女優・長澤まさみが主演を務める映画『MOTHER マザー』の公開記念リモート舞台挨拶が7月4日に都内で開催され、長澤をはじめ、阿部サダヲ、奥平大兼、郡司翔、浅田芭路、大森立嗣監督が登壇した。
実話をベースにした本作は、社会から孤立していく中で築かれる母と息子の歪んだ絆が、ひとつの殺害事件を引き起こす物語。この日は、7月3日にオープンしたTOHOシネマズ池袋の観客と舞台挨拶会場をつなぎ、“リモート舞台挨拶”を敢行。その模様が全国5都市、15劇場でライブ中継された。長澤は「こんな大変な中、映画館に足を運んでいただいて本当にありがとうございます」と駆けつけた観客に感謝し、“リモート舞台挨拶”に「新鮮」と笑顔。「たくさんの方々とつながっている気がして、とてもうれしいです。こういう舞台挨拶もレアだと思いますので、楽しんでいってください」と呼びかけていた。
長澤が劇中で演じたシングルマザーの秋子は、男とゆきずりの関係を持ち、その場しのぎで生きてきた奔放な女性。子どもを学校に通わせないなど、世間からは許されないような女性だ。長澤は「共感しようと思っても、共感できませんでした」と“毒親”である秋子への思いを吐露。「わからないこともあるんだと知った役。映画が旅立っていくうれしさと同時に、本当にそれを手放していいのかと考えたりもした。役を演じて、ここまで後ろ髪を引かれる感覚になったのは、初めての経験。そこまで役と向き合えたと思うと、無駄ではなかったかなと思える」と貴重な経験となった様子だ。
阿部は「長澤さんがこういう役をやる印象はなかったし、“お母さん”というイメージもなかったので、びっくりしました」と告白。「女優さんが嫌なイメージを作るというのは、難しいと思う。完成した映画を観て、あのお母さんに対してイラッとしたし、嫌だなと思った。不快な感じがした。映画としてはすごくいいこと」と長澤の演技を絶賛していた。
初オーディションで映画初出演を果たした秋子の息子役の奥平は、長澤からビンタを受けるシーンがあった。本当にビンタをされるとは思わなかったそうで、奥平は「思い切り叩かれたので、びっくりしました」苦笑い。「びっくりして、泣いちゃった」と明かすと、長澤は「ごめんなさい」と謝罪して、会場の笑いを誘っていた。
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