松本穂香「地味だった」学生時代、居場所を求めた過去

映画・舞台 公開日:2019/11/08 14
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ドラマ『この世界の片隅に』でみずみずしい存在感を放ち、その後は数々の作品で主演に抜てきされるなど、22歳の松本穂香が実力派若手女優の筆頭として、めきめきと頭角を現している。市井の人々に宿る輝きを描く映画『わたしは光をにぎっている』では、自分の居場所を探す主人公・澪を好演している松本。彼女自身、芝居という熱中できる場所を見つけるまでは、「クラスでもものすごく地味なタイプでした。自分ってダメなのかなと思っていたし、なかなか自分の居場所を見つけることができなかった」と告白する。今、どのように女優業と向き合っているのか。元気の源までを語ってもらった。





「自分の出ている映画を観て、こんなふうに泣いたのは初めて」


故郷を出て、東京の下町・立石にやってきた澪が、不器用ながらも自分なりに生きる道を見つけていこうとする姿を描く本作。松本は、澪が働くことになる銭湯や、昔ながらの商店街など、どこか懐かしく、愛おしくなるような風景にスッと溶け込み、透明感あふれる存在感を発揮している。


メガホンを取った中川龍太郎監督が、松本自身を澪役としてイメージした形で脚本が完成した。それだけに松本も「ここまで、取り繕おうとせずに役を演じたのは初めて。澪の心の動きなど、そのすべてが私の中にもあると思った」と澪に並々ならぬ共感を寄せ、こんな初体験も味わったという。「完成作を観て、思わず涙が溢れてきてしまったんです。自分の映画を観て、こんなふうに泣いたのは初めてです。“作り込まないこと”を意識して演じていたのに、映画の中ではちゃんと澪として見えていたのが面白くもあり、うれしくて。客観的に観て、こんなにも自分が好きだなと思える映画に出演できていることを、すごく幸せに感じました」。


「クラスでも地味なタイプ。自分ってダメなのかなと思っていた」芝居との出会いが転機に


上京してスーパーで働いてみるものの、客からの質問やクレームに対応できず、すぐに店を辞めてしまうなど、澪は自分になにができるのか、自分がやりたいことはなんなのかがわからず、さまよう女の子だ。本作だけでなく、『酔うと化け物になる父がつらい』(2020年春公開予定/片岡健磁監督)、『みをつくし料理帖』(2020年秋公開予定/角川春樹監督)など、主演作が相次ぐ松本だが、「なかなか始めたことも長続きしなくて、中学ではバレーボール部に入ったんですが、すぐに辞めてしまって。自分ってダメなのかな、飽き性なのかなと思っていた」と澪と同じような悩みを抱えていたと明かす。


その悩みを打破できたのが、芝居との出会いだ。「お芝居に夢中になれたのは、高校生のときに演劇部に入ったことがきっかけです。私はクラスでも発言するようなタイプではなくて、ものすごく地味なタイプで。でも演劇部で役をもらうと、恥ずかしいなと思うことでも言うことができたり、演じることがどんどん楽しくなっていったんです」とニッコリ。「さらに自分の興味あることに挑戦してみようと思って、事務所のオーディションを受けてみました。やらないよりは、やった方がいい!と。今もこのお仕事を辞めたいと思ったことはないので、飽き性だったというよりは、それまでの自分は、やりたいことや好きなことが見つかっていなかったのかなと思います」と力強く邁進している。

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