俳優の横浜流星が26日、東京・パルテノン多摩にて開催された「第14回TAMA映画賞授賞式」に出席。最優秀新進男優賞を受賞した。
TAMA映画賞は、2009年にスタートし、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考している。「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰したもの。
横浜は、『流浪の月』での演技で、俳優としての底知れぬスケールを感じさせたとして最優秀新進男優賞を受賞。トロフィーを受け取ると、「自分が好きな原作、『流浪の月』の映画化に携わることができたこと、その中で大きな挑戦ができた、とても自分の中で大事な作品なので、こういった素敵な賞をいただけて非常にうれしく思います」と喜びを噛み締めた。
『流浪の月』は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗を広瀬すず、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文を松坂桃李、事件から15年経った現在の更紗の恋人・亮を横浜が演じた。
亮という人物について横浜は「本当に挑戦的な役で、更紗と文に影響を与えなければいけないし、見ている方にも不快感、嫌悪感を与えなければいけない役」と表現。「撮影中は悩みながらも、でも監督を信じて亮として生きて、なんとか乗り越えられた気がします」と続けた。
闇の深い役柄を演じることで、撮影期間はつらくなったこともあったそうで、「幸せなシーンは最初の冒頭のシーンだけで、後はもうつらいシーンしかなくて」と告白。「亮は更紗を本気で愛しているんですけど、不器用なやつで。どんどんどんどん心の距離が離れていってしまう心の怒り、悲しみっていうのは、自分の中で大事に作っていこうと思いました」と振り返った
今後の目標を聞かれると、「僕がやるべきことは、一つ一つ目の前のことをやること。皆様の心に残る作品を届けられるように、一つ一つ目の前にあることを頑張っていきたいなと思います」とコメント。続けて「来年にも長年の付き合いの監督作品の『ヴィレッジ』だったり、『春に散る』が控えているので、その2作品もとても挑戦的な作品ですので、たくさんの方に届けばいいなと思います」と、2023年公開予定の2作品をアピールし、「『ヴィレッジ』に関してはたくさんの方に届き、今は亡き河村(光庸)プロデューサーに良い報告ができればいいなと思っております」と2022年6月に亡くなったプロデューサーの河村光庸さんへの思いを口にした。
「第14回TAMA映画賞」受賞作品・受賞者一覧は以下の通り。
【最優秀作品賞】
『LOVE LIFE』(深田晃司監督、及びスタッフ・キャスト一同)
『ハケンアニメ!』(吉野耕平監督、及びスタッフ・キャスト一同)
【特別賞】
芦田愛菜・宮本信子、及びスタッフ・キャスト一同 (『メタモルフォーゼの縁側』)
小林啓一監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『恋は光』)
【最優秀男優賞】
佐藤二朗(『さがす』『truth 姦しき弔いの果て』『バイオレンスアクション』)
松坂桃李 (『流浪の月』)
【最優秀女優賞】
広瀬すず (『流浪の月』)
【最優秀新進監督賞】
片山慎三監督 (『さがす』)
森井勇佑監督 (『こちらあみ子』)
【最優秀新進男優賞】
磯村勇斗 (『ビリーバーズ』『PLAN 75』『異動辞令は音楽隊!』『さかなのこ』『前科者』『彼女が好きなものは』ほか)
横浜流星 (『流浪の月』『アキラとあきら』『嘘喰い』『あなたの番です 劇場版』『DIVOC-12』)
【最優秀新進女優賞】
河合優実 (『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』『女子高生に殺されたい』『百花』『冬薔薇』ほか)
伊東蒼 (『さがす』『恋は光』『MIRRORLIAR FILMS Season4』)