“アイドル界の小さな巨人” 小桃音まい 最後のお台場、いつまでも君は美しく

アイドル 公開日:2019/08/04 18
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2009年のデビュー以来、147センチという小柄な体をフルに駆使した安心のパフォーマンスと、いついかなる時も可愛らしく“アイドル”であることを貫き通す姿勢、フロアにいるファンを先導し右へ左へと導く“民族大移動系アイドル”として、アイドルシーン全体がグループ高ソロ低時代へと動いていった中、確固たる地位を築いたアイドル、小桃音まい




ソロとしてキャリアをスタートし、大会場でのライブを成功させるなどソロアイドルとしての達成感と、それ以上の大きな夢を掴むために、2016年8月にはアイドルグループ「桃色革命」を結成し、グループアイドルとしての道を切り開いてきた。

しかし、アイドルを取り巻く環境は日を増すごとに厳しくなり、桃色革命も何度も壁にぶつかってきた。特にTIFに関しては、一昨年に出演を果たすも昨年は、SHOWROOMとのコラボ「Road to TIF」に参加し本戦出場をかけた戦いに臨むが惜しくも敗退。TIFの初回から参加してきた小桃音にとって、フェスのない初めての夏を過ごすことに。今年も春先に開催された「全国選抜LIVE」では勝ち上がること敵わず。

このまま、夢は泡となり消えていくか……と思われた時、TIFとアイドル甲子園のコラボ企画枠で出演を勝ち取る。実に、桃色革命としては2017年以来、小桃音は2016年以来となるTIFへの帰還となった。

しかし、今春、小桃音は「桃色革命」からの卒業を発表。さらに「アイドルとしては最後」と本人は語っており、これが“アイドル・小桃音まい”として最後のTIFになる。

しかもステージは、前回桃色革命が立ち、さらにソロ時代最後に立ったFESTIVAL STAGEという、なんとも運命的なめぐり合わせ。ソロ/グループと、アイドルとして10年という月日を駆け抜けてきた小桃音、最後の総決算としてはおあつらえ向きだ。

16時5分、登場アナウンスが鳴りやむと「まいにゃ~!!」の声援がフロアから轟く。ピンクを基調としたガーリーな衣装に身を包んだメンバーがステージに集う。その手にはカラフルなフラッグが握られている。ファーストナンバーは、13年発売の小桃音ソロ時代のメジャーデビュー作にして、民族大移動アンセム『BAN BAN 鼓笛サンバ』が始まる。ステージ、フロアの双方ではためくフラッグ。小桃音に導かれるように右と左へと揺られる場内に幸福感が満ちていく。

間髪容れず、彼女たちの愛称である「桃レボ」を冠した、轟音ツーステップナンバー『桃レボ・レッドゾーン!』へなだれ込む。先ほどのザ・アイドルな空気からうってかわり、激しく踊らせていく。

昨年冬に発売されたメジャーデビュー作にして、王道メロウチューンな『カタオモイ』で爽やかな空気をお届け。続くは記念すべき、桃レボ1stシングル『きゃらめるめりー☆』。まるで、小桃音/桃色革命の歴史を辿るような楽曲を矢継ぎ早に披露していく。この楽曲を発表した当時は小桃音を含めた4人編成。それから3年、大勢の頼もしい後輩たちに囲まれての披露。小桃音の顔には終始笑顔が携えられていた。

センチメンタルなユーロアイドル歌謡『Give me Bunny Love』で、クライマックスに向けて再び熱を加速させていく。

そして小桃音にとって最後のTIFの時間が訪れる。イントロのドラムが鳴り響くと、察したファンたちは「おぉ!」の歓声を上げると同時にケチャの態勢に入る。桃色革命が今年のラストに選んだ曲は、2009年に発表された彼女の1stデビューシングルにしてアンセム『Dreamscape☆』だ。「みんなで一つになりましょう!」という小桃音の掛け声に導かれるように、ビッシリ埋まったフロアは一番のコール&レスポンスで応える。その熱に負けず、小桃音、そして桃色革命の面々も最大級のパフォーマンスを披露。熱狂的な空間を作り出し、15分という短いながら濃厚な桃色革命の大切な一日に幕を下ろした。

初のTIFを体験した北澤鞠佳は「メッチャ楽しかった!!」と、よろこびを爆発させる。きっとこの景色と経験は、新たな桃色革命にとって大きな刺激となったはずだ。

そして小桃音によるこの日の締めの言葉に移る。「最後の最後にこの素敵なステージに立たせていただき本当にうれしい。これまで色々な思い出がありました。雨でステージが中止になったりとか……」と、TIF2013にて、ゲリラ豪雨でSMILE GARDENのライブが中止になった伝説の雨女エピソードなど、TIFでの思い出話を振り返っていく。

「新しい出会いが毎回たくさんある大好きなフェスでした。みなさんと最後の夏を最高のライブで過ごせて、本当に幸せでした」と語る小桃音の声は今にも泣きそうなで震えている。しかし涙をグッとこらえて、気丈にこれまで小桃音に関わった全ての人への感謝を述べる。すると温かい拍手が降り注ぐ。

ステージを去る小桃音は、最後までフロアに手を振り続けた。アイドル界の小さな巨人の最後のお台場での夏は美しい思い出としてこのフェスに刻まれたはずだ。

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