12人の監督が描く、12の物語からなる映画『DIVOC-12』より、“共有”というテーマで制作する三島有紀子監督チームの予告映像と場面写真が解禁となった。
映画製作プロジェクト『DIVOC-12』
ソニーグループが立ち上げた「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」の支援活動の一環として、株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優の継続的な創作活動を支援する映画製作プロジェクト『DIVOC-12』(読み方:ディボック-トゥエルブ)を始動。12人の監督が描く、12の物語からなる映画『DIVOC-12』はコロナ禍で映像制作活動において大きな影響を受けているクリエイターたちを支援、10月1日(金)に公開する。
本プロジェクトの中核となって映画制作を牽引していく3人の監督は、『新聞記者』(19年)で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめとした主要3部門を受賞した藤井道人監督、第42回日本アカデミー賞8部門で賞を受賞し、世界中で社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』(18年)の上田慎一郎監督、第41回モントリオール世界映画祭で審査員特別大賞を受賞した『幼な子われらに生まれ』(17 年)の三島有紀子監督。日本映画界を代表する監督たちそれぞれの元に、一般公募より選ばれた新人監督含めた9名が集い、共に映画制作を行っていく。
三島有紀子監督チームの予告映像解禁
そしてこの度、“共有”というテーマで制作する三島有紀子監督チームの予告映像が解禁となった。
「12人の監督が紡ぐ、12の物語」。完全オリジナルストーリーからなる12本の作品から三島監督チーム4作分の予告映像となっている。解禁となった映像は、三島監督の『よろこびのうた Ode to Joy』から始まる。歩(藤原季節)から「いい仕事あんですけど、一緒にやりませんか?」と東北弁で優しく声をかけられる冬海(富司純子)。ベートーヴェンの交響曲第9番「喜びの歌」が高らかと響き渡る中で、2人の人生への不安、そしてよろこびを予感させる映像となっている。
続けて、山嵜晋平監督作品『YEN』。ポラロイドで写真を撮って遊ぶ高校生の夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)。「あの子たちほんっとうざい!-300万円!」と嫌いな人には低額をつけて仲良く笑い合う二人だったが、ある日、冬美から「帰って」という言葉が。女子高生のきらきらした若さと不安定さが感じられる映像だ。
齋藤栄美監督作品の『海にそらごと』は、「恥ずかしくないの?家族捨てて、こんな生活して」と生まれてから一度も会ったことのない母親の真実(中村ゆり)に会いにいったが、その生活ぶりに戸惑いを隠せない海斗(髙田万作)のセリフが印象的だ。「なんで嘘ついたの?」海斗のセリフから、二人の関係に秘密があることが感じられる予告となっている。
最後に加藤拓人監督作品『睡眠倶楽部のすすめ』は、「何かを忘れたまま私はここで暮らしている」と透子(前田敦子)が語り始める。透子は、様々なストレスによって眠ることが出来なくなった人々が暮らす、“睡眠倶楽部”で生活している。透子が忘れてしまった大切な何かとは?透子の行き着く先が気になる映像となっている。
各作品の場面カット到着
どこか不安げな表情の歩(藤原季節)と冬海(富司純子)の姿や、ポラロイドを川に流す夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)のカット。さらに、どこかぎこちない海斗(髙田万作)に愛おしそうに寄り添う、真実(中村ゆり)の姿や広い部屋の中でどこかを見上げる透子(前田敦子)のカットなどそれぞれの不安や寂しさもありながらどこか温もりも感じられるカットばかりだ。
“共有”というテーマ
三島監督は、“共有”というテーマについて「2020年から、世界中がこんなに同じことに苦しんだり、悲しんだり、少し喜んだり…同じ問題と気持ちを共有したことってないのではないか、と思いました。ある種、救いがないように思えるこの時期を共有したその先に、私たちは何を共有できるのか、できないのか、共有していきたいのか。ということをあらためて、俳優やスタッフを始めチームの監督達といろいろ話しながら作れたらいいな、と思ったことがテーマにした理由の1つです。チームでは作る時間を共有し、みなさまには作品を観る時間を共有していただければ幸いです。きっと、みなさまそれぞれに、〝共有〟が見つかると願っています」と語っている。12人のクリエイターとともに、世界中で影響を与えている「COVID-19」をひっくり返したいというテーマで始まったプロジェクト。人との関わりが減った今、三島監督チームの彼らは一体どんな想いを“共有”してくれるのか期待したい。