SKE48の24thシングル『Stand by you』インタビュー。2回目は、初選抜入りを果たした荒井優希に迫る。総選挙でも躍進を果たした彼女の選抜入りについて、熊崎晴香&竹内彩姫という盟友たちはどのように見たのか。そして待ち受ける11年目のSKE48について、3人に忌憚なく話してもらった。
ーー「爆発力、期待しているから!」って珠理奈さんに言われました(荒井)
―荒井さん、念願の初選抜入りですね!
熊崎&竹内
(パチパチ)
荒井
ありがとうございます。
―デビューから5年でようやくの初選抜、それまで総選挙などでも結果を残してきたからこそ、正直「やっとか」とは思いませんでしたか?
荒井
それが、アッという間すぎて、5年も経ったの?という自覚がなくて。後でファンの方に「選抜入りまで5年はかなり長いよ」と言われて。どうやらSKE48の歴史的にも初選抜まで5年の長さはトップ5に入るぐらいの長さらしく。
熊崎&竹内
えぇ~っ!?
荒井
そう考えてみると私、よく入れたなぁ~ってメチャ思ってます(笑)。
―むしろ、悔しさより先に、不思議な気持ちだったと。
荒井
なんと言えばいいんでしょう。悔しいは悔しいんですけど、入れない理由は自分でもわかっていたから当然だったんですよ。個性も全然ないし……。
竹内
……個性の塊が何を言っているの。
熊崎
ゆきゆきは「変」が個性でしょ。ラジオに出るたびに思うけど、個性の塊がドン!と出すぎだから。
―一時期「らじらー!サンデー」(NHK-FM)にて、荒井さんが送るメールの内容があまりにも強烈すぎて、ある時から「お便りコーナー」として独立していましたからね。
熊崎
そうでしたよね。私も初めてゲストに呼んでいただいた時には、コーナーなんてなかったのに、次に出演した時には、「ゆきゆきコーナー」が用意されていたから。
荒井
あぁ~(笑)。
熊崎
でも、コーナー化ってスゴイよね。歩く個性の塊のゆきゆきだからこそだよ。
荒井
そう……なのかなぁ?自分では本当にわからないんですよね。
―そんな強烈な個性を持った荒井さんが選抜入りしたことで、選抜内の空気は変わりましたか?
竹内
……いつも一緒にいるから、変化を感じないよね。
熊崎
うん(笑)。
竹内
ただ今年、珠理奈さんが休んでいる間、その穴を埋めてくれたのは優希だったから、次に選抜に入るべきなのは優希だとは、みんなが思っていたこと。
熊崎
そうそう。珠理奈さんがお休みしている間、『いきなりパンチライン』のセンターを(須田)亜香里さんが務めていて。その空いた一つの枠にゆきゆきが入って、シッカリと支えてくれたんですよ。ゆきゆきはダンスがすごいから、入ってきてくれてすごく安心したんだよ。
荒井
またまた、そんなことを(笑)。
竹内
いやいや、優希が入ってきて、すごく安心しているよ。優希は劇場でもMC、パフォーマンス全てで輝いているからね。
熊崎
うん、全員が納得する選抜。メンバーとしては頼もしいし、ファンの方も優希ちゃんなら当然でしょと思っている、誰もが認める選抜ですよ。
荒井
いやいやいやいや!
―今年の総選挙28位のメンバーが選抜にかすりもしなかったら、暴動が起こってもおかしくないレベルですよ。
荒井
アハハ! もう少し、ファンの方にドキドキさせず、楽に応援してもらえるようなアイドルになりたいですね。
竹内
けど、優希が入ったことで、SKE48はシッカリと努力すれば、時間がかかっても、ちゃんと結果がついてくるというの、今辛い想いをしているメンバー全員に示せたんじゃないかなと思います。
熊崎
そうだね、ゆきゆきの選抜入りは勇気を与えたと思う。
―長年の苦労の末に選抜を勝ち取った竹内さんと熊崎さんが言うと、説得力が増しますね。
熊崎&竹内
いやいやいや!!
―そこは否定ですか(笑)。改めて荒井さんの選抜入りは、どんなことをプラスしてくれると思いますか?
熊崎
やっぱMCですよ。選抜の中に、爆弾発言をする人がいないんですよね。
竹内
安定と平和を求めちゃうからね。
熊崎
そこでゆきゆきには一つ、ドカン!と一撃を持ってきてほしいんですよ。
荒井
えぇ~っ!?私ってそういう、危ないイメージなんですか?
熊崎
いや、勝手な想像(笑)。
荒井
でも、さっき珠理奈さんにも「MCでの爆発力、期待しているから!」って言われたんですよ(笑)。
熊崎&竹内
(笑)。
荒井
みなさん、私に何を求めているんですか?マジで、マジメに生きているだけですよ! なんで私に「変」を求めるんですか!?
竹内
アハハ!だから何も意識せずに、そのままマジメな優希でいてね。
「10周年おめでとう!」の余韻にひたるのは、もう終わりにしないと
―10月5日をもって10周年を迎えましたが、この1年を駆け抜けてみていかがでした?
熊崎
まずは10周年という大切な時に、私たちもSKE48にいられるというのが幸せだなと思いました。
竹内
平成最後の年になったしね。
荒井
あっ、本当ですね。
熊崎
そういう大切な節目をSKE48のメンバーとして迎えられるのはホント嬉しいですよ。10周年まるまるいたわけではないのですが、気持ちは10年いた!というぐらいに、熱い想いでSKE48にいますし、それぐらいSKE48が好きで。なんでこんなに強い想いでいるのかと言えば、先輩方がSKE48の良さを背中で語ってきてくれたからこそ。だから私たちの世代も、これからその“楽しいSKE48”を継いで繋げていきたい、そう強く思った1年でした。
竹内
……パーフェクト!!
一同
(笑)。
竹内
ということで、今日は終わりで(笑)。
熊崎
ちょっとぉ、人任せ!!
荒井
それぐらい素晴らしいコメントってことですよ。
―素晴らしい気概ですね。劇場での存在感、総選挙での結果、個々の活躍……と、6期生、ドラフト1期生の皆さんは、今やSKE48の中軸を担っているからこその頼もしい言葉です。
熊崎
10周年を迎えるだいぶ前から、先輩方からはモチロン、スタッフさんからも「10周年のその先は頑張って、あなたたちが作らないとダメだからね」と言われることが増えてきて。だから10周年おめでとう!という気持ちと並行して、気を引き締めなきゃ!という意識になりましたね。
竹内
先輩方も少なくなって(松村)香織さんも卒業するので、私たちはもう完全に「中堅」なんて呼ばれている場合じゃなくなってきているんですよね。
熊崎
香織さんは卒業発表の日、関係者さんとの挨拶の中で「6期生、ドラフト1期生の今の成長を見て、私は卒業を決意しました」とおっしゃっていて。その一言を聞いた時に、完全に身が引き締まりました。卒業は今でも取り消して欲しいぐらい、メチャクチャ寂しいし心細いんですけど、そこまで言ってくださった以上、その期待に応えられるような人に、心も体も成長しなくちゃいけないなぁと思っています。
竹内&荒井
(頷く)
熊崎
チームSは、リーダーの(北川)綾巴、(山田)樹奈が中心になってチームを引っ張ったりと、各チームで6期とドラフト1期が軸になって動いていたりして。
竹内
私と優希がいるチームKⅡも、私たちがまとめる時間もすごく増えてきた。
熊崎
チームEも同じ。何か去年ぐらいまでは「新人」「期待の若手!」扱いされることが多かったんですけど、もう新人気分でいたらマズイなぁという雰囲気が。
―ドラフト1期生も、選抜常連の惣田紗莉渚さん、チームS副リーダーの松本慈子さん、チームE副リーダーの福士奈央さんと、やはりSKE48の軸を担う方ばかり。
荒井
でも、6期の先輩方に比べたら、ドラフト1期はノンビリほのぼのとした4人だからか、後輩感は抜けきれていない気がします。6期のみなさんが「これからのSKE48をお願いね」と先輩方に言われていて、その言葉通り後輩たちを引っ張っている姿を見ていると、私たちも「頼りなる存在にならなくちゃなぁ」と、自覚を持った行動をしないといけない気がしています。
―SKE48は11年目という時間を走り始めたばかりですが、今グループ内はどういう空気ですか?
竹内
みんな危機感を持っていると思います。10周年という一つの大きな区切りを迎えてしまったから、ある種の燃え尽き症候群になってしまうんじゃないか?って。「おめでと~!」の余韻に浸るのもそろそろ終わりにして、そこからさらに上にのぼろう!という気持ちが、先輩たち、私たちもモチロン、下の世代の子たちはすごく強く持っていると思います。
荒井
うん、この1年は「おめでと~」の年でしたけど、ここから先、より先のことを、全員が考えるようになっていますよね。何よりまず、みんなの中に10周年のタイミングを名古屋ドームで迎えられる、という気持ちがあったと思うんですよ。
熊崎
あった、あった。
―確かに、前作『いきなりパンチライン』リリースの際にも、10周年をナゴヤドームで迎えたいとおっしゃるメンバーは多かった。
荒井
ただ、結果は全然。まだまだ遠いなぁと、実感しました。でも、それが私たちに課された大きな試練だと思うんですよ。残念な気持ちはありつつ、むしろこれからの大きな目標になった、まだまだやっていけるんだ!とポジティヴに捉えて、11年目からその先は「ナゴヤドームにもう一度立つ!」を目標に歩んでいきます!
ソロ写真:ⓒAKS
聞き手:田口俊輔