──今作出演に対する、HiHi Jetsメンバーの反応はいかがでしたか?
出演が決まった時、その場にみんないたんですよ。「えっ」「まじで」って喜んでくれました。撮影期間中は地方で泊りがけの撮影だったので、グループのリハーサルに僕1人抜けている状態になっていたことが多かったんです。でもそういう時はリハーサル終わりで電話をかけてくれたり、気遣ってくれていたりしたので、「やっぱりグループっていいな」と改めて思いました。撮影が終わって公開が近づいてくると、宣伝にも協力してくれているんです。発言する機会があれば「作間が映画をやるんだよね」ってフリをくれたりして、ありがたいです。
──今後、出てみたい作品はありますか?今回のテイストとはまた違う“王道恋愛映画”など。
作品上ならいくらキュンキュンしても問題がないだろう、ということで(笑)、最高にキュンキュンするものをやりたいですね。脇役でいいんです。キラキラしてる主人公とヒロインがいて、その親友くらいの感じ。重要なシーンにはいない(笑)。Sexy Zoneの中島健人くんが主演をやっていた『黒崎くんの言いなりになんてならない』に出ていた、King & Princeの岸優太くんがそういう役だったんですが、すっごく岸くんが輝いていて「良い役だなぁ」と思っていたので、あのポジションをやりたいなって、憧れますね。
──作品資料から、首藤監督の作品への愛情と並々ならぬこだわりが伝わってきます。どんな監督でしたか?
17歳の時からこの作品を撮るために映画監督を目指していました、ということなので、相当な熱意があるんだろうなと思っていたんですけど、意外と任せてくれるところが多かったんです。例えば「自分はこれをやりたいからこういう芝居に変えて」というような頑固さはまったくない。本当にその場で生まれたものを大切にしていて、現場で話し合いながら「じゃあこっちの方がいいか」って臨機応変に対応されるような方でした。
──共演の山田杏奈さんはどんな方でしたか?
「強い人だな」と思いましたね。メンバーの井上瑞稀が共演していたので、最初に会った時は「あの女優さんだ!」って感じでした。井上の話を聞いたり、自分も共演することが決まってネットで調べたりしていたので(笑)、「本物だ」って。本人が「仕事に関しては負けず嫌い」っておっしゃっているんですが、たしかに熱い方だなと。でも裏側では優しくてほわーっとしていましたね。言葉でなにかを教わったわけではないですが、カメラ前での立ち振る舞いで、俳優業の一線で活躍されている方の姿を見させていただいて、たくさん刺激を受けました。
──今作を通して、芝居に対する向き合い方に変化はありましたか?
「芝居面白いな」と思ったのは、この作品がきっかけでした。その後、いくつかの作品に関わらさせていただく中で、本当に俳優さんによって、考え方や演じる方法が違うんだなとすごく感じるようになりました。それから、やっぱりジャニーズの先輩方を改めて見ると「アイドルをやりながら俳優をやっているの“ヤバイ”」って思います。木村拓哉さんや二宮和也さんなど、賞を獲るほどにアイドルとは乖離したジャンルを極めているって、アスリートでいうと2種目で金メダルを獲るような、めちゃくちゃ難しいことをやっていたんだなって。
自分はたまに、“新人俳優っぽい顔”しているねって言われるんです。ジャニーズっぽくない顔っちゃ顔なので(笑)、自分が本当に その気になるならやりやすい条件なのかなとは思っているので、やるからには、自分の中で「芝居とはなんなのか」をしっかり解釈して、極めていきたいです。
取材・文:山田健史
『ひらいて』
10月22日(金) 全国ロードショー
配給:ショウゲート
ⓒ綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会