俳優の北村匠海が17日、都内で行われた映画『とんび』(4月8日公開)の完成披露舞台あいさつに阿部寛、薬師丸ひろ子、杏、安田顕、大島優子、麻生久美子、メガホンをとった瀬々敬久監督とともに出席した。
原作はこれまで2度テレビドラマされた重松清氏のベストセラー小説を初めて映画化。破天荒だが愛すべき父・ヤスと、北村演じるヤスの息子・アキラを中心に描かれる、心温まる家族の物語となる。
北村は、阿部との共演を聞かれると「胸に飛び込んでいく毎日だった。毎日全力でぶつかりにいった。本当に父、大きな背中でした」としみじみ。一方、阿部は「まさに“鳶が鷹を生んだ”。取材を一緒に受けていても僕が言いたいことをさっとまとめてくれる。本当に父親想い。非常に“鷹”だなって」と目を細めた。
劇中には阿部がお酒を吹き出すシーンがあるが、撮影にはアルコール度数90を超える本物のお酒が使用された。その理由について、阿部は「時期が時期だったので、水でやると僕が吹き出す度に消毒しなきゃいけない。90度のお酒なら逆に消毒されるし、飛沫も少し弱まるのではないかって」とコロナを配慮。使用したお酒は阿部自ら購入しており、「90度と70度のお酒をブレンドした」とにやり。そんな“父”の姿に、北村は「お酒というか、燃料みたいなアルコール。飛距離もすごかったし、あれは役者魂を感じましたね。言葉悪いけど、『正気か、この人!?』って思った」と驚いていた。
安田はお寺の跡取りを演じたが、お経を読むシーンに苦労したという。「クランクインの日、お経を唱える撮影だったけど、父親役の人と最後までお経を揃えることができず、最終的にはアフレコだった(笑)。いやぁお経を読むのは難しいですね」と苦笑いで裏話を披露した。
安田の妻を演じた大島は、会場の大きなスクリーンで父との仲睦まじい写真を公開。「父とスキューバダイビングしている写真」といい、「父はいつもニコニコしていて趣味が全部いっしょ。スキューバダイビングも60歳になってからはじめたんですよ。生きているうちにやれることはやろうと思っているのか、すごく活発ですね」と紹介した。