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中川大志“俳優同士”から“監督と俳優”になった同世代キャストとの関係性「楽しかったです」

映画・舞台 公開日:2023/02/09 10
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いよいよ2月11日(土・祝)にWOWOWで放送・配信となる『アクターズ・ショート・フィルム3』より、監督を務めた中川大志のインタビューが到着した。



『アクターズ・ショート・フィルム』とは、予算・撮影日数など同条件で5人の俳優たちが25分以内のショートフィルムを制作、世界から6,000本超のショートフィルムが集まる米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)のグランプリ:ジョージ・ルーカス アワードを目指すというもの。カメラの向こう側にいた彼らが、今回はカメラ越しにどんな世界を創り上げるのか?各所から大きな注目を集めているWOWOWの一大プロジェクトだ。


『アクターズ・ショート・フィルム3』では高良健吾玉木宏土屋太鳳、中川大志、野村萬斎の人気俳優5人が、ショートフィルムの監督に挑戦している。


このたび、監督を務めた中川大志に作品『いつまで』についての動機や想い、撮影状況などを語ってもらった。


【画像】場面写真&メイキングカット


――監督業に挑戦できる機会を得たことについて、どのような思いをお持ちになりましたか?
中川:子どもの頃、この仕事に出会う前から、映画のメイキングを見るのが好きでして、“裏側”というか、「このカットはどういうふうに撮影されたんだろう?」といったことにすごく興味がありました。この仕事に出会ってからも、様々なプロフェッショナルな大人たちが集まって、ひとつの作品、エンタテインメントを作っていくという現場がすごく好きでした。僕はずっと“俳優部”の一員として作品に関わってきましたが、現場には他にも技術スタッフ、美術、衣装、メイク…などいろんな部署があって、彼らと一緒に作品を作っていく過程が楽しくてこの仕事を続けてきたところもあったので、そういう意味でずっと(監督業に)チャレンジしてみたいという思い、憧れはありました。それがまさかこんな早いタイミングで、しかもこれだけ恵まれたバックアップの体制がある中でやらせていただけるというのは、贅沢な機会で嬉しかったです。

――「やりたい」という思いは周囲には伝えていたんですか?
中川:いろんなところでポロポロと言ってましたね。取材や番組などで。それをプロデューサー陣が見てくれていて、声をかけてくださいました。言っておくものだなと思いました(笑)。

――実際に監督をされてみて、手ごたえは感じていますか?
中川:納得はいっていますね。やりたいことを全部叶えさせていただけたなと思います。もちろん、一人では辿りつけなかったと思います。ものすごく充実した体制で、ここまでバックアップしていただいてやれる機会というのはなかなかないと思います。アドバイスもいただきながら、やりたいことをかなえてもらいました。準備段階からそうですが、撮影中も全て納得のいくカットが撮れましたし、編集も楽しかったです。仕上げまでもうちょっとあるんですが、自信をもって自分がやりたかった作品ができたと言えますね。

――以前からこういう作品を撮りたいという構想はお持ちだったんですか?
中川:いや、今回のお話をきっかけに「どんなものをつくろうか?」と考えました。

――撮る前と撮った後で変化はありますか?
中川:改めて、作品の完成にいたるまで「0」から「10」までの段階があるとしたら、僕ら俳優部は半分を過ぎているような段階で参加することも多いのですが、知らないところでこれだけの準備があって、これだけのスタッフが動いている。ロケハンに行くのもそうですし、ロケーションを貸してくださる人たちもいて…本当に何から何までですね。もちろん、想像はしているし、頭ではわかっていたんですけど、直接、自分が経験することで、ひとつの作品が、どれほどのプロセスを踏んだ上で成り立っているかということを感じました。スタッフの方たちへのリスペクトは強くなりましたし、難しさも楽しさも感じることができました。

――自分が演出をつける立場を経験して、今後の俳優業に対して意識が変わった部分などはありますか?
中川:監督がどれだけ大変かということを知ることができたというのはありますね。俳優部に戻った時、(監督の大変さを)知っているのと知らないのでは大違いなので。僕はカメラも好きで、写真を撮ったり、学生時代には遊びで映像を撮って自分で編集をしたりもしていたんですが、ちょっとでも知っていると違うんですよね。「あ、いま、何ミリのレンズで撮っているのか」とか、撮ったことがあるとわかることってあって「いま、どれくらいのサイズで自分は撮られているのか」とか「いまは明かりが少ないから、早く動き過ぎるとブレちゃうな」とか。そういうことってやったことがないとわからないですよね。監督業もそうで、今回、経験させていただいて、他のスタッフの方たちの動きもわかるようになって、そうなると(俳優部で)現場にいて「いま、何の時間なんだろう?」とわかんなくなることがないんですよね。他のスタッフの人たちが何をやっているのかがわかるというのは大きいですね。いろんな部署の人たちの仕事をより具体的に理解できるようになった部分もありますね。ただ、監督によって、組によってディレクションの仕方みたいなものも全く違うし、進み方も違うので「正解」はないと思ってます。監督として今回、みなさんに演出をつける上で、やはり自分は俳優なので、できる限り俳優の方たちに寄り添えるように、俳優の「生理」がわかっているぶん、そこは丁寧に言葉を選びながら、距離感や現場のつくり方に関して考えて、常に「自分だったら?」というのは頭にあったかもしれません。俳優をやったことがある監督もいれば、監督をやったことのある俳優もいますが、信じて任せるところは任せる、託すところは託さないといけないし…。監督がジャッジしないといけない場面もありますが、それでもその道のプロの人たちが担っている役割はあるので、こちらも言うことは言いますが、最終的に、それ以上はその道のプロにしかわかり得ない部分もあると思うので、そこは信じて託さないといけないし…そうしたリスペクトが集まって、こうやって一つの作品が出来上がっていくというのは改めて感じたところですね。


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