海宝直人「本当に神様みたいな人」“ディズニー音楽の巨匠”アラン・メンケンと対談

映画・舞台 公開日:2022/06/17 10
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過去に、アメリカ・ボストンのボストンシンフォニーホールやイギリス・ロンドンのロイヤルアルバートホールで上演され、日本では2019年&2020年と過去二回大盛況を果たした『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』。今回は、スペシャルキャストとして、『美女と野獣』の『Be Our Guest』や『アラジン』の『A Whole NewWorld』など、誰もが知る名曲を生み出したディズニー音楽の巨匠アラン・メンケンと、本場ブロードウェイのキャスト4名とゲストには日本ミュージカル界で圧倒的人気と実力を兼ね備えたミュージカル俳優の海宝直人が出演する。そして、MCにはハリー杉山が出演することが決定した。




ディズニー音楽を堪能できる贅沢なコンサート

さらに公演に向けて、海宝直人とアラン・メンケンのリモートでの対談が実現。日本版ミュージカルの魅力や、ディズニー音楽の作曲秘話など、『美女と野獣』のチップ役で舞台デビューした海宝直人だからこそ聞ける貴重な内容となっている。さらに、海宝直人にはアラン・メンケンとのステージ共演へ向けての思いや意気込みを聞いた。


本公演は、2部構成となり、第1幕はなんと丸々アラン・メンケンによる至極のパフォーマンスを、第2幕はブロードウェイスター達と海宝直人のコラボレーションによる名曲揃いのディズニー音楽を堪能できる贅沢なコンサートを是非とも体感しよう。『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ feat. アラン・メンケン』は7月26日(火)~28日(木)に東京国際フォーラムにて開催する。


アラン・メンケン×海宝直人インタビュー

(抜粋)


――この夏、再来日されますがどんな気持ちですか?

とてもうれしいです。正直なところ、世界一好きな国は日本です。本当ですよ、日本から仕事の話が来ると「やった!」とガッツポーズするぐらい。本当に楽しみにしています。忙しくなりそうです。今「魔法にかけられて」 続編 と「リトル・マーメイド」 実写版 の楽譜を書いているところだし、「ヘラクレス」のミュージカルのワークショップも予定されていて、飛行機であちこち飛び回っています。でも待ちきれない日本へ行くのを本当に楽しみにしています。


――ほかのコンサートと「ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ」の違いを教えてください。

前提として明らかに違うのは、誰もがディズニーの世界を知っているということです。ディズニーの最もすばらしい特徴の1つは、作品が世界中で舞台化されていることです。とても見事な形でね。友人のトム・シューマーカーやジェフ・リー、そのほか多くの人たちのおかげです。

このコンサートは、そういった舞台版の音楽を聞かせることをテーマにしています。どれも始めはアニメや実写映画の音楽でした。このコンサートには実際に舞台に出演していた俳優たちが登場します。ですから私にとってはファミリーとの同窓会的な側面もあります。扉を開け、私たちの伝統を観客の皆さんとわかちあうような、そんな気持ちです。


――今回特に、どんなパフォーマンスを期待できそうですか?

いつもやっているコンサートのミニバージョンをやります。丸ごと聞かせる曲もあるし、メドレーもあります。いくつかの曲の背景についてお話ししたいと思います。演者を舞台に呼んで、共演もします。それが Act1です。 Act2は、ゆっくりくつろいで観客として楽しみたいと思います。


――本場ブロードウェイキャスト 4 名が出演されますが、どんなパフォーマンスを見られそうですか?

最高ですよ。彼らとはアメリカで仕事をしています。すごい人たちです。もちろん日本にも、ほかの国々にもすばらしいディズニー・ブロードウェイのスターたちがいます。我々のミュージカルに出演したパフォーマーが世界中に増えていますからね。中でも日本は主要国です。ドイツ、オランダ、イギリスにもいます。今はいませんがロシアにもいました。これは世界的な現象なのです。ですが、今回出演するのはアメリカ育ちのパフォーマーたちです。


――最初にディズニーから仕事の話が来た時はどう思いましたか?

驚きました。ディズニーから話があったころ、ちょうど VHS テープの大革命が起きていたのです。初めて自宅でディズニーのクラシック作品が見られるようになりました。娘が生まれたばかりでしたので、一緒に「シンデレラ」「白雪姫」「ピーター・パン」「ピノキオ」などを見ました。ハワード・アシュマンから電話がきてディズニーのミュージカル・アニメの音楽をやれると聞いた時は、奇跡が起きたと思いました。

※ハワード・アシュマン=プロデューサー・作詞家であり、後にメンケン氏のビジネスパートナー


――アランさんは日本に何度もいらして「アラジン」や「ノートルダムの鐘」をご覧になっていますよね。日本のパフォーマーならではの特徴を感じたことがありましたら教えていただけますか?

最初に言えるのは、日本のパフォーマンス・レベルが卓越しているということです。最近は特にそうで、ブロードウェイを含め、世界のどこにも負けていないと思います。トップレベルです。

日本版のミュージカルが作られ始めた当初は、本国との差がもう少しありました。当時だって十分すばらしかったですけど、日本の観客に向けて変更が加えられていた気がします。今は翻訳に差異がなくなりました。それは簡単なことではありません。翻訳を担当する人たちのスキルがすごいのです。英語と日本語では、言語の機能があまりにも違いますからね。

日本版を作ると言うのは作品を一から作り直すようなものですが、本当に見事な出来栄えです。多くの優秀なアメリカ人パフォーマーたち、そして世界中のパフォーマーたちが日本へ行き、言葉を学び、公演をしたいと思っています。日本が大好きってこともあるでしょうが、とにかく最高の経験になります。トップレベルなのです。


――ティム・ライスさんとの共作ブロードウェイ版「美女と野獣」の曲作りについて

考えてみると面白いのですが、映画にはアニメでも実写でもクローズアップがありますよね。カメラが顔に寄るので、後悔しているとか、その時考えていることがわかります。その手段が舞台には存在しません。代わりに歌がクローズアップと同じ役割を果たします。

ですから、前提として、映画には使えないが舞台では使えるという歌がいくつも存在します。ティム・ライスと私が舞台版「美女と野獣」に曲を書き加える作業に取り組んだとき、まずはどんな要素が足せるだろうと考えました。アニメ版にはベルの父親の歌がなかったし、もちろん野獣の歌もなかった。ミュージカルはストーリーテリングで、それはある意味、家を建てるようなものです。強い基礎の上に大きな家を立て、その中のいろんな部屋を歩いて回る感じです。

ミュージカルの構造には、こういう“いろんな部屋”が必要なのです。だからティム・ライスと私はまず、どんなシーンを付け足せるか考えました。それから、ティム・ライスと私の共作の特徴も考えました。

「愛せぬならば」みたいな曲は、なんと言えばいいのかな 、決定的な”ダンク・シュート”になるとわかっていました。結果、我々のスタイルを表現するすばらしい機会になりました。公演5年目に突入し、ポップ・シンガーのトニ・ブラクストンがベル役を演じると決まったとき、彼女のために新曲を書くことにしました。

どんな曲にしようかと考え、できたのが「ア・チェンジ・イン・ミー」です。野獣と出会って起きた心の変化を、父親に話し聞かせるシーンの曲になりました。すばらしいことに、2つの作品で、私はハワード・アシュマン、ティム・ライスの両者と共作する機会を得ました。最初がもちろん「アラジン」で次が「美女と野獣」です。2人はまったく違うタイプの作詞家ですし性格も違いますが、2人のコンビネーションが魔法を起こしていると思います。天国でハワードも賛同してくれているでしょう。


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