“クールなともちん”は過去のもの、板野友美の境地「自然体でいるのが一番楽」

映画・舞台 公開日:2019/08/29 3
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心理サスペンス映画『プリズン13』(8月30日公開)で演じているのは、美人で男前な新進気鋭の格闘技ライター・ユマ。歌手で女優の板野友美にあるクールなイメージにピッタリの役どころだ。しかし御本人に会って言葉を交わしてみると、飾らずおごらず、クールとは真反対の笑顔の多い素直な女性であることがわかる。20代後半に突入して「自然体でいるのが一番楽」という答えにたどり着いた板野の境地とは。


全盛期のAKB48で絶大な人気を誇っていたクールな“ともちん”時代。「10代の頃は大人っぽいのがカッコいいと思っていたし、メンバーの中でもクールキャラ担当というポジションでした。バラエティ番組でもそれを求められるので、クールに徹していましたね」と与えられた役割を全うしていた。2013年にAKB48を卒業し、ソロ歌手や女優業を本格化。キャラとしての役割ではなくて、板野友美で勝負する時代に突入した。「友人たちから『普段のままの方がいい』と指摘されたこともあって、自分のまま素直にいようと思った。そうしたら自然体でいる方が一番楽だと気付いたんです」と笑みをこぼす。




無理な背伸びをやめたアラサーの今現在が「仕事もプライベートも楽しい」と一番の充実期のようで「20代前半は忙しいことに慣れていて、1日でも休みがあると不安になって寂しさを感じていたけれど、今は1人の時間も楽しめるようになった。本を読んだり映画を観たりして、自分のために色んなものを吸収することや、逆になにもしないで、スマホゲームをしたり、のんびり過ごすこともできるようになった。」とスローライフな休日を実践し、心身ともに好調のようだ。


なんの変哲もない過ごし方が女優業に活きる。「女優業は特殊な職業や役柄を演じる以上に“ごく普通の人”を演じることが多い。普段の生活でスーパーに行ったり、自炊をしたり、普通に生活することも大切」と実感を込める。『プリズン13』では、夫役の前野朋哉と他愛のない夫婦生活の一端を自然に表現。「監獄シーンは殺伐としているけれど、私と前野さんのシーンは楽しく和んだ空気感の中で撮影ができました。前野さんは優しくてイメージそのまま。撮影中も撮影以外でも柔らかい雰囲気を醸し出していました」と変わらぬ人柄に安心した。


そんな前野と突然キスするシーンは驚きだが「キスといっても、ハプニングのような一瞬のチュー。私自身も顔色を変えることなく反応もせず、したのも気づかないくらいのキス」と笑い飛ばしながら「構えることもなく、ドキドキのキスシーンでもない。もちろんキスの種類にもよるけれど、チュー程度だったら緊張はしません。もう10代ではないですから」とユーモアも忘れない。


一方、親指で輪ゴムを飛ばすというアクションには苦戦。「コントロールが難しくて、家でかなり練習しました。注目してほしいのは、棚に置いてある首振り人形に輪ゴムを当てる場面。テストでは一度も成功しなかったのに、本番では一発で当てられました。演じながら『やった!』と心の中で叫びました」と嬉しそう。


「極めたい!」という思いから、撮影期間は演じるキャラクターの性格や嗜好に影響されるという。「無意識に役に引っ張られてしまうというか。今回は格闘技ライターという設定もあり、ボクシング関連のニュースが凄く気になった」と染まる。プライベートでも“極めたい!”ことがある。それはドライビングテクニック。「免許を取得してから1年が過ぎて安全運転はマスターしているけれど、縦列駐車が苦手。何度も前に出たり後ろに戻ったり、周囲に迷惑をかけているような気がするので、いつかノールック駐車を極めて後続車にクラクションを鳴らされないようにしたい」と意気込む。


クールなイメージとは程遠い自然体の人。実はお笑いも大好きで「女優としてもクールな役が多かったので、喜怒哀楽のある天真爛漫な女性を演じてみたい。コメディーにも興味があります」。自分らしさを大切に、開いたことのない新しい扉をノックしていく。


文・写真:石井 隼人

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