婚活美女を演じる黒川芽以、女優としての信条は「綺麗に映ろうと思わない」

映画・舞台 公開日:2019/03/22 16
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子役時代から数えて芸歴26年、女優の黒川芽以が覚醒した。3月23日公開の主演映画『美人が婚活してみたら』(大九明子監督)は、誰もが認める美人ながらも、恋愛に失敗続きのタカコが婚活を通して人間として成長していく様を描く。これまでドラマや映画で男性が憧れるヒロイン像を作り上げてきた黒川が一転、独り身に打ち震える三十路オーバーの女性を体現。見事なまでのコメディエンヌぶりで、婚活女性の悲喜こもごもを笑いと涙で彩る。




当初黒川は『美人が~』というタイトルに気負ってしまったという。しかし大九明子監督からのオーダーは“美人を演じる必要はない”だった。「描かれるのは、美人過ぎるがゆえに相手が定まらない女性のあるある話ではなく、見た目はそれなりに美しいけれど、どこかずれている女性が婚活を通して成長していく物語。私自身も31歳で、タカコとほぼ同世代。結婚についても考える年齢なので、30代独身女性の共感とリアルを前面に演じようと思った」と方向性は定まった。


黒川が演じる上で意識した「30代独身女性の共感とリアル」は、“モテない美人”という設定に説得力を与える。部屋でノートパソコンを寝転がって使ったり、意味もなく口をパクパクさせたり、眉根に皺を寄せてスマホを操作したり。ヒモノ系女子っぽさが高い顔面偏差値を下げていき、美人なのにモテない女性像が作り上げられる。整った顔立ちの黒川が、映画開始20分ほどでフツーにしか見えなくなるのだから不思議だ。


「演じる上で綺麗に映ろうと思ったことがない」という黒川の女優としてのこだわりも、モテない美人の再現率の高さを補強する。「役柄の気持ちが先にあるからこそ、ナチュラルに体が動いてくれる。もし綺麗に映ろうと思うと、そこばかりに意識が集中してしまい、キャラクターとしての気持ちがおざなりになってしまう。役を二の次にして自分を綺麗に映そうというのは恥ずかしいという気持ちもある」と役柄に仕えることが信条だ。


アドリブにも燃えるタイプ。婚活相手の一人として現れるレイザーラモンRG扮する謎の中年男性とのやり取りも「途中からはアドリブ。RGさんのナチュラルすぎる演技に感動して、エキサイトしました。どんなことを言われてもアドリブで返してやる!という戦いが好きなので、次にどんな反応が返ってくるのかワクワクした」とお笑い芸人とも真剣勝負。


昨年ブレイクした田中圭中村倫也がタカコを悩ませる婚活相手として登場。2人とも過去作品で共演経験あり。「圭さんは朝テンションが低くて、夜になると高くなる。そのギャップに爆笑しました。でも朝のけだるそうな感じが色っぽく、危ない色気として演じた矢田部にそのまま出ている。倫也君は同年代で10代の頃から知っている仲。幼なじみっぽさもあるし、戦友のような印象」と共演を楽しんだ。


劇中では、栃木の一軒家持ち、ベテラン婚活師、ホイップ系婚活男子、女たらしのバツイチ歯科医など様々な種類の男性がタカコの前に現れるが、黒川の理想のタイプは「会話中に視線を外さない情熱的な目の持ち主が好き」で「まるで男同士のように熱っぽく仕事の話をお互いできるような関係が理想。若い時は色気のある危ない男性に惹かれたこともあるけれど、30代になると断然中身重視」と実感を込める。


結婚願望については「35歳までには。あと3年で絶対に御嫁に行きます!」と宣言しつつ「よく『仕事と家庭のどちらを取るか?』という選択がありますが、片方だけを選ぶなんてもったいない。両方得ることによって、生活にもメリハリが生まれて、頑張れる。緊張しすぎて本番で失敗するのと同じことで、プライベートも充実するからこそ、仕事も上手くいく」と幸せな未来に思いをはせている。


現在31歳ながら、子役時代から数えて芸能生活はなんと26年。「学生時代はイジメられていたので、撮影現場が自分の一番楽しい居場所でした。その気持ちは今も変わらず、好きだからこそやめられない」と思いを込める。意外なことに賞レースには無縁。「もちろん形に残るものをいただけるのは嬉しいですが、何よりもモノ作りが好き。長くやっている分、再会する喜びや、自分より年下の監督と組んで作品を作り上げていく喜びもあって、楽しさは尽きません」と演じ続けることがモチベーションになっている。


■ヘアメイク:帆足雅子(プランセット)

■スタイリスト:原田幸枝

■文・写真:石井隼人

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