山崎まさよし&北村匠海、年の差26歳も絶妙な“親和性”

映画・舞台 公開日:2019/11/11 0
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人が纏う空気感を明確に言語化するのは難しいが、男女問わず理屈抜きで“相性が良さそうだ”と感じる組み合わせは存在する。篠原哲雄監督がメガホンをとった11月15日(金)全国公開、映画『影踏み』で共演した山崎まさよし北村匠海は、親子と言ってもいいぐらい年の差はあるが、スクリーンに映し出された二人の姿を見ると瞬時に「兄弟だ」と思わせてくれる説得力がある。


本作で山崎が演じるのは、寝静まった民家を狙い現金を盗み出す窃盗犯、通称「ノビ師」の真壁修一。一方、北村が扮するのは「修兄ぃ」と親しげに呼びかけてくる年の離れた弟・啓二だ。実年齢は26歳という大きな年の差がある。山崎自身も「若い俳優さんとはまったく接点がないので、気後れする部分があった」と顔合わせのときには、距離を感じていたという。北村も「まさよしさんは僕の両親がど真ん中世代で、誰よりも共演を喜んでいました。しかも音楽をやっている身(ダンスロックバンド・DISH//のボーカル兼ギター)としては(山崎は)音楽界のレジェンドであり、緊張する存在でした」と別世界の存在だったことを明かす。


しかし劇中では、そんな世代や立場の壁をまったく感じさせないほど、二人はしっくりいっている。「とにかくまさよしさんがフランクに接してくださって、撮影が終わると『兄弟なんだから一緒に帰ろう』と声をかけていただけたりしたので、いろいろなことを話すことができました。こうしたコミュニケーションを続けていくうちに、自然と距離が縮まりました」と北村は山崎の行動に感謝する。


山崎も「役者さんって、いい芝居をしようとスケベ心を出す人が多いと聞きます。でも北村くんは、俳優部としてスタッフの一員になれる。若ければ他者を出し抜いたり、エゴを見せたりすることがあると思うのですが、この映画はそれを出したらダメになる。そういうことを肌で分かっているなと……。だから彼が作る空気感に乗っかっているだけでいい。音楽をつけるために、何度も本編を観ましたが、彼のそういった振る舞いが、作品のクオリティをあげているなと感じました」と絶賛する。


北村の出す空気感に乗っかっていたという山崎だが、北村自身も山崎の纏う“人生”に酔いしれたという。「役者って面白いもので、自分でない誰かを演じるのですが、8割その人になっても2割ぐらいは自分が歩んできた経験が、キャラクターを通して自然と引き出されてしまうと僕は思うんです。修一という人物も、窃盗犯という現実的にはなかなか出会わないような人なのですが、まさよしさんが歩んできた人生の深さが修一に染み込んでいるので、すごく大きな木の幹のような安心と重みを感じました」。

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