兒玉遥「“自分を壊そう”と思っています」 『熱海殺人事件』で魅せる女優としての真価

映画・舞台 公開日:2020/02/17 18
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元HKT48で女優の兒玉遥が、劇作家・つかこうへいの没後10年企画「つかこうへい演劇祭」第二弾の『改竄・熱海殺人事件』(東京・3月12日~/大阪・4月4日~)の「モンテカルロ・イリュージョン」に出演。元・欅坂46の今泉佑唯も務めた役・婦人警官の水野朋子を演じる。

HKT48時代にはセンターポジションも務め、2016年の第8回AKB48選抜総選挙では自身最高の第9位に輝くなど、アイドルとしての道を謳歌してきた兒玉。2019年6月に同グループを卒業すると、女優としての活動を本格化。舞台『私に会いに来て』で卒業後初となる舞台に挑戦した。

1973年に文学座に書き下ろされた『熱海殺人事件』は、つかの代表作。岸田戯曲賞を受賞し、何度も再演を重ねた同作は、1990年代以降様々なバージョンが作られている。

兒玉が出演するのは、その中でも異端とされる「モンテカルロ・イリュージョン」。女優としての道を次々と切り開いていく兒玉に、今作へかける思いを聞いた。




─まずは出演が決まったときの率直な感想をお聞かせください。

とても歴史のある作品ですよね。ほぼ4人の役者で2時間出続けて、キャラクターの熱量もすごく高い。この『熱海殺人事件』を乗り越えたら、絶対に自分に力がつく。「やってやるぞ」という感じで気合いが入りました。


─『熱海殺人事件』をご覧になったことはありましたか?

今泉佑唯ちゃんが演じていたのを見させてもらいました。私が前回出演した『私に会いに来て』を観に来てくださったときにご挨拶したんですが、今度ゆっくり話してみたいですね。『熱海』についていっぱい聞きたい。経験者からの言葉を聞くことで落ち着ける部分もあると思うから、本番前に会いたいなと思っています。


─作品にはどんな印象を持っていますか?

早口で、観たことのないような舞台でした。キャラクターのつかみどころがないと言うか、テレビとかで見るお芝居とは全く違った感じ。次々に繰り広げられる台詞合戦が目まぐるしくて、すごくエネルギーを感じます。


─兒玉さんが演じる「水野朋子」という役についてはどう思いましたか。

水野朋子は婦人警官で、部長の愛人という役です。『私に会いに来て』とはまた違ったキャラクターの女性を演じられるので、そこがすごく楽しみです。


─役を演じるうえで準備していることや心構えはありますか。

「自分を壊そう」と思っています。自分が出し切ってるつもりでも、もっともっと先の世界があるって思っていて、見ている人に変化が感じられなかったら意味がない。1つのセリフでも自分の中にいっぱいパターンを持っていけたらいいのかなと思っています。


─今作はセリフ量もすごく多いですよね。

稽古が来週からで、いま絶賛セリフを覚えてる期間なんです。今回のセリフは1人で4ページとかもあるので...。「なにこれ」と思ってびっくりしました。今までで一番長いセリフを覚えることになると思いますが、お客さんが最後まで私に見入って聞いてくれもらえるように、力量を上げていきたいなと思っています。


─セリフ覚えはどのようにしていますか。

前回の舞台を通して「いいな」と思ったのは、自分で読んだ声を録音して聞いて覚えること。相手役のも読んで「この言葉の後にはこれを喋るんだ」と。移動中とかは台本を開いて見れないんですが、音で聞いていたら歩いてるときでも、暗い場所で寝る前でも聞けるから、すごく効率的なんです。


─9月に上演された舞台『私に会いに来て』は、アイドル卒業後初の舞台でした。

『私に会いに来て』はナチュラルで自然なお芝居が求められていた作品でした。女優として初めての作品で、アイドルから女優モードで切り替えられた良い機会になったと思っています。今回は、前回よりもお芝居の振れ幅がすごく大きい役なので、さらに演じがいがあるなと思いました。


─アイドルとして立つ舞台と、卒業後に女優として立つ舞台で違いは感じますか。

個人で勝負してステージに立っているという感じはすごく強いです。アイドルだったら色んな場所で同じ歌を歌えるけど、この限られた期間で自分の持ってる最大限を出さなきゃいけないという責任感がありますね。より自分自身の力に目を向けるようになりました。より厳しく、自分を現実的な目で見て評価するという意識はより強くなったかなと思います。


─お芝居にはいつ頃から関心があったのでしょうか。

元々ステージに立ったり表現をするのは大好きで、お芝居で人の心を動かしたり、見てる人に楽しんで貰ったりパワーを届けるっていうのやってみたかったんです。アイドルとして歌って踊るのもすごく楽しくて無我夢中で進んできたんですが、大人になっていくにつれて「ずっとアイドルをできるのかな」と考えるようになって。やりたいことをゆっくり考えてみて「お芝居の道をもっと極めてみたい、挑戦してみたい」という気持ちに気付けました。


─HKT48を卒業する前に休業をしていた期間もありました。その時期には転身することも考えていたのでしょうか。

転身という決心はすぐにはついてなくて、将来何をしようかなっていうのを考えたり、やりたいことって何だろうと考えたりしていました。


─アイドルを卒業して、成長できた部分や変わった部分はありますか。

私はすごく自分を責める性格だったんです。自分の心の処理が下手くそというか、無我夢中で進んできたので、自分を元気にさせる対処法みたいなものを知らなかった。でも今は休業期間を経て、より自分自身と素直に向き合えるようになったし、自分を客観的に見る力がついたかなと思います。


─モチベーションを保つためにやっていることはありますか。

毎日、日記を書きます。15歳のときから続けていて、素直な気持ちで自分と向き合っています。「今日はこれがあったよ」とか「これがおいしかった」とかも書くし「お仕事は今こうだけどどうしたらいいかな」とか色々と書いています。


─愚痴とかも?

あんまり愚痴はないです。悪い感情は書かない。前向きな日記ですかね。


─最後に、公演を楽しみされてる方にメッセージをお願いします。

女優としてパワーアップした児玉遥をお見せできる作品になっています。ぜひ紀伊国屋ホールに見に来てください!

※本記事は掲載時点の情報です。

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