俳優の仲野太賀と女優の大島優子が3日、都内で行われた映画『生きちゃった』の初日舞台挨拶に若葉竜也、石井裕也監督と参加した。
コロナ禍での初日舞台挨拶に大島は「この劇場に来るまでに車の中から渋谷を見ていたけれど、人の姿も戻って久しぶりに人であふれかえる渋谷をみました。それでも皆さんマスクをしていて、その姿になかなか慣れません」と心境を明かし「こういう状況下での“生きちゃった”という言葉はしっくりくる。延期や中止が相次ぐ中で初日を迎えることができて嬉しい」とシミジミしてた。
幼馴染みの山田厚久(仲野太賀)と奈津美(大島優子)、そして武田(若葉竜也)の物語。厚久の妻・奈津美の浮気をきっかけに、そのバランスが崩れていくストーリー。
石井監督によるオリジナル脚本に仲野は「痺れました」と感嘆で「脚本の熱量と切実な思いとセリフ。作家が本当に思っていることが並んでいました。僕が演じることの意味も感じたし、自信を持って堂々とここにいられるというか、全部を出しちゃったので言い訳できない状況。気合を入れて臨みました」と熱演報告。
大島も「脚本というか、小説を読んでいるような感じ。状況を説明するト書きも展開に必要な一行になっていて、“仏のように永遠に感情をむき出しにしている”というト書きもあった。まさに試されているような気がして、私にとってもチャレンジ。読みながら高揚しました」と惚れ込んでいた。
役者陣がリミッターを外した演技を披露するラストシーンが話題。石井監督は「実力派の本気の姿は想像しきれず、ラストシーンは凄すぎて僕自身が引きました。ここまでの芝居を撮れたら、傲慢にならざるを得ない。もう“傲慢になっちゃった”!」と苦笑い。とくに大島が絶叫するシーンは「急に叫びだして、怖くなった。大島さんはアッチの方にいちゃっていたので…凄いですよね」と大絶賛だった。
当の大島は「台本に書いてありましたよ?」と照れつつ「それまでの奈津美の行動を考えると叫ばないかな?と思ったけれど、気持ちを素直に吐き出して自分をさらけ出してみようと思ったら、叫んでいました」とケロリ。隣の部屋に待機していたという若葉は「心臓がバクバクしましたよ」と大島の女優魂炸裂に震えていた。