佐藤健、窪塚洋介、北村匠海…実力派俳優が魅せる「家族の物語」

映画・舞台 公開日:2019/11/18 17
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気温も下がり、街中も冬の装いをはじめると、なぜか人恋しくなるものだ。SNSなどのコミュニケーションツールの発達により、ある意味で簡単に人と繋がれる一方、密な人間関係を築きづらいと感じる人も多いのではないか。そんななか“家族”というのは、さまざまな形はありつつも、いまも昔も変わらぬ普遍的な“繋がり”を持つ。11月は“家族”をテーマにした秀作が揃った。物語を彩る実力派俳優たちと共に作品を観ていきたい。


『最初の晩餐』(公開中)

■窪塚洋介ら実力派俳優たちが囲む食卓に注目




数々のCMやミュージックビデオを手掛けてきた常盤司郎監督の初長編映画。7年の歳月を費やし自身がオリジナル脚本を綴った。


父親が亡くなった通夜――注文していた通夜ぶるまいの弁当が来ない。やきもきする娘の美也子(戸田恵梨香)をよそに母親のアキコ(斉藤由貴)は涼しい顔で「キャンセルした」というのだ。アキコは自分で料理を作るというと最初に運ばれてきたのは、父親が初めて作ってくれたという「目玉焼き」だった。そこから不思議な関係の家族の物語が始まる。


父・日登志に扮するのは永瀬正敏。そして母は斉藤。長男シュンを窪塚洋介、長女・美也子を戸田、そして次男・鱗太郎を染谷将太が演じる。父と母は再婚同士であり、父の子が美也子と鱗太郎、母の子がシュン。つまり美也子・鱗太郎とシュンは血の繋がりがない。


こうした複雑な関係が、家族になっていくさまと、崩壊していく様子が丁寧に綴られる。そこにはサスペンス的な要素も含まれ、一定の緊張感を保ったまま物語は進む。特に斉藤、窪塚、戸田、染谷が食卓を囲むシーンは、それぞれが芝居の間を楽しむような駆け引きも感じられ、惹きつけられる。なかでも、染谷、戸田、斉藤という実力派の俳優のなか、窪塚の存在感は圧倒的で「シュン兄」という美也子にも鱗太郎にも憧れの存在である説得力を、瞬時に見せつける。戸田もインタビューで窪塚について「一瞬で芯をついてくる」と絶賛していた。


「家族とはなにか」というテーマの作品は、これまでもたくさんある。この作品は、そのテーマに寄り添いつつも、正解を出さない。それこそがリアルな家族像だということが胸に突き刺さる。


染谷将太さんインタビュー▼

https://news.dwango.jp/moviestage/42604-1910


戸田恵梨香さんの幼少期演じた森七菜さんインタビュー▼

https://news.dwango.jp/moviestage/43112-1911

 

『ひとよ』(公開中)

■スター佐藤健が魅せる“陰”な男




いまや日本映画界でもっとも注目度が高い監督の一人と言っても過言ではない白石和彌監督が描く“破たんした家族の物語”。


タクシー会社を営むある家族。その営業所で事件が起こる。震える口調で母親・こはるは「お母さん、さっき……お父さんを殺しました」と言う。こはるは、異常な父親の暴力から子供たちを守ろうと一線を越えた。


こはるを演じるのは名優・田中裕子。白石監督は母こはるを作品の背骨としてキャスティングし、その子供たちである次男・雄二を佐藤健、長男・大樹を鈴木亮平、妹・園子役を松岡茉優に託した。


母親のしたことは自分たちを守るための行動――と分かってはいるものの、子供たちには複雑な思いが渦巻く。なかでも佐藤演じるフリーライターの雄二は、思いを昇華できず母を素直に受け入れられない。刑期を終え出所して来た母と15年ぶりに再会するも、やり場のない感情は、自らを追い込むように負の形として家族を追い込む。


白石監督が話すように、田中の超然とした佇まいが物語の幹として中心にあるのはもちろんだが、雄二の怒り、悲しみ、愛情、諦めといった複雑な感情を表情や行動、仕草で表す佐藤の演技には脱帽する。

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