モーニング娘。'22 加賀楓の卒業コンサートが 12 月 10 日に日本武道館で開催され、加賀が同公演をもってグループおよびハロー!プロジェクトを卒業した。
本公演は今年 9 月 24 日よりスタートしていたツアー「モーニング娘。'22 25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~SINGIN' TO THE BEAT~」の千秋楽公演。会場には新型コロナウイルス感染予防対策がとられ、当日は約 11,000 人を動員した。 またライブの模様は CSテレ朝チャンネル1 にて生中継されたほか、全国 47 都道府 県の映画館でライブビューイングも実施された。
加賀楓は今年 9 月にグループからの卒業を発表。研修生期間を含めた約 10 年間の 活動を経て「ダンスを本格的に 1 から学んでいく」という新たな目標へむけ、この卒業公演を迎えた。公演 3 日前からオフィシャルブログでは「スタッフの皆様へ。」「メンバ ーの皆様へ。」「ファンの皆様へ。」と 3 記事にわたってメッセージを綴り、セレモニーの手紙に代わる形で見せたいステージへの道筋を組み立てているのも加賀らしい動きだ。 メインとなる 360 度ステージ、そしてその外周を囲む渡り通路の各所に加賀のメンバーカラーであるイタリアンレッドの布が敷かれ、同じ色のペンライトの光が満員の観客席を埋め尽くす。
オープニングでは毅然とした姿で入ってきた 13 人が観客席へ拳を突き上げ、そこから外周通路をぐるりと回る足取りで『そうだ!We're ALIVE(updated)」』からスタート。会場の照明は明るいまま、誤魔化しのきかないパフォーマンス力を見せていく出だしだが、そんなところにもメンバー一人ひとりが持つプロ・アーティストとしての実力の確かさが表れた。
前半ブロックでは期ごとのデビュー曲を連ねたメドレーも披露され、加賀のソロ部分では加賀自身が考案したオリジナルの振り付けを交えたものに。メドレー後には新メンバー・櫻井梨央のデビュー曲となるニューシングル曲『Happy birthday to Me!』がフル披露され、アップテンポなサウンドにのせてそれぞれが挑戦的な表情をみせた。
最初の MC では加賀と横山玲奈の 13 期メンバー2 人というレアなトークが実現。2 人がこれまで実現できていなかったというバスツアーへの妄想を膨らませ、行き先も口を揃えて“秩父”と語ったあと、横山が加賀に「卒業まで実は半月ぐらいアディショナルタイムあるでしょ?(会場笑) ないの? じゃあわかった。私一人でやるからそっちは FC に入っといて。バスで落ち合おう」とぐいぐい迫って盛り上げた。
MC 後半でソロになった加賀は「一応私の卒業コンサートなんですが、この時間は目一杯パフォーマンスで使っていきたいと思っていますのでよろしくお願い致します!」と観客へむけ意気込みを伝える。 赤の新衣装をまとってのニューシングル曲『Swing Swing Paradise』から、後半戦では 現体制初パフォーマンスとなる楽曲が次々と披露された。『ジェラシー ジェラシー』『ビ ートの惑星』『人間関係 No way way』などから本編ラストは『歩いてる』。アンコールでは『強気でいこうぜ』『What is LOVE?』と立て続けに披露した後、それぞれのメンバーがツアー千秋楽の感想と卒業する加賀への思いを述べた。
今回が初武道館となった櫻井梨央は「半年間と短い期間でも、加賀さんと活動期間が重なったことは私にとってすごく大きなことでした」と語り、山﨑愛生は「私も加賀さんみたいに魅力的な人になれたらいいな」、岡村ほまれは加賀が教育係だったことも あり「何もできないときから色々教えてくださってて、ダンスとかもっと一杯教わりたか ったですけど、加賀さんの門出ということで、これからは追いつくぐらいの意気込みで頑張ります」、北川莉央は「エールを送ってくださる先輩でした。加賀さんのたくさんの励ましの言葉のおかげで少しずつ自信を持てるようになりました」と語った。
横山玲奈は「同期が加賀だったから、ここまで楽しく活動できたと思います。加賀が同期で本当に良かった。これからは別々の道を行きますが、私も、加賀に負けないぐらい頑張っちゃいたいと思います」。羽賀朱音は「本当に真面目で真っ直ぐで、ふざける ことも大好きないじられキャラのかえでぃーが本当に大好きでした」。牧野真莉愛は全 員を巻き込んで左腕を突き上げ「左腕のこれが仲間の印だ! ワンピース」と叫び、 野中美希は「13 人の中では唯一の同級生なんです。かえでぃーはこれから真っ直ぐ かがやいて進んでいくと思うので応援したい」とコメント。
小田さくらは「25 年続いてきたモーニング娘。私達も DNA の部分は変わらないと思っています。楓もそこへ今日まで新しいものを刻んでくれたと思います」。同じダンスに強みをもつ石田亜佑美は「かえでぃーには足の長さで勝てないんですが(会場笑)加賀は生まれ持ったものを、さらに自分の努力で使いこなせてるのがすごいなと思っています。同じグループに“くっそー!”と思える相手がいたのは、私はとても嬉しかったです」、生田衣梨奈は「みんなネイルを赤くしたり、私は髪も赤っぽくしてきたんよ。そ れに皆さんも今日こうして全国から見てくれて、加賀が本当に愛されてる証拠だと思います」。 最後にリーダーの譜久村聖は、今年このメンバーでモーニング娘。25周年を迎えられたことを振り返って観客へ感謝の言葉を伝えた後に「(加賀と横山に)加入発表をしに行った時のことをよく覚えています。その時から今、本当に大人になって成長していると感じます、後輩に愛され、先輩に可愛がられて、ファンの皆さんにも愛されて、かえでぃーがモーニング娘。に残してくれたものはとても大きいです。これから別々の道を歩むのは寂しいけれども、でもこれからもお互い頑張っていける、そんな存在になっていきたいと思います」と語った。
加賀楓が自身の卒業ソロで選んだ楽曲は『Give me 愛』。この楽曲だけは今の自分でもう 1 度やり直したいと思っていたという。加賀が自分の好きなダンスを思う存分出せるナンバーでもあったそうで、ステージでは赤と黒の卒業衣装をまとった加賀による自身振り付けを取り入れたパフォーマンスが観客へと届けられた。 ラストは全員での『Ambitious!野心的でいいじゃん』。駆けのぼる怒涛のサウンドとともに、最後は冒頭と同じように会場全体が明るくなり、ありのままの、誇らしさすら感じさせる堂々たるパフォーマンスとともにメドレー含む全 29 曲で公演は終了となった。
会場をつつむ大きな拍手の中、最後にステージを出る前に加賀は観客へと挨拶を送った。 「これまで私に関わってくださった全ての皆様、10 年間応援してくださった皆様、本当にありがとうございました! モーニング娘。 加賀楓でした!」
加賀楓の卒業曲『Give me 愛』は、あす 12 月 11 日より各配信サイトにて配信が開始される。モーニング娘。’22 は来たる 12 月 21 日に両 A 面シングル『Swing Swing Paradise / Happy birthday to Me!』をリリース。同作をひっさげ年末 12 月 29 日に「rockin'on presents COUNTDOWN JAPAN 22/23」へ出演したのち、ハロー!プロジェ クト恒例の年末コンサートおよび新春コンサートにも出演する。それぞれの来年以降の動きにも目が離せないところだ。
【セットリスト】
『モーニング娘。'22 25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR 〜SINGIN' TO THE BEAT 〜加賀楓卒業スペシャル』
2022 年 12 月 10 日(土)日本武道館(東京)
1.そうだ!We're ALIVE(updated)
2.恋愛レボリューション 21(updated)
3.ムキダシで向き合って
4.自由な国だから
5.恋愛 Destiny〜本音を論じたい〜
6.メドレー まじですかスカ! ピョコピョコ ウルトラ Help me!!(updated) 青春小僧が泣いている BRAND NEW MORNING KOKORO&KARADA
7.Happy birthday to Me!
8.忘れらんない / 小田・横山
9.Take off is now! / 石田・加賀・岡村
10.愛して 愛して 後一分 / 譜久村・生田・野中・山﨑・櫻井
11.大きい瞳 / 牧野・羽賀・北川
12.Swing Swing Paradise
13.ジェラシー ジェラシー
14.One・Two・Three(updated)
15.ナルシス カマってちゃん協奏曲第 5 番
16.ビートの惑星
17.人間関係 No way way
18.ドッカ~ン カプリッチオ
19.わがまま 気のまま 愛のジョーク
20.歩いてる
EN1.強気でいこうぜ
EN2.What is LOVE?
EN3.Give me 愛 / 加賀
EN4.Ambitious!野心的でいいじゃん