「ナナニジ夏祭り 2022」ファイナル公演、バラエティ豊かに打ち上げた5都市ツアーの集大成

アイドル 公開日:2022/08/12 12
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秋元康総合プロデュースのデジタル声優アイドルプロジェクト・22/7(ナナブンノニジュウニ、通称・ナナニジ)が 8月11日、KT Zepp Yokohamaで初の5都市ツアー「ナナニジ夏祭り 2022」ファイナル公演を開催。日本テレビ『MUSIC BLOOD』で披露し反響を呼ぶ最新曲『曇り空の向こうは晴れている』を始め、14人体制のもと生まれ変わった3組のユニットが個性豊かなパフォーマンスを繰り広げ、新章の到来を確かなものとした。


11月16日には10thシングルをリリースし、10月には、自身最大規模となる「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2022」を開催することも発表。さらなる躍進への期待が高まった夜公演の模様をレポートする。



提灯が掛かる盆踊りのやぐらを思わせるステージで、夏祭りさながらのにぎやかな空気に満ちた会場。overtureの流れる中、冠番組『22/7 計算中』用に誂えられた制服衣装で登場したメンバーが一列に立ち並んだ。いよいよ、ツアーファイナル。ここまで得てきたものにお返しするがごとく、投げキスやハートポーズで可愛らしさの大盤振る舞いの『好きと言ったのは嘘だ』から、あふれる気持ちを剛速球でぶつける『韋駄天娘』へと、勢いのあるスタートを切った。


担当キャラクター名とともに自己紹介する22/7ならではの挨拶が、新メンバーも含めて行われることが感慨深い。折しも「山の日」ということで気合いの入っている登山部出身の清井美那は、登場時、客席のペンライトが虹色の層となって点灯されていたサプライズに感激するとともに「いつも応援してくださっているみなさんに、恩返しのできる公演にしたい」と伝えた。宮瀬玲奈は「みなさんと一緒に過ごせる時間はすごく、すごく大切なものだと思っているので、今日も噛み締めて公演に立たせてもらいます」と、真っ直ぐに客席を見つめる。そして、体調不良のため参加できなかった四条月の分まで精一杯パフォーマンスすることを誓うのだった。


2月に新メンバーの加入が発表されて半年ほどになるが、一番変わったこととして語られたのが「楽屋の雰囲気」。メンバー同士で撮影しなければいけないときも積極的にカメラを持ってくれる後輩たちには「計算中」の楽屋のみならずツアー中も助けられたと、白沢かなえが証言する。ツアーの裏話として、体調不良により北海道公演を欠席した相川奈央に「大好きな詩さんの故郷へ行けなかったことが悔しい」と打ち明けられた河瀬詩は「来年行こうね」と、包み込むようなまなざしを向けた。椎名桜月は、本公演に向けてYouTubeでプレミア公開された前回のツアー「14」の映像を見ていた相川から「ダンス上達したね」と言われたことがうれしかったと話した。そんな新メンバーのパフォーマンスの向上は、さらなる楽曲の披露とともに明らかになっていく。


優しく重なりあう花弁のごとく目と目、手と手を合わせたメンバー同士のハーモニーで、清らかに咲き誇る『ヒヤシンス』。その花柱となった白沢が暗転の中ガクリと首を落とし、ゾクゾクした緊張感の中で始まった『地下鉄抵抗主義』。ステージをコロシアムに変え、メンバー同士が火花を散らす『僕らの環境』では、天城サリーと月城咲舞が手を握って魅せたダイナミックなダンスが目を引いた。そんな22/7の凛々しい一面が「理解者」で極まると、最後には『空のエメラルド』。大きくなった地平から生まれるウェーブが、新たな未来への予感とともにヒリヒリした空気を癒やすのだった。


今ツアーの目玉といえば、新メンバーを加えて新たに編成された3組のユニットによるパフォーマンスが初披露されたことだろう。この夜公演では、衝撃とともに各ユニットの方向性を打ち立てた初めての各ユニット曲と、その新境地を見せつけることとなった最新曲の2曲ずつが歌われた。


『気の抜けたサイダー』(天城サリー、西條和涼花萌、椎名桜月)は『パラララパッパラ』と〝ゆるふわ〟なスキャットも愛らしい『カントリーガール』で、天然不動のマイペースユニットぶりを発揮。楽曲に歌われる能天気さの一方、急遽、涼花萌がステージに上がれなくなったアクシデントも、残りの3人で跳ね返すアドリブ力や、そんな仲間を気遣う優しさも彼女たちの底力だ。


〝ハッピー〟タイプの「「ハレンチ」こと『晴れた日のベンチ』(相川奈央、麻丘真央、雨夜音、清井美那、望月りの)は、全員が新メンバーならではの一体感を持って、22/7の歴史に残るバズり曲『半チャーハン』とともに、また打って変わった『君は誰だ?』をクールかつパワフルに披露。フェンシングを特技とする麻丘真央や、水泳とバレエを特技とする雨夜音ら健康的に鍛え上げられた身体を存分に使い、激しいダンスブレイクで魅了した。


失った恋の数だけ女に磨きをかけていく〝セクシー〟な『蛍光灯再生計画』(河瀬詩、宮瀬玲奈、白沢かなえ、月城咲舞、欠席の四条月)も、『読みかけの漫画』というこれまでにないモチーフの楽曲で色香を漂わせる。しなやかな手のひらが表情豊かに彼女たちの寝転ぶ部屋へといざなうが、両手の人差し指を前に突き出すポイントの振りで親指を立てると某芸人さんのポーズになってしまうため気をつけているという話も笑いを誘った。


3組のめくるめく個性に飲み込まれるうち、あっという間にクライマックスへ。日本テレビ『MUSIC BLOOD』でも披露され、全編セルアニメーションでキャラクターをいきいきと描き出したMusic Videoと、再生回数220万回に迫る勢いのリアルメンバーによるdance videoにより多方面で話題を呼んでいる、新メンバー加入後初めての表題曲『曇り空の向こうは晴れている』。「今はそのままでいいから」と、自分自身を抱きしめ唱えるかの西條和。「希望っていうのは、人から人へ繋げていくものなんだ」と、望月りのが放つ真っ直ぐな輝き。「死にたかった、死ななくてよかった」――。縮こまってしまった心を解き放つような躍動感とともに全身全霊で伝えられる思いは、葛藤や苦しみも乗り越えてステージに立つメンバーとも重なり〝今〟を物語る。ため息ではなく深呼吸で払う、心の曇り。息の合った群舞の中で、先輩も後輩も互いに肩の荷を預けあえる仲間となって歩んでいく、第二章の真の始まりを感じた。


本編ラスト・ナンバーは、この特別な時間が終わることを拒むかのように、瞳をうるませた情感あふれるセリフや、拳を何度も前に突き出すアグレッシブな振りが22/7らしい魅力を放つ『打ち上げ花火の拒否権』。乱れ打ちのごとく、次々とフォーメーションを変えながら一丸となってさまざまな花火を表現した圧巻のフィナーレは、ステージでこそ映える22/7の楽曲の真骨頂ともいえるだろう。背景で火の粉を吹き上げる特効も会場を熱く盛り上げた。


流れる和太鼓のリズムに合わせ、アンコールを求める拍手が音頭のようなムードを作り出すと、うちわや水風船を手に華やかなメンバーカラーの浴衣をまとった13人があらわれた。これまで放課後の景色を描いてきた『循環バス』が、いつもとは違う同級生の姿にハッとさせられるようなときめきをくれる。アンコールからステージに再登場した涼花萌のはんなりした佇まいは、やはりこのグループには欠かせない、さすが京美人の風格だ。


公演中、この日の昼夜公演ならびにツアーのバックステージの映像も特典として収録された10thシングルを11月16日にリリースすること、そして、東京国際フォーラム・ホールAで2DAYSという自身最大規模の「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2022」を開催することを発表し、驚きと喜びに会場が揺れた。


祭りの終わっていく切なさの中、次に会える約束を交わすかの熱を持って歌われたラストナンバー『いつの間にSunrise』。やがて会場と配信で見守るファンに手を振り、口々に感謝を伝えながら5都市全7公演の幕を下ろしたのだった。


今回初めてパフォーマンスする曲も多く「新人」から脱却すべく必死に食らいついた後輩メンバーたち。デビューからの夢でもあった地元凱旋を叶えた先輩メンバーたち。コロナ禍にあって、残念ながら14人完全体での公演は果たせなかったが、それでもバトンをつなぐように全員の力で完走し、たくさんの笑いと涙の中で絆を深め、実り多いツアーとなった。一人ひとりの感想は、その後に行われた22/7オフィシャルファンクラブ「ナナニジハウス」限定アフター配信で語られることとなったが、天城の「みなさんが胸を張ってナナニジを応援しているんだと言えるよう、これからも14人で頑張っていきます」という言葉が力強い。


一人ひとりの美しさ、健気さ、覚悟や矜持が、暗い闇の中にも力強い夢の花を咲かせた一夜。だがしかし、夏はまだ終わらない。今月21日には、初の「SUMMER SONIC 2022」への出演も控えている。一度きりの瞬間を全力で駆け抜ける22/7の姿は、太陽に負けないまぶしさで、熱く心に刻まれていくだろう。


文責:キツカワトモ

※本記事は掲載時点の情報です。

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