大阪を舞台に金融のダークサイドを描くマンガの金字塔『ナニワ金融道』が、令和の時代にリバイバル。俳優・高杉真宙が主人公の灰原達之を演じる映画『ナニワ金融道』が12月16日(金)よりDMM TVにて一挙配信開始となる。
ドスの利いた言動はほとんどヤクザだが、有能な金融屋として灰原の良き指導役となる桑田澄男役の加藤雅也をはじめ、ベテラン俳優が多く出演する本作。「最初の挨拶が一番緊張しました」と振り返る高杉に、本作へ挑んだ心境や、俳優として様々な作品へ出演することへの思いを語ってもらった。
ベテラン共演者は「圧巻。最初の挨拶が一番緊張しました」
──『ナニワ金融道』をこれまでにご覧になったことは?
原作の漫画もドラマ版も見たことはありませんでした。ただ、今回の台本を読んだ上で、他の人たちがどんな風に演じるかもわからないし、以前の作品の正解が今回の作品の正解かというと、それはまた違うと思うんです。だから出演が決まっても、あえて見ることはありませんでした。
──今作の灰原という役はどのように作り上げていったのでしょうか。
わかりづらい人だという印象が強かったです。優しいように見えますが、それは仕事としての割り切りがすごくできているからこそなのかなと思いました。飄々としているなという感じがかなりありました。抜け目がない人ですね。
──灰原に対して「仕事としての割り切りができている」とおっしゃられましたが、高杉さん自身は撮影の現場で、例えば納得のいかないことがある時に割り切りができるタイプですか。
基本的には僕自身も演技プランを考えて、現場に行くんです。それは、僕の考えてきたものを「これはどうですか」と監督にプレゼンテーションするみたいなものだと思っているので、監督が違うというのであれば、それは違うんだろうなと思うんです。「違うからこうだよ」と言われたのであれば、それに向けてある程度噛み砕いていくことが重要だと思っています。監督だって、感情論だけで言っているわけじゃないと思いますし。僕は自分の役を中心に、他の人たちを含めた全体を見る感覚がありますが、監督は全体があった上で個を見ている。だから、僕らは全体に必要な個を演じていかなきゃいけないし、監督はそうやって客観視した上での発言だと思うので、監督の考えに沿って作っていくことが、僕は正解かなと思います。
──職場の新人らしさも楽しく描かれていた印象があります。実際にもベテランの共演者の方々に囲まれていた日々かと思いますが、現場の雰囲気はいかがでしたか。
たしかに環境はかなり作品に近かったと思います(笑)。そういう意味でも助かったような気がしますね。
──作品の先輩方は、コワモテではありますがすごく丁寧に新人指導をしてくれる人たちに見えました。しかしあのビジュアルを目の前にすると少し怖かったのでは。
圧巻でした(笑)。最初の挨拶が一番緊張しましたね。けど、少しずつお話していくと、全然怖い方たちではありませんでした。