EXILE/三代目JSB小林直己、アメリカで勝負した理由「僕だけ貢献できていなかった」

映画・舞台 公開日:2019/11/14 18
この記事を
クリップ

■メンバーを尊敬している


この言葉こそ、小林の人間性を表しているように感じる。普通なら、焦りやイライラはメンバーへの嫉妬や負の感情に昇華されていってしまいそうだが「基本的に僕はメンバーを尊敬しているんです」と笑顔を見せる。


「才能がある人たちが集まっているなか、彼らは決して努力を欠かさないんです。それを見ていて、能力の差は一生縮まらないんだなと感じるんです(笑)。でも、だからこそ潔くもなれて、自分にはなにができるのかをしっかり見極めることができるんです。英語も芝居も、自分のなかでいろいろ考えたなかで始めたこと。メンバーの存在によって気づかされた部分は大きいです。ライバルであり家族であり、仲間……感謝しかないです」。


小林がロンドン国際映画祭のワールドプレミアに参加したのとほぼ同時期に、三代目 J SOUL BROTHERSのNAOTOが初主演映画『ダンシング・マリー』でシッチェス・カタロニア国際映画祭に、EXILEのAKIRAが『その瞬間、僕は泣きたくなった』のワールドプレミアで高雄映画祭に参加した。こうして海外で活躍するメンバーを見るのも「とても励みになります」と自身を奮い立たせる材料になっている。


■『アースクエイクバード』出演で、ダンスに対する向き合い方も大きく変わった


ダンスと俳優業――小林は「芝居はダンスの延長線上にある」と語るが、俳優として本作を経験したことで、ダンスへの取り組み方がまったく変わったという。それは自分の持つ強みの再発見。


「海外に行って自分で仕事を得るために、いろいろな人に自分をアピールするわけです。『僕は小林直己と言います』というところから始まって、『日本でアーティストとして毎年100万人動員するライブツアーをやりつつ、アリシアやウォッシュ監督と共に、俳優の仕事をしました』と言い、さらには『マーシャルアーツやサムライソードなどのアクションもできます』とアピールする。そんななか、今回の作品を経験し、意識していたわけではないのですが、自分のなかに日本人としての文化や精神性がしっかりあると理解できたんです。それはもっと広げれば東アジアの歴史のなかに培われたものが受け継がれているんだなと……」。


いままではコンプレックスばかりの人生だったという小林が、本作を経て「自分は自分のままでいいんだ」と思えるようになった。これまでダンスやエンターテインメントを創作する際「自分ではない、何者かになろう」としていたというが「自分が大切だと思っていること、自分ができることをシンプルに伝えよう」という考えにシフトチェンジした。そのことで少し肩の力が抜けたという。




■アリシア・ヴィキャンデルから受けた影響


さまざまなことを吸収できた『アースクエイクバード』という作品。主演を務めたアリシアからも大きな影響を受けた。彼女は劇中、日本語を巧みに使う。それはただセリフを言っているだけではなく、文脈を理解し役に落とし込んでいるのが見てとれる。


「ウォッシュ監督が言っていたのですが、アリシアが演じるルーシーは非常に複雑な感情を持つキャラクターであるだけではなく、日本語の長セリフもモノローグでしゃべる。しかもチェロもしっかり弾かなければならない。世界中を見渡してもそれを完璧に仕上げられる女優はアリシアしかいないと話していました。僕もそう思うぐらい彼女は努力家なんです。リードアクターとして、現場を引っ張りつつ、役に入っていないところではとてもナチュラル。心の底から信頼できる女優でした」。


一流のスタッフ、キャストと共に現場を経験した小林。俳優としての大きな第一歩を踏み出したが「これからも、素晴らしい人間性と文化を持つ日本人が、世界のいろいろなところで活躍していけたらいいなと思っています。先人たちが道を切り開いてくれたおかげで、こうして僕も舞台に立てているという思いがあるので、チーム日本というイメージでこれからも夢をかなえていきたい」と未来に思いを馳せていた。


取材・文:磯部正和

写真:稲澤朝博

2/2ページ

この記事の画像一覧 (全 40件)