日本のアニメーションの最高峰に参加できたような気分
映画の主題歌を作る際、一番大切にしているのが、映像にしろ、台本にしろ、資料にしろ、接した際に感じたものをストレートに音に出すこと。本作では「ラッシュ(未完成の)の映像と、小説の上中下巻を読んで感じたインスピレーションを曲にしました」という川上。
物語では『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』後の世界を舞台に、地球連邦政府に反旗を翻す組織「マフティー」を率いるハサウェイ・ノアの戦いが描かれている。ハサウェイの声を務める小野賢章はイベントで「ハサウェイが悩みながらも前に進んでいく思いとマッチしたような曲」と「閃光」を賞賛していたが、主題歌が入った映像を観た川上は「ガンダムの世界観にしっかりと溶け込んでいるなと感じました。スタジオで完成した曲を聴くよりも、完成した映画を観たときのほうが興奮しました」と胸をなでおろしたという。
出来上がった映画を観た磯部は「言い方が正しいか分かりませんが、今回の『閃光のハサウェイ』は正当な系譜の新作であり、ストーリーにも歴史があるのですが、『ガンダム』だからと身構えなくてもいい。分かりやすい物語だなと感じました。もちろん戦闘シーンや映像の技術は、まさに「ガンダムワールド」で堪能できました。そんななか「閃光」が流れてくると、自分たちの感性が『ガンダム』という作品に入り込んでいると感じられて嬉しかったです」と感想を述べていた。
白井も「言ってみれば『ガンダム』って国民的なアニメーション。例えが正しいか分かりませんが、『サザエさん』に楽曲を提供したような、日本のアニメーションの最高峰に参加できたという気持ちになりました」と喜びが溢れてきたという。