立ち込める中、三角形のステージと頭上トラスの間をうごめくパフォーマーの前で歌う米津は、神聖さと同時に怖さすら感じさせる存在としてみえ、曲が終わると大きな拍手がおきた。

さらに『Paper Flower』は、左から右、下から上へと動く光の筋に、影絵のようにダンサーのシルエットが浮かび上がる。息を呑むような演出で、喪失感が強調され、米津の切実な歌声に胸があつくなる。彼の音楽世界のより深く、より純度の高い部分に誘われていく。

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