アップアップガールズ(仮)が、3月18日に東京・新宿ReNYでワンマンライブ『アップアップガールズ(仮) Way of Our Life~工藤菫 卒業SP~』と『アップアップガールズ(仮) Way of Our Life~鈴木あゆ 卒業SP~』の2公演を開催した。
アプガ(仮)は、2021年1月から関根梓、古谷柚里花、鈴木芽生菜、工藤菫、鈴木あゆ、小山星流、青柳佑芽、住田悠華の8人体制で活動してきたが、先日、工藤菫と鈴木あゆが3月いっぱいでの卒業を発表。この日の2公演が2人の卒業ライブとなった。彼女たちは、8人体制アプガ(仮)の集大成を見せ、さらに新たな6人体制アプガ(仮)の新曲『Persist to Live』を初披露。そして、5月3日のグループ結成記念日に新宿BLAZEで12周年ワンマンライブ開催決定を発表するなど、感動と前向きなパワー全開のステージを展開した。
記事では、昼公演『アップアップガールズ(仮) Way of Our Life~工藤菫 卒業SP~』の模様を中心にレポートをお届けする。
コロナ禍で始動した8人体制のアプガ(仮)にとって、この日は、観客が声を出して応援ができる、初の声出しライブでもあった。会場にオープニングSE「overture(仮)2021」が流れると、大勢のアプガファミリー(アプガ(仮)のファン)が歓声を上げる。ステージに登場したメンバー8人は、『今日も私が冴え渡る』から元気さ全開でライブをスタート。続けて、がんばり続ける思いを歌う『Up!Up!Up!』を披露し、観客と一緒に会場のテンションをアップさせた。
MCで自己紹介とライブへの気合いを口にしたメンバー8人は、最新シングル曲『立ち上がループ』から『宣戦 Brand New World!』『野性神風燃ゆ戦場』と激しいナンバーを立て続けにパフォーマンス。ますます熱気高まる会場に、アプガ(仮)は『アルストロメリア』をドロップ。彼女たちは希望を目指し進んでいく思いを歌とダンスでエモーショナルに表現し、観客の心をがっしりと掴んでいった。
オーバーヒート状態の会場をクールダウンするように、ミディアムポップの『24/7』『パーリースタリー』でしばしのブレイクタイム。だが、落ち着くことを知らないアプガ(仮)は、『プールサイドモンスター ~情熱編~』から早すぎる夏モードに突入。『ソラハレルヤッ!!』『パリガッ』でアツアツに盛り上がると、追い討ちをかけるように『アッパーレー』を投下。メンバー8人と全観客が一体となって、強烈なブチ上がり空間を作り上げた。
楽しい時間は瞬く間に過ぎていき、気づけばライブも終盤戦。MCタイムで、マイクを握った工藤がアプガ(仮)卒業の思いを語っていく。工藤は「私は、このステージが大好きで、今日も歌って踊ってる時間がほんとに幸せだなと思いました。この2年間、苦しいとき楽しいとき、いろんなことがありました。でも、ステージに立つとみなさんが待っててくれたんです。私は、ステージにいるときの自分が、一番私らしく素直な自分でいれたんじゃないかなと思います。私は不器用だと思いますが、私のアプガ(仮)の2年間にウソは無いし、全部が全力でした。毎日アプガ(仮)のことを考えなかった日はありません。私は、たくさん応援してくださるみんながいたから、今日もここに立つことができています。ほんとにありがとう。この奇跡を胸に、最後まで私の好きなライブを届けさせてください。きっと生きてたらまたどこかで会えると思います。私はそれを信じてます。だからみなさん、健康でいてください。いつか、強くなった私とまた会ってください!」と、涙を堪えて熱い思いを語ると、観客は大きな拍手を工藤に送った。
ステージにひとりになった工藤は『I LIVE YOU』を歌唱する。勢いのあるバンドサウンドに乗って、彼女は、これからも続く関係性が描かれた歌詞を感情を込めて歌っていく。曲の2番からメンバーも加わり、“君に会いたい”というフレーズを大合唱すると、曲の持つメッセージがしっかりと観客に伝わった。曲を通じて絆を確かめ合ったメンバー8人は、『FOREVER YOUNG』を披露。彼女たちは、夢へ何度でも挑んでいく思いをスカのビートとともに明るく笑顔で歌唱した。
ライブ本編も残すところあと1曲。「終わりたくない〜」とストレートに語る関根だったが、意を決して曲振りをしていく。関根は「アプガ(仮)という場所は、ほんとに素敵な仲間に出逢わせてくれるところで、(8人体制になったときに)ほんとに素敵な仲間が来てくれたなって関根は思いました。2年間このメンバーで活動してきましたが、どうしても人間だから次に目指したい場所だったりが出てくるのはしょうがないと思うんです。そうしたときに関根は、後悔なく飛び立って欲しいなっていつも思ってます。今日、すーちゃんとあゆが卒業します。このライブはすーちゃんの卒業スペシャルなので、すーちゃんを目で追ってたんですよ。そしたらすごく輝いててキラキラしてて、関根は心から背中を押して見送れるなと思いました。そして、新しい8人体制のアプガ(仮)を受け入れてくれたファンのみなさん、ほんとにありがとうございました」と、気持ちのこもった言葉を口にした。
関根が「最後、私たちから1音1音丁寧にみなさんの心に届けたいと思います」と語り、『Way of Our Life』が披露される。険しい道のりを乗り越え、また新たな決意で未来へと進んでいくという歌詞は、まさに今の彼女たちの思いそのもの。メンバー8人は、心をひとつにして熱いメッセージを観客に歌っていった。会場はエモさに包まれ、観客から大きな拍手が送られてライブ本編は終了となった。
ファンの鳴り止まないアンコールが響く中、工藤がひとりステージに戻る。工藤は「みなさん、すーみんコールありがとうございます。単独ライブで初めての声出しライブがギリギリで間に合ってほんとに幸せです。叫んでくださったみなさんほんとにありがとうございます。今日で、私はアプガ(仮)としてステージに立つのは最後ですけど、みんなと共有できた時間がほんとに幸せでした。卒業する私もあゆちゃんも、6人のアプガ(仮)も、そしてみなさんも、まだまだ人生は続いていきます。私は今日のことを絶対忘れないです。もし、みなさんが辛くなったときは今日の日のことを思い出して、「楽しかったな」って思ってくれたら私はすごくうれしいです。まだまだ続く工藤菫、鈴木あゆの人生、そして6人のアプガ(仮)、それぞれの応援をこれからもよろしくお願いします!」と、改めて今の思いを口にした。
工藤がステージを去り、新たな6人体制のアプガ(仮)が登場すると、元アカシックの理姫が作詞、奥脇達也が作曲した新曲「Persist to Live」を初披露する。彼女たちは、振り返らずに未来に進んでいこうという思いを明るく爽やかにポップに歌唱し、アプガ(仮)の新たな章の始まりをフレッシュにファンに届けた。
鈴木芽生菜は「新生アプガ(仮)の新曲、いかがでしたか。爽やかでキラキラな曲を、6人で力を合わせてたくさんの場所で披露できるようにがんばります。この曲の振り付けは、槙田紗子先生にお願いしました。真似できる振りもあるので、みなさんこれから一緒に楽しんでいきましょう」と新曲『Persist to Live』を解説する。続けて鈴木芽生菜は「ちょっとここで私の気持ちを話すんですけど、正直、私はまだ6人体制がどんな風になっていくのか想像できてないんです。ですけど、それはまだ私たちが真っ白で、何にも染まってないからこそ何にでも染まれるってことだと思うんです。だから、ここにいるファミリーのみなさんと配信で見てくださってるみなさん、そして私たち6人で、新生アプガ(仮)をきれいな色に染めて行きたいです。そして、私たちはみなさんにきれいな景色を見せていきたいなと思ってます。アプガファミリーのみなさん、引き続き変わらぬ応援よろしくお願いします!」と、これからの6人体制のアプガ(仮)についてを語った。さらに彼女は、新生アプガ(仮)が、4月1日に幕張メッセ 国際展示場3ホールで行われる『遊ぶ。暮らす。育てる。SATOYAMA & SATOUMIへ行こう2022』、4月2日に『下北デアウ』『ガラフェス』へ出演することを告げ、さらに5月3日の結成記念日に新宿BLAZEで12周年ライブの開催を発表した。
ここで工藤と鈴木あゆを呼び込み、ステージにメンバー8人が揃うといよいよアンコールラストのナンバーの時間がやってきた。鈴木芽生菜が「大好きなファミリーのみんな、卒業するすーみんあゆちゃん、そして新生アプガ(仮)の6人、全員に幸あれ!」と声を上げ、8人体制の始まりの曲『一歩目のYES!』を歌唱。2人の門出とアプガ(仮)の新しい出発を祝うように楽しく明るい空気が会場に溢れ、全員が笑顔となってライブの幕は閉じた。
また夜公演の『アップアップガールズ(仮) Way of Our Life~鈴木あゆ 卒業SP~』で、鈴木あゆは「アプガ(仮)で活動してきた2年間を振り返ると、私は人に恵まれたなって心の底から思うんです。グループとして大変なこともありましたが、個人としても大変なことがありました。学業との両立がうまくいかなくてもうダメかもって思った日もあったんです。でも、私がどんな状況でも応援してくれる方がたくさんいたんです。これって、奇跡みたいな関係だと思うんですよ。こんなに素敵なみんなに囲まれて、ここまでやって来れた私は幸せ者です。あと、私がずっと憧れてたあずちゃんも含むメンバーのみんな、友だち、推しメンとか、私の周りの人ってほんとに優しくてすっごい努力家で強い意思を持った魅力溢れる人しかいないんです。そんな素敵な人に私もなりたいって気持ちが、この2年間の原動力になってました。これまで私に関わってくれた全ての人たちのおかげで、私は納得いく活動ができました。ほんとにありがとうございます。次の曲は、そうしたみなさん全員に、感謝の気持ちやこれからもがんばるぞって決意を少しでも伝えられたらと思って歌います」と語り、ソロで『スタートライン』を歌唱した。
別れの寂しさはもちろんあるが、最後は笑って終るのがなんともアプガ(仮)らしい。メンバー8人は、この2年間で作り上げてきたアプガ(仮)の最高の形のライブをしっかりとファンに見せてくれた。4月からは6人体制となるアプガ(仮)が、どんな姿で楽しませてくれるのか。アプガ(仮)の今後の活躍に期待して欲しい。