大泉洋「波乱万丈の人生じゃない」と自己分析も、自叙伝の妄想をしてみたら…

映画・舞台 公開日:2021/12/08 38
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ビートたけしが師匠である幻の浅草芸人・深見千三郎と過ごした、青春の日々を綴る自叙伝「浅草キッド」。この名著『浅草キッド』が、深見千三郎役に大泉洋、タケシ役に柳楽優弥、監督・脚本に劇団ひとりと豪華布陣でNetflixにて映画化、12月9日より世界独占配信が開始される。

今回は深見千三郎役に挑む大泉洋にその意気込みや撮影秘話を語ってもらった。


 

――NETFLIX映画『浅草キッド』での深見千三郎役でのご出演おめでとうございます。


大泉洋:

ありがとうございます。


――『浅草キッド』はビートたけしさんが師匠である深見千三郎と過ごした青春時代を描く名作ですが、台本に目を通された際の印象はいかがでしたか?


大泉洋:

単純に僕がとても好きな世界観なんです。同世代の子が、スーパーマリオをしたり、ガンダムやビックリマンシールを集めたりしている中、僕だけはずっとバラエティ番組や昭和のお笑い芸人さんたちの芸ばっかり見て過ごしてきたので。そんなお笑い芸人さんたちのお話ということで、世界観にもスッと入っていけました。不器用な師匠の振る舞いや言葉もかっこ良くて、台本に目を通してすぐマネージャーに「出たい!」と伝えました。


――「幻の浅草芸人」深見千三郎を演じられるということで役作りやタップダンスの練習などはいかがでしたか?


大泉洋:

タップは技術的にもう練習するしかなかったですね。僕の場合は師匠のやるタップダンス。こなれた感じを出すのが非常に難しかったです。初心者が突然、上手より上の物を目指すわけですから、上手なだけでもダメで、大人のこなれた感じが必要ということでそこは本当に大変でした。


――大泉さんの過去の発言の中に「僕はこの世界でしか仕事ができない、だからこそ長く続けることを考えなくちゃいけない」というものがありますが、この「芸で生きる芸を続ける」という強い思いは深見千三郎と通ずるところがあるのではないでしょうか。


大泉洋:

まあ僕の場合、人の前で話して笑ってもらうだとか、お芝居をするだとか、それ以外に出来ることが思い浮かばなかった形ですね。それこそ、僕は学生時代からなんとなく北海道で売れはじめて芸能活動をしているのですが、その頃も、「この人いつになったら就職活動するんだろう」「30になる前にちゃんとした職に就きなさい」って親に言われてたんですから。


ところが、ありがたいことに30歳になる前には相当顔が知られているようになっていまして…もう今からじゃ就職活動無理だ!周り見てもやれる仕事ないなって(笑)。なので、深見千三郎のような厳しいこだわりとは違い、「この仕事しかやっていけない」「長くやるしかない」という方が近いかもしれません。長く続ける秘訣として事務所に出したお願いも「一瞬で忘れられて消えて行くと困るから、ブレイクさせないでくれ!」ですからね(笑)。


一同:

(笑)。

 

――そんな深見千三郎が芸の道を自ら諦めるという苦しいシーンもあるわけですが、大泉さん自身はこの芸の道を続けたいけど続けられないというシーンに思うところあったのではないでしょうか。


大泉洋:

ここはやっぱり辛くて響くシーンだなと思っています。恐らく自分一人だったら、まだ頑張って好きなことを続けて生きて行けたかもしれないんですよ。そうではなく、妻の事を考え、「このままじゃダメだよな」「迷惑はかけられないよな」という思いで、自分がやりたくてやる仕事じゃないものを選ぶという。やっぱりこのシーンは辛かったですね。


――この作品を語るうえで、大泉さんの深見千三郎の存在感と共に、欠かせないのが柳楽優弥さんの挑まれるビートたけしさんです。演技やモノマネというより憑依という言葉の方が適切と感じられるほどのものでしたが、目の当たりにされていかがでしたか?


大泉洋:

もう「素晴らしい!」の一言です。


僕らは世代なので、たけしさんの若い頃、ツービートを見て育っていますので、仕草や振る舞いもよくわかっていますし、イメージできるんですよ。ところが、彼は全く世代じゃないですからね。それなのに勉強して、あれだけ出来るようになるというのは、もう「素晴らしい!」の一言です。モノマネじゃないですし、ただのモノマネだったら、あの演技にはならないんですよ。心や気持ちの部分で、たけしさんになっていたからこそ、あれだけたけしさんに見えたんだと思うんです。とくにツービートの漫才が完成した頃のシーンを試写で見た時、本当に僕が子どもの頃に見ていたツービートの漫才がテンポ含めてそのものだったから、もう…脱帽でしたね。


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