菅田将暉、恵比寿で一夜限りのプレミアムライブ開催

音楽 公開日:2018/11/16 5
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菅田将暉が11月15日(木)に、恵比寿LIQUIDROOMにて一夜限りのワンマンライブを開催した。今年2月に発表した3rdシングル『さよならエレジー』は音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」において2018年上半期ランキングでの総合1位を獲得し、俳優としての活動と並行してアーティストとしても大きな注目を集め続ける菅田のライブステージは、2月に東名阪で行った「菅田将暉 Premium 1st TOUR 2018」以来。貴重な1夜限りのライブチケットを手にすることのできた幸運な1,000人の観客が、“ミュージシャン・菅田将暉”のライブステージを目にすることとなった。 




バンドメンバーとともに5人、全員揃いのトレンチコート姿で登場した菅田は、そのスタイルのまま冒頭から5曲を演奏。独自性あるファッションも常に注目され続ける菅田ならではの、秋深まる今の季節を感じさせる粋な計らいでオープニングからファンを喜ばせる。2ndシングル『呼吸』からスタートし、3rdシングル『さよならエレジー』ではアコースティックギターを掻き鳴らして歌い上げたところで、ステージの菅田も観客も既に最高潮のテンションに。「あっついね!!トレンチ失敗したわ。でもまだ脱ぎません(笑)!みなさんも一回ちょっと下がりましょうか」と、沸きに沸く会場へ第一声を届けた。

2月のツアーもともに周り、楽曲もともに制作するに至った馴染みの4人とともにバンドスタイルでの演奏を楽しむ菅田は、トレンチコートを纏いながらも『雨が上がる頃に』『いいんだよ、きっと』といったアップテンポの曲中ではぴょんぴょんと跳び跳ね、以前よりさらに肩の力が抜け、心底楽しんでいる様子を伺わせた。5曲目『台詞』を歌い終えたところで「そろそろ限界っすね」と汗だくの自分に笑いながらトレンチコートを脱ぎ、ホワイトデニムのジャケットに着替え、カジュアルなスタイルに転じ、目でも耳でも観客を楽しませる。

 「おととい、ここ(リキッドルーム)でクロマニヨンズのライブを観てたんですよ。うおーーー!マーシー!ヒロト!ってなりながら同時に、明後日はあそこに自分が立つんかー…って思い。あんな風に上手なコールアンドレスポンスはできないけれど、こっちはこっちで楽しいしいいですよね」と、憧れの存在と同じライブハウスのステージに立っていることに感慨深げな様子を漂わせつつ、本日ひとつめの嬉しいサプライズとして、菅田が愛聴していることを公言するあいみょんの『ふたりの世界』のカバーを披露。女性目線の曲も歌ってみては、という周囲の女性スタッフからのリクエストに応える形で今回のカバーをしてみようと思ったとのことで、あいみょん特有の語りかけるような愛らしい1曲を非常に表現力豊かに歌い上げる。

続いて、今日も会場でライブを観ているはずの菅田の友人が最近よく聴いていると言ってきたというエピソードを混ぜつつ「ばかになっちゃったのかな」へ。「奴は恋でもしているんでしょうか?」とステージ上から友人へとメッセージを送る姿も、ライブハウスならではの距離感といったところで非常に微笑ましい。その後、さらにライブの中盤では、自身がMVにも出演した盟友・石崎ひゅーい『ピリオド』のカバーを用意。菅田将暉の役者としての側面と、ミュージシャンとしての側面が見事に融合したかのようなこのカバーには、聴いているこちらも身震いせざるをえなかった。

 最新シングル『ロングホープ・フィリア』の演奏前には、次回のドラマで教師役をすることに触れつつ、元々教師志望だった自身の過去を振り返る菅田。ともに教師を目指そうと話していた古くからの大阪の友人がいると言い、「最近ドラマの撮影で大阪に行った時、そいつのことを思い出しながら、かつて一緒によく通っていた喫茶店に入って。するとその瞬間、ちょうどそいつから来年度から正式に教師になることが決定したよ、という連絡が来て!!」というエピソードを話すと、会場からも拍手が起こった。「すごい縁ですし、いいタイミングだなあって思いました。この曲のレコーディング時には彼のことを思いながら歌っていましたし。今ではこうやってバンドメンバーみたいに友達もいるし、みなさんにもそれぞれ友達がいると思います。そういう人たちとの末長い希望を信じ、願って歌いたいと思います」と力強いメッセージをこの1曲に込めた。

さらには「もうひとり大事な友人に出会った曲を」と、昨年大いに話題になった米津玄師との共演曲『灰色と青』を、この日はひとりで歌い上げた。

 途中MCで「みんなで楽しみましょう、踊りましょうと言いつつ、真面目な曲が多くて申し訳ないんですけど(笑)」と菅田は話していたが、逆にいえば、アッパーなだけではない、暗さや闇もないまぜになった世界を描き出す菅田の音楽における表現は、俳優業での評価の高さと同様、いやそれ以上に、観る者・聴く者の胸を打つ。米津玄師が「俺はまだ菅田将暉に歌わせたい曲がある」と言っている(が、菅田将暉のことを考え過ぎて3ヶ月間で1曲も作れなかった!笑)というエピソードを、菅田自身は「なんと愛おしい人なんだ」と笑って話していたが、米津もそういった魅力を菅田に見出し続けているのであろうことが伺えた。

 本編ラストではアップテンポな『ソフトビニールフィギア』から、一気に3曲を畳み掛け、ファンとともに大いに合唱。『見たこともない景色』ではラストの歌詞を「君の景色」でなく「僕の景色」と歌い変え、パンクロック・スピリット炸裂の「ピンクのアフロにカザールかけて」にある「ヒロトってこんな気持ちだったのかな」という言葉には、冒頭のクロマニヨンズのライブエピソードを彷彿とさせられた。こういった端々に菅田が音楽を楽しむ時間への熱量が込められており、ストレートすぎるほどに観客へと届いたはず、と感じた瞬間でもあった。

 アンコールでは一転、アコースティックギターに持ち替えた菅田がひとりで登場。「前回のライブではアンコールで『茜色の夕日』を弾き語りさせてもらいました。自分に試練を、ということで、アンコール開けには同じく弾き語りをしてみようかな、と思います」と、石崎ひゅーい制作の未発表曲『クローバー』を弾き語りにて初披露。実は以前からあった楽曲だそうで、友人・石崎とともにモツ鍋を食べながら書いた歌詞カードを持ち出し、大切な存在とのかけがえの無いひと時の思い出話をしながらとても嬉しそうな様子を見せた菅田。最後のこのエピソードにも象徴される通り、この日のライブでは終始一貫して、音楽を通じて得たかけがえのない出会い・再認識した友情といったものを噛み締めているようにも見えた。

 ラストは菅田自身が作詞作曲を手掛けた『ゆらゆら』を再びバンド全員で演奏して終了。新曲やカバーなど嬉しいサプライズによる熱狂もそのままに、あっというまに幕を閉じた1時間40分に渡るライブステージ。たった一日だけのライブではあるが、そこにこれだけのサプライズなどを用意して詰め込んでくるという大盤振る舞いだった。

最後に「俳優業をしていても普段はほとんど会えないじゃないですか。だからこそ、役とは関係の無い時間を過ごせることをすごく幸せに思っています。なので、これからも続けていきたいと思います」という感謝の言葉で締めくくった菅田だが、この夜をともに体験できたファンにとってプレミアムな時間であったのはもちろんのこと、この“解放区”ともいうべき時間自体が、どこか、菅田自身へのご褒美でもあるかのようだった。

来年はデビュー10周年を迎える菅田将暉。映画もドラマも主演作品が待ち構えるなかではあるが、菅田が最も素に近い状態で楽しんでいられているという音楽活動にも、ますます期待は高まる。

撮影:上飯坂一

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