映画『世の中にたえて桜のなかりせば』公開記念舞台挨拶が2日、都内で開催され、今年3月14日に急逝された宝田明さんと共にW主演を務めた乃木坂46の岩本蓮加、三宅伸行監督が登壇した。
宝田さんが主演、エグゼクティブプロデューサーを務めた本作は、“桜の季節”と“終活”をテーマに、70歳という年の差のあるコンビが織りなすヒューマンストーリーだ。岩本は終活アドバイザーのバイトをしている不登校の女子高生・咲を、宝田さんは咲と一緒に働く老紳士・敬三を演じる。
映画初出演にて主演の大役を担った岩本。「演技に対して興味があったので、お話をいいただいたときは嬉しい気持ちだった」と明かす一方で「初めての映画で主演ということで、不安の気持ちの方が大きかった」と心情を吐露する。そんな不安を解消するために岩本は「ひたすら台本を読んで、役を自分のものにしようと意識していました」と作品に懸命に向き合っていたという。
初めての映画の現場だった岩本に、宝田さんは「好きなようにやっていいからね」と優しくアドバイスしてくれたという。岩本は「いつも現場では近くにいて、褒めてくださいました。とても安心感があり、宝田さんの言葉が自信に繋がっていったので、もし今後演技をする機会に恵まれたら、その言葉を思い出して頑張りたいです」と女優業へ思いを馳せていた。
そんな映画が昨日から全国公開された。岩本は「幼なじみが初日に観に行ってくれて『考えさせられるような映画だった。前を向いて行こうと思えた』という感想をもらいました。ちゃんと伝わっているんだなと嬉しくなりました」と笑顔を見せる。
3月14日、肺炎のため急逝した宝田さん。この日スクリーンには、存命時に話された宝田さんの作品への熱い思いを語った映像が流されると、岩本は「いつも宝田さんと映画の話をするときは、映画への愛をひしひしと感じていたので、そんな宝田さんがプロデュースした映画に、宝田さんと共にダブル主演で出させてもらえたこと誇りに思います」としみじみと語っていた。
岩本は「乃木坂46でアイドルをしているときとまったく違う姿が見られると思うので、そのギャップを感じていただけたら」と思いを伝えると「10代のうちに高校生の役をやってみたいです」と笑顔で語っていた。
▼インタビュー記事