2017年、オーディション番組『ラストアイドル』から誕生したアイドルグループ、ラストアイドル。様々な対決と課題を繰り広げながら、アイドルシーンに大きな足跡を残す彼女たちは今年5月31日をもって約4年半に渡る活動に終止符を打つこととなった。最後の日に先駆けて、4月27日に待望の1stアルバム『ラストアルバム』をリリースした。今インタビューでは1期生の西村歩乃果と間島和奏、2期生の畑美紗起と大場結女に、作品の感想と共にこれまでのラスアイでの歴史について振り返ってもらった。
『ラストアルバム』を聴いていると、これまでのドラマや想い出が目に浮かんでくる
――1stにして最後のアルバム『ラストアルバム』が完成いたしました。あらためてこれまでの足跡の全てが詰まった今作を聞いての感想は?
間島
こうして今までの私たちの歩みが一枚になると……ジャンルが何一つ被っていなくて、ラスアイの曲って独特だなあと思いますね。けど、この様々な色を持っているのがラスアイの良さだなあって思います。
西村
そうだね。こうしてみると…………(しばしの間を置いて)幅広いよね。
間島
随分と間を空けたね(笑)。
西村
いやあ、本当にめちゃめちゃ広いなあって。『愛しか武器がない』のような歌詞ツメツメの、ザ・秋元(康)さん楽曲!もあれば、『君は何キャラット?』みたいな実験的なものもあって。それでいてアルバムに入った私たちの最後のオリジナル曲『僕たちは空を見る』は、またラスアイの新しい一面を広げる曲になっている。最後の最後まで私たちは本当に変化し続けるグループだったなあって。
畑
本当にラスアイの曲って最高なんですよ。色んなアイドルさんがいる中、本当にどの方々の曲もステキなのですが、一番はラスアイの曲だなあって……これ、ラスアイに洗脳されているかもしれません(笑)。
一同
アハハ(笑)。
畑
もう、曲をいただくたびに「なんでこんなにステキなの!!」と感動しちゃうんですよ。
西村
完全に親バカだね(笑)。
畑
本当にそうです(笑)。それだけ励まされる曲ばかりで。私たちがラストアイドルじゃなくなったとしても、一生聞き続ける曲たちだろうなあって。
大場
ラスアイは、シングル表題曲からカップリングまで、全曲にみんなの特別な想い出が詰まっているんですよ。そう考えると、『ラストアルバム』は、まるで“写真のアルバム”みたいだなと思いました。曲が流れてくると、「こんなこと、あったよね」ってその時々のドラマや場面がパッと思い浮かぶんですよ。ラスアイの歴史は、曲と一緒にあるんだなあって、改めて『ラストアルバム』を聴いて思いました。
ラストアイドルの楽曲と記憶。畑美紗起&大場結女編
――大場さんからステキなパスをいただきました。70曲近くあるラスアイ楽曲の中で、一番思い入れのある楽曲を、その曲にまつわる想い出と共にレコメンドしていただこうかなと思います。
一同
えぇっ!? 難しい……。
畑
ありすぎて選べないね。
大場
本当に、どれも印象深いからね。そうだなあ……私は、2期生初の楽曲『愛しか武器がない』も大切なのですが、『愛を知る』も同じぐらい大きな曲で。『愛を知る』では初めて選抜制度が導入されて、オーディションバトルで勝ち上がった人が選抜に入れるという戦いを繰り広げたんです。この時、私は正直不甲斐ない出来だったのにもかかわらず、なぜか選んでいただけて。そのことが逆に「なんで私が?」という悩みになり、みなさんの前に立つのが怖くなるほど葛藤していたんです。けど、『愛を知る』を聞くとすごく励まされて、そのおかげでこの曲の期間に「いつまでも後輩気分でいたらダメだ」と、気持ち的に成長したなと思っていて、私をすごく変える大切な曲です。
西村
私も『愛を知る』での結女はすごく印象に残っている。2期が加入してからは全員での活動が増えて、正直一人ひとりどんな子なのか?というのがわからなかったんですよ。それに私、メチャクチャ人見知りで仲良くなるのに時間がかかるんです。その中で結女は1期、2期、誰にでも積極的に話しかけていて、私にもまるで親戚のおばちゃんのような親しみのある感じで話しかけてくれて、すごく嬉しかったんですよ。
大場
親戚のおばちゃんですか(笑)。
西村
うん、結女との会話は……なんか、近所の人との井戸端会議みたいなんだよね(笑)。
間島
2期の子は「間島さん」と呼ぶ中、結女ちゃんは最初から「和奏さん」と呼んでくれて、人の懐に入るのが上手いなあ~って(笑)。
西村
良い意味で天然の人たらしだよね。
間島
そう!結女ちゃんと美紗起ちゃんは、本当に愛されキャラ。
大場
実感ありません(笑)。
――ではお次は……。
大場
(チラッと畑に目線を送る)
畑
私!? 私はもう、全曲好きで、全曲に思い出があるんです。その中でも『青春トレイン』は、曲にもMVにも、活動期間にもすごく思い入れが深くて。その前の『大人サバイバー』で「なぜ私はここに?」と思うほど何もできなくて、自分に絶望してしまったんです。それで、最高難度のダンスに挑戦というテーマを掲げる『青春トレイン』でも、私はダンスが得意ではないから全然良いと思えず、ずっと悩んでいたんです。それが、番組を後追いで見ると、先生たちから褒められているのを知って、「私が、褒められている!!」とビックリしたんです(笑)。そこで少しだけ、自分に自信を持っていいのかな?と思えるようになり、どうやって頑張ったらいいか、少しずつ光が見えてきて。そこで自分の気持ちも良い方に変わっていけたんです。
――2期が始まって1年未満ながら、大役を担う機会が多かったですよね。
畑
そうなんですよ、もっと変らなきゃ!というプレッシャーに追いやられていました。
大場
確かに美紗起ちゃん、『青春トレイン』の前は常に「私なんて~……」ってこぼしていたよね……今もちょくちょく言っているけれど(笑)。けど、みんなの前で踊るたびにどんどん表情がキラキラしていって「スゴイ変化している!」と、思いながら見ていたよ。
畑
ありがとう(照笑)。ダンスしている瞬間だけはガムシャラになれるんですよ。何も気にせず、自分を表現することは楽しいなって、少しずつ思えたのは嬉しかった。
ラストアイドルの楽曲と記憶。西村歩乃果&間島和奏編
――ではお次は、1期のお二人に……。
間島
(喰い気味で)じゃあ私から!
西村
えぇっ!? 私が最後(笑)?
間島
お願い(笑)。やっぱ『好きで好きでしょうがない』や、『Again & Again』にはすごく思い入れがあるのすが、今日は『いつの日かどこかで』を推したくて。励ましてくれる曲が多いSomeday Somewhereの曲の中でも、『いつどこ』は特に勇気づけてくれる歌詞で。ただ、『いつどこ』の頃は、プロデューサーバトルという激しい戦いをしていたため、曲に対する想いが重くなりすぎてしまって。正直、ライブで『この恋はトランジット』でキャピキャピしたザ・アイドル!な姿を披露した後、『いつどこ』を歌うと心の整理が追いつかず全然集中できなくて。いつしか大好きなのに「どういう顔で歌えばいいんだろう?」って、すごく苦手な曲になってしまったんです。それが、今活動終了が決まった状態で、『いつどこ』を聞いた時、歌詞の優しさがメチャクチャ心に刺さって。なんといい曲だろう!と、感動したんです。今だからこそ聞いて欲しい曲!
――長い時間を置いて、ようやく自分の中で消化できたんですね。
間島
そうなんです。今すぐやりたいぐらい。なのに中々披露する機会がないんですよ!!
西村
ゴメン、『いつどこ』の記憶がうすぼんやりしてきて……「100万回~♪」だっけ?
間島
そうそう! こうしてメンバー間でも記憶があやふやになるぐらい、披露できていないんです(笑)。なので、こうして話すことで、大人の皆さまに「『いつどこ』を歌わせてくれ~!ラストコンサートで披露させてくれるよね!?」と圧をかけたいなと思います(笑)。もしライブで披露できなくても、本当に今だからこそ響く曲なので陽を当てたい。アルバムではMVのみの収録になっているので……ぜひMVが入った限定版Aタイプをオススメします(笑)。
西村
どれも良い曲ばかりだもんね、全部埋もれさせたくない。そういう意味で私はこの4人が集まったので『当たりくじ』かなあ。
一同
おぉ~~~!!!
大場
そうだ、私たち「雲の上はいつも晴れ」(『当たりくじ』歌唱チーム)メンバーだ!
間島
実は私も『当たりくじ』にするか迷った~(笑)。
西村
全部想い出に残る曲ばかりで。その中でも私のラスアイの歴史で“一番楽しかった曲”となると、『当たりくじ』なんですよ。この頃は総当たり戦のラスアイサバイブを開催していて、もうみんな精神的にも体力的にもメチャメチャ疲れちゃって、完全に病みきった状態になっていたんです。
畑
そうでしたね、完全に疲れ切っていました(笑)。
西村
サバイブでの結果で絶対に自信なくなっちゃった子がいると思うから、『雲の上はいつも晴れ』が出来た時は、もう歌の上手さ、ダンスの上手さとは別の、とにかく楽しい曲を楽しくみんなで歌えるチームにしたかったんです。そう考えて集まったもらったメンバーだったから、メチャメチャ楽しかったし、楽曲もその気持ちが伝わったのかラスアイで一・二を争うぐらい明るい曲になって。久々に何も考えずに、ただただ楽しく歌って踊れたのがすごく嬉しかった。
――MVを見ていても、本当に楽しさが全身から伝わってきますよね。
西村
最初に聞いた時は、面白い、不思議な曲だなと思ったんです。聞くとめっちゃ元気になれるし個人的には思い入れもあるから、一番好きなカップリング曲かも。これ、意外な選曲と思われるんじゃないかな(笑)。
間島
確かに。けど、本当に表題曲からカップリング、どれも最高なんだよね。『ラストアルバム』を通じて、もっと多くの方に「こんな隠れた名曲があったんだ!」とラスアイ楽曲の魅力が届いてほしいですね。