「すごく緊張しましたし、演技経験もなくて不安でどうしようもない。もう体当たりで頑張るしかない、という気持ち一つでした」。
人生初のオーディションで見事大役を掴み、映画初出演&初演技で長澤まさみの息子役を演じた16歳。7月3日公開の映画『MOTHER マザー』に出演する奥平大兼は、久々の大型新人と呼べる逸材かもしれない。
2014年実際に起きた殺害事件をベースに、自堕落なシングルマザー・秋子(長澤まさみ)とその息子・周平の歪んだ親子の絆を描く。翻弄されながらも秋子の望みに応えようとした周平のいじらしさを、奥平は初演技ならではのひたむきさで表現している。
オーディション当時は中学生だった。「朝からオーディションがあることを意識しながら行動していたので、その日最後の授業の6時間目は全然頭に入ってきませんでした。これからオーディションがあるんだ…と思うとソワソワしてしまって」と緊張感が高まる。
オーディションに際して、自分に課した課題「セリフを忘れない、セリフを噛まない」をクリアしたものの「緊張のあまり自分をアピールするようなこともできず、自己紹介程度で終わりました。今後の経験としていい勉強になったなと。まさか受かるとは思いませんでした」といまだに信じられない様子。