『六番目の小夜子』初の舞台化、乃木坂46鈴木絢音が魅せる“巧みな立ち振る舞い”

映画・舞台 公開日:2022/01/07 9
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2000年にはNHK教育テレビにてドラマ化され高い人気となるなど、恩田陸のデビュー作でもあり、代表作の一つとしても知られる『六番目の小夜子』(新潮文庫 刊)が、「Jホラーの父」と呼ばれる鶴田法男を総監督に迎え、脚本には小林雄次、演出には井上テテという豪華布陣で初の舞台化。


主演を務めるのは、乃木坂46で活躍する演技派の鈴木絢音。劇中キーパーソンには尾碕真花高橋健介と実力派が名を連ねる。1月7日の公演初日にはゲネプロで報道陣を圧倒し、本番直前には記者団へその意気込みと心境を語った。


3年に一度、学校に幸運をもたらすという不思議な言い伝え「サヨコ伝説」――。

この「サヨコ伝説」を巡り、演劇部を中心とした高校生たちが不可解な現象に巻き込まれていくという、『六番目の小夜子』。


まず舞台が始まって驚かされるのは、その圧倒的な空気感。実際にこの学校で過ごしている生徒たちの様子を覗き見ているかのように錯覚するほどの、和気あいあいとした雰囲気が会場全体を包み込む。


それほどまでに一つにまとまった「学校」という世界に、「異物」としてやってくるミステリアスな転校生が、津村沙世子に扮する鈴木絢音だ。


沙世子として鈴木が纏うミステリアスなオーラは徐々に周囲へと伝播し、やがて恐怖と狂気の世界へと触れるもの全てを誘っていく…。


今回の舞台で特筆すべきは、やはり鈴木の巧みな立ち振る舞い。

少ない動作で瞬間移動を行ったかのような立ち位置替え、いつの間にか目の前に現れるという気配の強弱、そして愛くるしい女子高生から何かが憑依したような存在へと瞬時に切り替わる声色と雰囲気の使い分け。


このような津村沙世子の存在を歓迎しながらも、徐々に不穏な雰囲気を察知し始めるのが、演劇部部長の花宮雅子(尾碕真花)。そして雅子と共に「サヨコ伝説」の真相に迫ろうと奔走する、雅子の幼馴染でもある、関根秋(高橋健介)。彼らの心境変化の様子や、新たな真実を手にする度に変化し、生まれ変わる謎。これらは極上のミステリーに触れているような感覚すら覚える。そして中盤以降はセリフでのやりとりだけでなく、舞台全体で観客をのめりこませるギミックが随所に。これもJホラーの父・鶴田法男節といった妙技で実に唸らされる。


終盤にかけては暴走する狂気、次々に明かされる真実、それぞれの思惑…と怒涛の展開が続き、予想しえなかったエンディングへと向かう。『六番目の小夜子』が今回掛け合わせた「舞台劇」と「Jホラー」。異物同士の化学反応は、見事に新しいエンターテインメント空間を生み出したと言えるのではないだろうか。


ゲネプロで記者団を圧倒し、満場の拍手を浴びた鈴木絢音、尾碕真花、高橋健介の3人は、再び記者団の前に現れ、鈴木は「千秋楽まで元気に走り抜けられるよう頑張ります!」、尾碕は「今日から初日!千秋楽まで気を抜くことなく、いい緊張感を持って挑みたいと思います」、高橋は「大変人気な原作です。好評だったドラマにも負けない作品になるよう頑張りますので、応援よろしくお願いいたします!」とその意気込みを語った。


劇中、圧倒的な存在感を放った鈴木、やはり役作りには苦労したようで、「普段動き回っているので、動きを制限するのに自分の中で苦労しました。ミステリアスさを出すために頑張りました」とした。


Jホラーの父・鶴田総監督のホラー指導に関する質問が飛ぶと、鈴木は「セリフの言い方が普段とは違う感じのご指導で、それが怖さに繋がっていたらいいな」とし、高橋は「Jホラーの父ということで怖い方かと思っていたら、全然そんなことなくて!先日監督の誕生日だったんでみんなでお祝いしたんですが、『誕生日なんてこの歳になると嬉しくないよ~!』なんていいながら嬉しがってくれました(笑)。そんな素敵な父です」と会場を沸かせた。


今回の主演である鈴木絢音の印象を問われた尾碕は、「人と距離を縮めるのが得意じゃない、クールな人かなと思ってたら、みんながひとしきり笑って笑い終わっても、一人で笑ってるくらいゲラ気味な優しい方で!」とエピソードトークを披露。そして、会見の最後に鈴木は「今年の観劇初めという方も多いかと思いますので、私たちも気合を入れて挑みます!チケットの売れ行きは、ありがたいことに好調のようですので、劇場だけでなく配信でも是非お楽しみください」と意気込みだけでなく、ライブ配信という楽しみ方も示した。


劇場でだけでなく、ライブ配信でも楽しめる、『六番目の小夜子』。この新たなエンターテインメント空間にいち早く触れてみてはいかがだろうか。

※本記事は掲載時点の情報です。

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