志尊淳、ドキュメンタリー映画出演への葛藤吐露「いろんな人に寄り添えるか不安あった」

映画・舞台 公開日:2021/10/09 12
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俳優の志尊淳が9日、都内で映画『人と仕事』の公開記念舞台挨拶に、メガホンをとった森ガキ侑大監督とともに登壇した。


本作では、有村架純と志尊淳という名実ともに最旬の2人が、新型コロナに打ちひしがれた日本の職場で働く“エッセンシャルワーカー”と呼ばれる保育士や介護福祉士、農家などの人々や、声なき仕事人たちの現状をレポート。2020年に劇映画として制作予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、映画制作を断念せざるを得ない状況に。エグゼクティブプロデューサーのアイディアにより、監督、俳優はそのままに、現在の日本を探るドキュメンタリー映画へシフト。2人の俳優が、役ではなくありのままの“自分”としてスクリーンに登場し、さまざまな職業に就く人々を訪ね、体験することによって一仕事人として現代社会と向き合い、仕事の意味を再発見していき、私たちが生きていく上で切っても切り離せない仕事というものの価値を改めて見出していく。


久しぶりに人前に立ち「緊張しています」と吐露した志尊は、本作の出演オファーがきた際の心境を尋ねられると「まずは劇映画がなくなってしまったということにショックな部分がありましたけれども、僕らだけじゃなくて大事な行事がなくなったりしている方がたくさんいらっしゃるので、そこでなお、作品を届けられる機会をいただけたことはありがたいなと思いました」と笑顔で語り、「人と人とのコミュニケーションで成り立つ映画だと思うので、すぐには『お願いします』という風にはなれないし、筋書きもなくて、この作品がどうなるかもわからないので“大丈夫かな”、“いろんな人に寄り添えるかな”という不安はありましたけど、みなさんで伝えていこうというベクトルが同じ方向を向けたので、一生懸命やらせていただきました」と力強く語った。


また、完成した本作を見た感想を求められると「普段、自分の作品を見るときは“役柄”なので、物語として見ることができるんですけど、今回は“志尊淳”で、主観性を持って見てしまうから、自分がインタビューさせていただいた方とか、自分じゃない人がインタビューして出てくださった方々が、この作品に出てよかったなって思えているのかなという目線で見させていただきました」と吐露。冒頭の渋谷のシーンでは志尊自身がインタビュアーとして街中に立ったそうで、森ガキ監督は「マスクをしているので、志尊くんが声をかけても『あっ、ちょっとすいません…』って。“ここの志尊淳がいるよ…”って思っていたんですけど、カメラを持っていると心を開いてくれなかったですね」と苦笑すると、志尊は「難しいなって思いました。やっぱりカメラがあったら僕でさえ心が開けないですし、すごく難しかったですね」と苦労を明かした。


さらに、志尊と有村が2人きりで話をしているシーンもあるそうだが、志尊は森ガキ監督から「これは記録で(本編では)使わない」と言われていたことを明かし「2人が同じシーンは少ないけど、ドキュメンタリーとしてどう進んでいくか、そこで1回共有しようという会だったんです」と説明すると、森ガキ監督は「僕も何が撮れているのかわからないので、素材を見たら“こういう構成にいけるな”って広がりが変わったんです。喋っている内容があの内容じゃなかったら、今の編集とは全然変わってくると思います」と使用した理由をコメント。


これに志尊は「「使わない」ということだけで、僕らは荷が降りるんですよ。どうしても見られてしまうという自分と、見られていない自分で、1枚フィルターがかかる中、だからこそ、使わないからこそ喋れた内容だし、かと言ってそれを使ってほしくないわけではなくて…」と吐露すると、森ガキ監督は「不思議な空間でしたね。計算してこういうのを撮りたかったわけではないですよ。2人きりになったときにいい化学反応が起こったのかなって思いますね」と手応えをにじませた。


最後に、締めのメッセージを求められた志尊は「この作品を撮っている中で、自分自身迷ったし、この作品も続けることができないかもしれないなって思う瞬間もありましたが、この作品を通して何かメッセージを伝えたいということよりも、僕自身、こうやっていろんな方とお会いしないとわからなかったこと、知らなかったことがたくさんあって、それを共有できるだけでもみなさんが少し楽になったり、いろんな悩みを抱えている人や、それでも頑張っていきている人ってたくさんいて、僕もその1人だと思うし、この作品を通して“これだ!”ってことじゃなくて、作品を見ていただいて(それらを)共有できたことが1番幸せなことだと思います」と熱弁し、「まだまだコロナもそうですし、最近は地震とか災害もありますが、みなさん、どうか生きてください。またお会いできることを楽しみにしています」と語った。

※本記事は掲載時点の情報です。

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