大沢たかお&賀来賢人、活躍の裏で抱える俳優業への“葛藤”

映画・舞台 公開日:2020/01/30 19
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『SR サイタマノラッパー』や『22年目の告白 -私が殺人犯です-』の入江悠監督が、完全オリジナル脚本で挑んだサスペンス超大作『AI崩壊』(1月31日公開)。AIが人間の生活に深く入り込んだ2030年の日本を舞台に、最新AIが暴走し、[人の生きる価値]を選別して殺戮を開始することによって人々の生活がパニックに陥るさまを描く。そんな本作で医療AI「のぞみ」の開発者である桐生浩介を演じた大沢たかおと、彼の右腕として活躍する義理の弟・西村悟を演じた賀来賢人が、野心的な作品に込めた俳優としての思いを語り合った。


■上を目指している方々としのぎを削って、お客さんと勝負したい(大沢)


本作の完成報告会見の席上、メガホンをとった入江監督は、大きな予算を費やし野心的な作品を世に送り出したことに「このプロジェクトをきっかけに日本映画がオリジナルで勝負することに寛容になってくれれば」と未来に思いを馳せていたが、その気持ちは大沢や賀来も同じだったようだ。


近未来サスペンスということで、ハリウッド風の作品を想像しがちだが、大沢は「なんでも解決してしまうスーパーマン的な人物ではなく、日本映画らしくリアリティある主人公を意識した」と言うと「自分の役者としてのアプローチ方法があっていたかどうかは、公開してお客さんが判断することだけれど、しっかり興行として成功させることもミッションの一つ。その意味ではずっとピリピリした状態ですね」と胸の内を吐露する。




入江監督同様、本作の興行的な是非によって、これからの日本映画界がどう動いていくか――そんなことも大沢は強く意識して臨んだ作品だった。「何億円もかけて作ったものが、どれだけしっかりと受け入れてもらえるか、そこは僕らもプロとして意識する必要があると思う」。


同時に、大沢はそんなヒリヒリするような現場に生き甲斐を感じているようで「『失敗してもいいかな』なんて気持ちで臨む現場なんて面白くないですよね。それだったら俳優なんてやらないで他の仕事をやった方がいい。どうせやるなら、上を目指している方々としのぎを削って、お客さんと勝負したい。それだけの作品、題材だと思う」と本作への熱い思いを語る。


■大沢たかおとの出会い「僕の俳優人生にとって、とても大きなことでした」(賀来)


大沢の近くで撮影に挑んだ賀来も、作品の持つ熱に大いにほだされた。


「この現場は熱量がすごかったです。オリジナル作品ということもあって、入江監督をはじめスタッフさん、そして大沢さんが先頭に立ち、キャストたちが、ゼロから自分たちで作り上げようという意志が強く感じられました。自然と自分も『なにか発信していかなければ』という気持ちになれたんです。まだまだ経験が浅いですが、そんな思いが湧きあがってくることはこれまであまりなかった。自分がそんな熱い作品作りの一つのピースになれたというのは、僕の俳優人生においてとても大きなことでした」。




スタッフ、キャストたちが一丸となって、挑んだ本作。撮影は過酷さを極めたというが、互いへの敬意と信頼が推進力となった。大沢と賀来は本作が初共演だったが、年の離れた義理の兄弟は、作品のなかで俳優として惹かれ合った。


大沢は「賀来さんの評判はいろいろ聞いていたので、ご一緒するのがすごく楽しみだったんです」と語ると「役に対してとても真摯に向き合っていて、的確に物語を捉えていた。信頼してお芝居ができる俳優さん」と評価する。大沢にとって対峙する俳優を“信頼すること”がもっとも大切だと以前話していたが、まさに賀来は“信頼”に値するような存在だったようだ。

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