マルチな活躍の裏に「まだ戦いの渦中」と真摯な想い
どうせ死んでしまうのに、なぜ生きているのか。不公平な世の中でやりたいことを見つけることは難しいし、同じことを繰り返す毎日が退屈で孤独ーー。“私”が世の中に対して抱く絶望感や静かな怒りは、少なからず誰もが共感できるものかもしれない。池田も「共感できる」と告白する。
「ニュースを見ていても、まともな気持ちでいたらつらい気持ちになってしまう事件や事故も多い。生きることや外に出ることが怖くなってしまうようなニュースもあります」と打ち明けつつ、「だからといってスイッチを切って、人と関わることをやめてしまったら人生の醍醐味を感じることができない。人との出会いがあるからこそお互いに切磋琢磨できたり、幸せを感じることができたりするはず。本作の“私”も“諦めたほうが楽だ”と絶望しそうになっているけれど、人との出会いを通して変貌していく。その姿にもとても共感ができました」と語る。
もがきながら、自分の大切なものを探していく“私”。女優、歌手、監督業などマルチに活躍している池田だが、やりたいことを見つけるまでにはどのような戦いがあったのだろうか。
すると池田は「まだその戦いの渦中だと思います」とにっこり。「ずっといろいろなものを産み落とし続けていますが、“これが自分のやりたいことだ!”という感覚はなくて。ただ一つ確かに言えるのは、“誰かのために生きていたい”ということ。歌うことも、お芝居をすることも、映画を撮ることも、その向こうに誰かがいることを想像して、誰かの助けになることができればいいなと思っています。勝手にみんなのことを心配していて、それって大きなお世話なのですが(笑)、大きなお世話をしているときが私は一番楽しくて、幸せ」と笑顔を弾けさせる。