綾野剛、中村倫也の“震え”から「文学的な匂いを感じ取れた」

映画・舞台 公開日:2020/02/16 27
この記事を
クリップ

NHK大河ドラマ「龍馬伝」、『ハゲタカ』、『るろうに剣心』シリーズ、『3月のライオン』等、日本映画界に新たな挑戦をし続けている大友啓史監督の最新作『影裏』が2月14日に公開。




バレンタインデーである2月14日に、遂に公開を迎えた本作の公開記念舞台挨拶が開催され、失踪した友人を探す主人公・今野秋一役の綾野剛、今野の親友であり突然姿を消す日浅典博役の松田龍平、日浅の持つ裏の顔を今野に伝える二人の同僚、西山役を演じた筒井真理子、そしてメガホンを取った大友啓史監督が上映後の会場に登場した。

「みなさんこんにちは。本日はお越しいただき、感激しております。短い時間ですが、豊かな時間になればなと思います。」(綾野)、「今日はありがとうございます。初日を迎えられてとても嬉しいです。楽しんでいただけたら幸いです。」(松田)、「公開に立ち会ってくださって、本当にありがとうございます。チケットが1分で完売したというお話を聞きましたが、綾野さん、松田さん、大友さんの力だと思います。こんなに大きな劇場で、沢山の方に見守っていただいて嬉しいです。」(筒井)、「私の故郷の盛岡で大切に、大切に撮った映画です。大好きな三人の俳優と一緒に初日を迎えられて嬉しいです。今日はよろしくお願い致します。」(大友)とそれぞれ挨拶をし、会場の熱気も高まる。

監督は本作について、「元々は、震災を挟んだ話なので、2011年に僕の故郷でも突然愛する人がいなくなってしまった、戻って来なくなってしまったという方々がどういう想いで過ごしているのか。その想いを忘れちゃいけないな、オリンピックで賑やかになる前に忘れたくない想いがあるな、と思って作った映画です。愛する人を失うという事は震災に限らずどんなことでも当てはまることだと思います。そのあたりを上手く受け止めて頂いたら嬉しいです。」と本作に自身の故郷への熱い想いを込めたことを吐露。

本作は芥川賞受賞作の実写化となるが、綾野は「文学の映像化に成功している」とコメント。「情報過多な作品や世の中が当たり前になっていますが、限りなく情報を削いでいく作品でした。あまり無駄なことをしないように、なんとなく意識もしていましたが、現場に入ったらそんなことを考える必要なく演じることができました。僕も文学とはいったい何なのかという定義ができるわけではありませんが、おこがましいなと思いつつ、自分が純文学などを読んだ時に感じる心のひだの数というのが、自分が関わってきた作品で初めてこんなに感じた作品です。中村倫也くんが演じた副島も素敵で、美しくて可憐なんですけど、身体は震えているんです。彼がどういう想いで今野に会いに来たのかという部分も、文学的な匂いを感じ取れたなと思います。」と語った。


撮影時の思い出を尋ねられると松田は、「釣りをきっかけに今野と日浅が仲良くなるというのもあって、釣りのシーンが多かったんです。撮影が楽しくてはしゃぎすぎて、熱中症になっちゃいました。自然の怖さというか、自然を舐めちゃいけないなと勉強になりました。」と振り返った。筒井は「中村さんもそうですが、綾野さんもどんどん可愛くなっていって、ドキドキしていました。その隣には飄々と松田さんが佇んでいて、すごく幸せな撮影でした。震災などが起きてしまうと日常が無くなってしまい、マイノリティの方が更に日陰にいってしまうと思うんですけど、そこに光を当てて挑戦した監督も、綾野さんと松田さんのお二人も素晴らしくて、この作品に参加できたことが光栄でした。ひとつだけ、”盛岡さんさ踊り”を踊るシーンがあって、私は東京から練習していったんですけど、綾野さんと松田さんがへなちょこだったので、なんなんだこれは!と思っていました(笑)。」と綾野と松田のダンスの下手さを暴露すると、綾野は「僕と松田さんの共通点はダンスが下手なんです(笑)。」、松田も「気持ちで踊れるかなと思ったんですけど、テクニックも必要でした…。」という二人の弁解に会場は笑いに包まれた。

1/2ページ