芳根京子「辞めてもいいんだよ」お芝居を楽しめる原動力

映画・舞台 公開日:2021/02/11 22
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作品に対する真摯な思い、凛とした佇まいからくる清廉さと透明感――。女優・芳根京子にはデビュー当時からそんなイメージが漂う。誰しもが備えられるものではない特性は、大きな武器である一方、透明な水は、どんな色にでも染まるため、こうしたイメージを守ろうとする場合も多い。しかし芳根は20代前半にして、そんな透明な色をさまざまな色に変えることを“楽しめている”ようだ。


難役オファーに「すごく嬉しかった」

最新作となる映画『ファーストラヴ』で芳根が演じたのは、アナウンサーの面接試験を受けた当日、画家である父親を殺害した容疑で逮捕された女子大生の聖山環菜。環菜は動機について「そちらで見つけてください」と発言したことにより、美人女子大生が起こしたセンセーショナルな殺人事件として、マスコミに大きく取り上げられることになる。


なぜ父親を殺すような事件を起こしてしまったのか――という彼女の深い闇が物語のキーとなる。本作の話をマネージャーから聞いたとき、芳根は脚本と原作を読み「すごく嬉しかった」と当時の心境を述懐する。


この“嬉しい”という言葉の意味について「こういう難しい役を私に……と声を掛けてくださる人がいたんだ」と感激した気持ちだったという。


半信半疑で臨んだ現場だからこそ「その場で出てくる感情をすべて出した」

喜びの一方で、作品の肝になる人物、しかも一筋縄ではいかないキャラクターを演じるという大きなプレッシャーが芳根の心にのしかかった。それは芳根自身と環菜の取り巻く環境が、まったく違ったから。「原作を読んで、環菜という女の子は純粋に愛が足りない子だと思ったんです。シンプルに愛が欲しい子。私自身、家族の仲がすごく良く、環菜の境遇を完全に理解することはできなかったんです」。


しかし、理解はできなくても本を読んで「環菜という子が本当に救われて欲しい」と心の底から思った。演じる人物を「分かってあげたい」と強く思うことで、役を自身に取り込んだ。


現場でも「しっかり役を理解できているのだろうか」と半信半疑だった。だからこそ、あまり考えず「その場で出てくる感情を、我慢せず殺さず、すべて出そう」と臨んだ。


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