作品ごとに異なる顔を魅せる柄本佑、「イケメン」と評判も「チーム力に感謝」

映画・舞台 公開日:2021/09/06 19
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実力派俳優として数々の映画監督から高い評価を受けている柄本佑。近年はテレビドラマ等でも、包容力と存在感ある佇まいで、女性を中心にファン層を広げている。そんな柄本が映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(9月10日公開)では、漫画家である妻の担当編集者と不倫をする夫・俊夫を演じ、なんともいえない怪しさと色気を漂わせた。緩急自在に役を演じ分け、危うさ、際どさ、爽やかさ、優しさなど多面的な人物を作り上げる柄本の魅力に迫る。


悪い奴だけれど、愛らしさを持つキャラクターの役作り

TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018 で準グランプリに輝いた企画を映画化した本作。柄本は、自身の不倫を見抜かれ、その行動を漫画として描く妻に翻弄される男性を演じた。柄本は「初めて台本を読んだとき、映画通が認めるシネフィル的な要素がありつつも、僕自身が単純に台本を読んで騙されたように、王道のエンターテインメントを描きたいんだなという堀江貴大監督の意図を強く感じました」と感想を述べる。

しっかりと「魅せる」と言う意味で、つかみどころのない俊夫というキャラクターを、どのように、エンターテインメントとして際立たせていったのだろうか。「とにかく主体性がなく、情けなく感じるキャラクターですよね。しかも不倫をしていて100パーセント良くないし、悪い奴なんですが、最終的に観終った人が、悪人だと思わないような……。なんかしょうがない奴だなっていう愛らしさを出したいと監督が仰っていたので、あまり重くならないようにという部分は意識しました」。

「老若男女が観て気持ち良く騙されてくれたらいいな」と思って臨んだ本作。ファンだという、漫画家の鳥飼茜が劇中漫画を担当したことも、柄本はテンションが上がったという。「『サターンリターン』や『ロマンス暴風域』を読んでいました。実際自分でも筆入れするシーンも撮ったのですが、短い線はいいのですが、長い髪の線とかは、すごく難しかったけれど、面白かったですね」と撮影を振り返る。


同業者夫婦「僕は自分たちも、両親も、義理の父もみんな同業者(笑)」

柄本の言葉通り、劇中の俊夫は悪い奴というよりは“しょーもないなー”というキャラクターに仕上がっている。そこには、妻・佐和子を演じた黒木華との、なんとも言えないジリジリとした距離感が大きく作用しているように感じられる。柄本、黒木という実力派俳優たちの織りなす夫婦関係というのも、作品の大きな見どころだ。


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「僕はどちらかというと振り回される側だったので、黒木さん演じる佐和子の一挙手一投足に反応していればよかった。佐和子がとても凛としているキャラクターだったので、その言動や視線に振り回されるだけで、俊夫という役は自然とできていく。その意味ではうまく引き出していただいたと思います」。


過去にも黒木とは、同じ作品での共演はあったが、ここまでしっかりと対峙することは初めて。しかし「うちの弟(柄本時生)が共演したりしていたので、あまり遠い存在という感じが僕のなかではなく、夫婦という設定にも違和感はまったくなかったですね。とても楽しかったです」と語る。


もう一つ、共に漫画家という同業者夫婦というのも、物語に面白さを加えている。奇しくも柄本の実生活と被る部分も多い。「僕らだけではなく、僕の両親、義理の父も俳優という同業なので、それが普通のことなんですよね」と笑うと「ある意味で設定というか世界観には、すんなり入っていけたと思います」と柄本ならではの回答。


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