若月佑美、俳優業は「苦しい半分 楽しい半分」 “伝わる喜び”が活力に

映画・舞台 公開日:2022/03/18 20
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中島健人演じるカメラマンの卵・朝倉晴人と松本穂香演じる新人美容師・有明美咲の恋模様を描くNetflix映画『桜のような僕の恋人』。“人の何十倍もの早さで老いていく”難病に冒されてしまう美咲と晴人の美しくも儚いラブストーリーが、3月24日よりNetflixにて全世界独占配信される。


そんな同作に彩りを添えるのが、晴人の先輩カメラマン・市川真琴役の若月佑美だ。先輩らしい堂々とした立ち振る舞いが印象的な真琴をたしかなリアリティで演じる彼女に、撮影の思い出や今作での学び、俳優業への思いを聞いた。


■“自分に近い”真琴「演じながら泣きそうになりました」

──原作はご存知でしたか?

このお話をいただいて作品を知りました。脚本を読ませていただいて「なんて泣ける話なんだ」と。自分が出る、出ない関係なく、グッとくる物語だなと思いました。


──今回演じた真琴という役柄にはどんな印象を受けましたか?

珍しく、自分に近い役だなと思いました。今までも気が強い女性の役を演じたことはあったんですが、ここまで凛としていて芯があるタイプの役はやったことがなかったので、新しい挑戦になるなと思いつつ、自分とリンクする部分も多いなと感じて、演じるのが楽しみでしたね。


──では、真琴に共感する部分も多かったのでしょうか。

多いですね。気持ちがわかりすぎて、演じながら泣きそうになりました。


──役柄には、映像では明確に描かれない裏側の設定が存在することもあると思いますが、若月さんは真琴をどのように分析していましたか?

一見、自分でなんでもできてしまうような自立した先輩で、あまり動じることのないしっかり者な印象なんですが、きっと乙女チックな面がある人なんだろうなと思っていました。人間って相手によって見せる顔がいっぱいあって、職場で見せる顔、家族の前で見せる顔、それぞれ違う事もあると思うんです。この作品で真琴は職場の顔を描かれることが多いのでプライベートな一面はあまり見せないんですが、たぶん誰かに甘えたい人なんだと思っていました。


──そのあたりの人物設計は、監督からの演出というよりは若月さんが自分なりに捉えていくんですか?

そうですね。真琴ってこういう人だろうなという想像は私の中だけではあったんですが、監督も寄り添ってくださいました。「たぶん真琴は、このシーンに至るまでにこういう気持ちがあってこの場に来てる」と一緒に考えてくださるので、自分で考えた面と監督からアドバイスをいただいた面が合わさって役柄が出来上がっていきました。

■深川栄洋監督の“すごさ”「見抜かれちゃうんです」

──深川栄洋監督はどのような監督でしたか?


すごい方でした。見抜かれちゃうんです。監督の前では嘘がつけないですね。当時、ラブコメのドラマの撮影が重なっていたんですが、ラブコメってオーバーめに演技をするところがあって、驚くリアクションひとつとっても、わかりやすくコミカルにすることがあるんですよね。そんな中で今回の作品も撮影したので、どうしても少し引っ張られてしまっている時もあって。

なにかを言われて真琴がハッとするシーンでも、わかりやすくハッとしてしまうんですよね。でもたぶん、真琴はハッとしている自分を見られたくないんです。そういう心情を含んだ演技をするように監督が教えてくださいました。

言いづらそうにしているセリフも見抜かれるんです。私だけかもしれませんが、言いづらかったり覚えづらかったりするセリフって、その本質を理解していない時なんですよ。なぜそのセリフを言っているのか、どういう感情で言っているのかが自分の中で腑に落ちていないんです。そういう状況でセリフを言っていると、監督に気付かれる。

監督は止めて、全部説明して、私がきちんと理解してから撮ってくださるんです。本当にうれしい厳しさというか、改めてお芝居の深さを教えてくれた監督ですね。


─そういう監督との出会いは、俳優人生の中でも貴重な経験なんでしょうね。

貴重ですね。山を歩くシーンも、息遣いを変えてみたりするんです。口から吸っている息を、鼻から吸ってください、という細かい部分まで何度もやらせていただいて。そういうレベルの演出をしてくださるのはすごくうれしかったですね。


──あのシーンは本当に山なんですよね。大変ではなかったですか?

一日かけてやっているので、ちゃんと大変でしたね(笑)。3か所くらいの沢で撮影したんですが「真琴は慣れているから息は上がらないようにしてください」と言われました。私自身は初めての沢なんですけど、真琴は初めてじゃないから「そ、そうですよね」と言って頑張りました(笑)。だからと言って余裕がありすぎても違うという、微妙なラインを突き詰めていくのは、大変でもありましたが楽しかったです。


■中島健人の圧倒的“後輩感”

──中島さんとの共演シーンも多いですが、どんな印象でしたか?

中島さんは本当に素晴らしい俳優さんだなと思いました。アーティストとして、ダンスなどのパフォーマンスもされていますが、現場では晴人としてそこにいてくれました。実際の年齢は私が1歳年下なんですが、役柄上は私が先輩という関係なので、先輩然としていなければいけないなと思っていたんです。でもそれ以上に中島さん演じる晴人の“後輩感”がしっかりとあったので、私が先輩らしくいようとする以前に“先輩にさせてくれた”んです。中島さんはさすがだなと思いました。監督とお話されている様子を見ていても、尊敬させられる部分がたくさんありましたね。

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