多部未華子「泣かなかったんじゃなくて、泣けなかった」複雑な胸の内吐露

映画・舞台 公開日:2020/10/20 6
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『EUREKA ユリイカ』などで世界的に知られる青山真治監督の7年ぶりの長編映画『空に住む』が、多部未華子を主演に迎え、2020年10月23日(金)より全国公開される。今回、本作で初共演を果たした多部未華子と美村里江、二人きりの掛け合いが堪能できる本編シーンが初公開された。

両親の急死を受け止めきれないまま、叔父夫婦の計らいでタワーマンションの高層階で暮らすことになった直実(多部)。叔父の妻である明日子(美村)は、世話好きな性格も手伝って、両親を亡くしたばかりでも忙しく働く直実を気にかけている。解禁されたシーンは、風邪を引いてしまった直実と、様子を見に来た明日子が語り合う場面だ。


年上の夫(鶴見慎吾)とは仲睦まじく、豪華なタワーマンションでセレブ主婦として豊かな暮らしを送っている明日子。一見すると満ち足りた生活だが、望んでいるものの子供がまだおらず、仕事をしていないため夫の出張中は暇を持て余し、人生に空虚さを感じている。対する直実もまた、心に穴が開いたような気持ちを取り去ることができずにいた。明日子が何気なく、直実が両親の葬式で泣かなかった話に触れると、直実は「泣かなかったんじゃなくて、泣けなかった」ことを明かす。自分は冷たい人間なのかもしれないと吐露する直実に、明日子は真剣な表情で否定しながら、「そういうことってあるのよ。どんなに悲しくても、あまりにも悲しくて泣けないことってあるの」と優しく語り掛ける。明日子の真理をつくようなセリフと共に、“姪と叔母”ならではの親し気で心地よい空気感も味わえる、印象的なシーンは必見だ。

青山監督は本作でのキャスト陣の演技について、「今回の俳優さんたちは優秀で、最初から図太く『私はこれをやる、俺はこれをやる』と、自分で役を作って行動する人たち」と絶賛。本編では今回解禁されたシーンのほかにも、明日子の“悪気のない世話好き”が度を越して、直実の心に波を立てる場面も。思わず「こんな人、いるいる!」と共感できそうな人物描写と共に、多部や美村の細やかで豊かな演技を存分に堪能することができる。

それぞれ胸の内に複雑な思いを秘めた直実や明日子の姿が、多忙な日々の中で感情をすり減らしながらも前進していく、現代女性たちと重なる本作。彼女たちはそれぞれどんな道を選び歩んでいくのか、映画館で見届けよう。

『空に住む』は、10月23日(金)より公開。


■『空に住む』
2020年10月23日(金)全国ロードショー
出演:多部未華子 / 岸井ゆきの 美村里江 / 岩田剛典 鶴見辰吾 / 岩下尚史 髙橋洋 / 大森南朋 永瀬正敏 柄本明
配給:アスミック・エース

『空に住む』文庫版 書影クレジット: 出版社:講談社

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