次世代俳優 和田庵 1年半の休業経て進化、尾野真千子の息子役「“やってやろう”と」

映画・舞台 公開日:2021/05/14 16
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15歳の次世代俳優・和田庵が、『舟を編む』『町田くんの世界』などで知られる映画監督・石井裕也の最新作・映画『茜色に焼かれる』に出演する。


和田が演じるのは、主演・尾野真千子扮する田中良子の息子、純平。理不尽な事故で父親を失い、弱者ほど生きにくい時代に翻弄される母子を描く本作で、母を気遣い日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子を熱演する。


8歳から芸能活動をスタートさせ、語学力・人間力を高めるためのカナダ留学を経た和田が、満を持してメインキャストを飾る本作の魅力や裏話、俳優業への思いを語った。


──メインキャストとして映画出演が決まった際の心境はいかがでしたか?

カナダに留学していて約1年半、休業という形で空白の時間があったので、久しぶりの現場に不安や緊張もありました。尾野真千子さんの息子役という点でもすごくプレッシャーを感じましたが、その反面「頑張ろう」「やってやろう」と思いましたね。


──やはりプレッシャーもあったんですね。撮影にあたってはどんな準備をしたのでしょうか。

届いた台本を何回も見直しました。純平は自分とはかけ離れた役だったので、自分が純平だったらどうするだろうと何度も考えました。自分だったらなんで僕だけこんなことになるんだろうと思うと思います。


──作品に対しては、どんな印象を抱いたのでしょうか。

R15+指定の作品ということもあって、大人な話だなと思いました。純平を演じるのは大変でしたが、試写会で初めてスクリーン越しに観たときに、良子と純平って似ているなと思ったんです。尾野さんが本当の家族みたいに接してくれて、気楽に話しかけてくださったので、リラックスして撮影することができました。尾野さんに感謝しています。

──芸能活動を始めたのは8歳の頃だそうですが、これまで出演してきた作品と比べて、スクリーンで観たご自身は和田さんの目にどう映りましたか。

留学前、たくさんオーディションを受けてきたんですが、毎回同じようなダメ出しをされていたんです。僕は間をとるのが苦手で、相手がセリフを言った後に間をとればとるほど迷惑がかかってしまうのではないかと不安で、すぐに自分のセリフを言ってしまっていたんです。

でもこの作品では石井監督が「間を大事にするように意識してみて」とおっしゃってくださって、出来上がった作品を観たら「間ってこんなふうに映るんだ」という学びがありました。1ヶ月ちょっとの撮影だったんですがあっという間に感じて、最後の1週間は本当に寂しかったです。


──芸能活動を始めた当初と現在で、俳優業に対する向き合い方に変化はありますか。

最初は『天才てれびくん』とか『ピラメキーノ』とかが好きで、「自分も出たい」って両親に言っていたみたいです。今は路線的に変わってきてますよね。『茜色に焼かれる』では、今までやる機会がなかったちょっとしたアクションシーンにも挑戦しています。飛び蹴りや傘で上級生と戦うシーンがあって、台本を見ているときには不安だったんですが、いざやってみたら、すごく楽しいと思いました。今後機会があればアクションシーンのある作品にも挑戦していきたいなと思います。


──飛び蹴り、かなり高い位置まで飛んでいるように見えました。大人の肩くらいまで飛び上がっていましたよね。

スケボーをやっていたから脚力がすごくあるんです(笑)。跳び箱とかもすごく得意です。でもあれだけ飛んだのは初めて。


──注目してほしいシーンはありますか。

それは飛び蹴りですね(笑)。でもアクション以外にも体を使ったシーンがいくつかあるので注目してみてほしいです。僕、緊張すると体が動かなくなっちゃうみたいで、動き方を忘れちゃうんですよ。過去の作品でも家の中で歩いているシーンで右手と右足が同時に出ていたりして(笑)。そういう意味で、これだけ僕が自然に動けている作品は新鮮なので、ぜひ意識していただけるとありがたいです。


──重たい空気が流れる場面もある作品でしたが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

石井監督は、普段は気さくで優しい方です。尾野さんも楽屋とかで雑談なんかするときも本当に優しくて、なによりも明るい方で、現場の空気とかが2人がいるだけでパッと明るくなるような感じでした。家族で食卓を囲うシーンなんかも、フレンドリーに接してくださったおかげで、リラックスして臨むことができました。


──生と死についても考えさせられる作品ですが、今作を通してどんな影響を受けましたか。

この作品に触れるまで、生と死については実感があまりなかったですし、「こういう世界があるんだ」ということもこれまでは気にも留めていませんでした。でも今回の作品を経て、日常生活の中で行動的になった気がします。例えばスケボーをするにしても、今までは遠出をするのが面倒で、近場のあまり環境の良くない場所で滑っていたんです。でも毎日同じ場所にいても変化がないなと思って、遠くに移動するようになりました。


──最後に改めて、映画『茜色に焼かれる』の公開を待つ方にメッセージをお願いします。

社会のルールだったり、理不尽な人たちに親子がかき乱されるお話です。生と死に関してもリアルに描かれている作品で、綺麗事無しでいろんなシーンを描いていると思うので、全体を通して良い作品だなとみなさんに思っていただけることを願っています。

※本記事は掲載時点の情報です。

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