伊藤沙莉が、もがきながら必死に生きるデリヘル嬢の世話係に
『タイトル、拒絶』(11月13日公開)
第32回東京国際映画祭で「日本映画スプラッシュ」部門でワールドプレミア上映を飾り、主演の伊藤沙莉が同映画祭にて東京ジェムストーン賞を受賞した本作。メガホンを取るのは、本作が長編初監督となる山田加奈。デリバリーヘルスを舞台に、若くてモデル体型の女性が入店したことで店の人気嬢が一変し、女性たちの人間関係やそれぞれの人生背景が崩れていく様子が、センセーショナルかつエモーショナルに描かれている。伊藤が演じるのは、かつて体験入店で店を訪れたものの、怖気づいて逃げ出し、セックスワーカーたちの世話係に落ち着いたカノウ。「ワタシの人生なんてクソみたいなもんだと思うんですよね」と無愛想に吐き捨てる姿が印象的なキャラクターで、伊藤が誰にも渡したくなかったと語るほど、意欲的に挑んだ役柄だ。「必死に、もがきながら、なんとか生きているという点では、今こういう時代だからこそ、より多くの方々に観ていただきたい」と伊藤が語るように、力強く生きようとする女性たちの姿に、勇気をもらえる一作となっている。
▼伊藤沙莉インタビュー記事