Sabão(シャボン)初となる全国ツアー完全燃焼

音楽 公開日:2018/10/31 10
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Sabãoが10/28 ツアーファイナルとなる公演を新宿ReNYで開催し、満員の客席に20年間の集大成を感じさせるステージを披露し魅了した。

開演時間の18時を10分ほど過ぎた頃。この日のオープニングアクトとして登場したアサキがステージを後にすると、間髪入れずにオープニングBGMが流れ始めた。ファンにはおなじみの今回のツアーを支え続けたサポートメンバーのGtr.久次米真吾、Ba,蛇石徹、Key.重永亮介の面々に続き、Drumsの楠瀬タクヤがオンステージし、客席を見渡し煽るとすでに観客たちの熱量は最高潮。VocalのTamaを迎え入れる頃には期待値がピークに達していたことだろう。




オープニングナンバーは「Dear」で幕を開ける。

「いつまでも子供のつもりがもうすぐハタチ」というフレーズが、彼女らのキャリア20年に重なり、新しい解釈でまた温かな気持ちにさせてくれる楽曲である。歌い終わるとTamaが高らかに「20周年ありがとう!!!!!」とシャウト。ボルテージを高めながら立て続けに軽快なナンバーを続けてゆく。今ツアーのセットリストは、20周年記念アルバム「MeRISE」から網羅した、とのことだが、Hysteric Blue時代の楽曲とSabão時代の楽曲との配分が非常にいい塩梅で配置されておりライブ自体に良いアクセントをつけていた。新旧入り乱れているのに、古さ新しさといった概念に染まらない独特の雰囲気を、彼女らの楽曲は纏っている。

中盤、「ta chi ma chi」の曲の途中のブレイク部分では楠瀬曰く「今回のツアーで開発した」という曲中MCコーナーを展開。いつもならとりとめのない話がとりとめのないまま終わってゆく自由な時間だが、ツアーファイナルでありTamaのバースデーでもあるこの日に限っては、実は仕掛けが用意されていた。「せっかくなのでサポートメンバーにもちょっと喋ってもらおう」という楠瀬の提案に、Bassの蛇石はトイレに行くと言ってステージをハケてしまう。Keyboardの重永は「このツアーの感動で一曲作りました!」といっておもむろに鍵盤を弾き始める。すると流れ出したのはハッピーバースデーのメロディ。ステージ袖から帰ってきた蛇石の手にはなんとバースデーケーキが!というサプライズ演出が行われ、これにはTamaも「そういうことか~」とすっかり驚いた様子で「自分が誕生日だというのをつい忘れている」と笑顔交じりに話していた。

そしてこの日の目玉とも言えるスペシャルゲスト、TAKUYAが登場しJUDY AND MARYモデルの赤いテレキャスターを背負うと、JUDY AND  MARYの楽曲「RADIO」を披露。Tamaと楠瀬は高校生の時にコピーバンドを組んでいたほどで、その時にも演奏していたナンバーを本人と一緒にステージで演奏できることに終始興奮気味だ。TAKUYAのギタープレイはもちろん、コーラスも冴え渡り、Tama、楠瀬、TAKUYAのレアな3名によるハーモニーもスペシャルな響きを醸し出していく。途中のMCでTAKUYAは「今日は佐久間さんの代わりに出席したみたいなもの」と、共通の恩師である故・佐久間正英氏の名前を挙げ、脈々と紡がれる「佐久間ファミリー」の絆の強さを垣間見せた。

常に高い熱量と多幸感を放ちながらあっという間に本編は終わり、鳴り止まないアンコールに迎えられたTamaは改めて謝辞を述べた。「このツアーを支えてくれたスタッフさん、メンバー、そしてやはり何よりもファンのみんなにいつも支えてもらってきました。本当にありがとうございました。」

この日を最後にライブ活動を休止することを発表しているTamaだが、このツアーを通じて得た幸せをかみしめるように「未RISE」を歌い上げるさまがより一層印象的に映った。きっとこの先にどういう未来が待っているのかは今はわからないけれど、こういうライブを共有出来るアーティストとファンの関係性は幸せなのだろう、と強く感じられる感動的な夜は1999年のヒット曲「春~spring~」の大合唱で幕を閉じた。

なお、本日10月31日は彼女らがHysteric Blueとしてデビューしてから丸20年となる。色褪せない楽曲たちはこれからも愛され残ってゆくのだろう。

TEXT:林那由多

※本記事は掲載時点の情報です。

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