山本彩 卒業コンサートに3万人集結「NMB48が大好きで大切で 何よりも守りたかった」

アイドル 公開日:2018/10/28 40
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数日前までの天気予報では、土曜日の大阪は雨。しかも、金曜日までが晴れで、日曜日からも晴れが続く予想なのにもかかわらず。しかし、まるでそんな予報が嘘だったかのように、土曜日の大阪は日差しが暖かく、「NMB48 SATAKA SONIC 〜さやか、ささやか、さよなら、さやか〜」の会場である万博記念公園 東の広場にも、風が心地よい見事な秋晴れが広がった。

開演前の会場スクリーンには、山本彩の卒業シングルとなった『僕だって泣いちゃうよ』のMVや、幼少時代も含めた過去の写真が山本のソロ曲『ひといきつきながら』に合わせて映し出される。そして、本人の影アナに続いて、17歳から現在までを振り返る映像がスタート。オーディション時の「歌詞の一行一行を自分の感情だと思って歌いたいです!」という、初々しくも力強い言葉が大きな印象を残した。




そして、3万人の大観衆が詰め掛けた会場に、恒例の『OVERTURE』が鳴り響く。その直後、白を基調にした衣装を纏った山本彩が会場後方ステージに登場し、左右を見回してやわらかい笑みを湛えながら、中央の花道をゆっくりと歩いてくる。いよいよ、山本彩のNMB48ラストコンサートがスタートした。

 1曲目は、NMB48初のオリジナル公演「ここにだって天使はいる」に書き下ろされた『初めての星』。山本のアカペラからスタートし、徐々にほかのメンバーが加わっていき、最終的には全メンバーがステージ上に勢ぞろいする。

山本彩が、そしてNMB48というグループが、今も忘れていない初心や夢を歌った楽曲でスタートしたあとは、チームNの2nd公演「青春ガールズ」で披露されていた『転がる石になれ』。そこからは、『ワロタピーポー』『イビサガール』『ナギイチ』というシングル曲で、3万人のファンのテンションをさらに上げていく。ここで最初のMCを挟み、6曲目にパフォーマンスされたのは、NMB48の記念すべきデビューシングル『絶滅黒髪少女』。イントロが流れた瞬間、ファンのボルテージがぐっと上がったことが、声援からも伝わってくる。『RESET』『約束よ』と公演曲が続いたあとは、山本のソロ活動を支えるバンド・チームSYがステージに上がり、まずはソロ曲『ジャングルジム』と『抱きしめたいけど』を披露。そこからは山本以外のメンバーも加わり、山本が作曲したNMB48ナンバー『孤独ギター』、人気曲『HA!』をバンドサウンドでパフォーマンスする。『孤独ギター』からは、山本もエレキギターをかき鳴らし、エモーショナルなプレイで魅せる。

2度目のMCのあと、13曲目の『結晶』から17曲目の『夢は逃げない』までの流れは、NMB48に対するこれまでの思いとこれからへのメッセージが感じられる内容になった。特に、研究生メンバーと山本でパフォーマンスした『夢は逃げない』は、夢から逃げずに夢を実現した山本から、これから夢に向き合い、夢をつかもうとする後輩たちへの強烈な叱咤激励だったのではないだろうか。

続くユニットコーナーでは、『Bird』で山本彩山本彩加、山本望叶による“山本トリオ”や、初期メン7人による『嘘の天秤』、白間美瑠のソロから吉田朱里のソロへとバトンが繋がれる『友達』などが会場を盛り上げていったが、その熱をさらに上昇させたのが、サプライズでステージに登場した卒業メンバーたちだった。

『俺らとは』では、同曲を歌ったユニット“俺ら”のメンバーである小笠原茉由、三秋里歩、岸野里香、山口夕輝が、24曲目『プライリティー』では百花が登場し、熱狂を生んでいく。その百花と太田夢莉が中心となって、山本も巻き込んだNMB48ならではの百合寸劇は、女性専用エリアを中心に大きな歓声を集めていた。そして、その熱狂が冷めやらぬ中、山本の盟友であるAKB48・横山由依からのビデオメッセージ。続けて山本と同期である山田菜々からもビデオメッセージが届き……と思いきや、山田が話していたバンのドアを開けたのは、山本彩というオチ! 「ほら、お前も行くぞ!」と言って山田を連れ出し、同期2人で『太宰治を読んだか』を聴かせた。その直後、『僕がいない』のイントロが流れる中でスクリーンに映ったのは、なんと渡辺美優紀。この日最大のサプライズと言っていい“さやみるきー”の2ショットに、ファンが悲鳴のような大歓声をあげていたのはもちろん、メンバーも感動を抑えきれない様子だった。

ここから、『カモネギックス』『甘噛み姫』を選抜メンバーで、『北川謙二』『僕らのユリイカ』を現役全メンバーでと、シングル曲を畳み掛け、「これが最後の曲です。受け取ってください」という山本の紹介で披露されたのは、『ずっとずっと』。「ずっとずっと そばにいたいよ」と歌われるラストソングを歌い終えると、上空に大きな花火が打ち上げられる。山本は、「空もお祝いしてくれてる」と微笑み、本編は終了した。

すぐに、アンコールを望むさやかコールが巻き起こり、ほどなくステージに現れた山本が歌ったのは、ラストシングルに収録されているソロ曲『忘れてほしい』。ブルージーなロッカバラードの中で、ハスキーな中低音と伸びやかなハイトーンボイスという彼女の歌声の魅力を存分に発揮していたのが印象的だった。

その後、ソロ曲を歌い終えた山本のもとに集まったのは、白間、吉田、川上礼奈の現役1期生3人と前述のメンバーに上西恵や門脇佳奈子ら7人の1期卒業生。披露されたのは、“10年経ったら何しているのかな”と歌われる『卒業旅行』。そして、さらに7人の1期卒業生が加わって『三日月の背中』が披露される。同期に囲まれた山本は、この日一番と言っていい安心した表情を浮かべているが、同時にその瞳はうっすらと潤んでいた。

その後、「卒業生のみんなと歌えるのもうれしいですが、今いる現役メンバー全員であの曲を歌わせていただきたいと思います!」という山本の掛け声で、『僕だって泣いちゃうよ』をパフォーマンス。アンコールのラストは、NMB48を、そして山本彩を語る上で欠かせない名曲『青春のラップタイム』だ。「NMB48は、私の青春でした!」と叫んで同曲を披露したあとは、花道に並んだメンバー全員とハイタッチを交わす。前方ステージ中央に立った山本は、ファンに感謝を伝えつつ、「もう少しだけ、NMB48とアイドルをまっとうしたいと思います」と語る。そんな山本に、後方ステージに勢ぞろいしたメンバーが「さや姉!」と叫ぶと、山本は「何?」と驚く。泣き顔の吉田は、「卒業しなくてもええねんで」と語りかけるが、山本は「うれしいけど……」と返し、卒業とその後の活動に向けた確かな気持ちを見せてくれた。すると、太田夢莉が音頭を取り「ありがとうございました!」と全員で声をかける。しかし、声が揃わずに「最後、ぐちゃってるやん(笑)」と山本が笑う一幕も。

そして、最後に一人でステージに残った山本は、3万人の「さやかコール」に感極まる。「メンバーが好きだから、グループが好きだから、8年間は本当に最高でした。これからのNMB48は、昔とも今とも違ういいグループになっていくと思います。私も、もっともっと精進して、自分に厳しく、みなさんを幸せにしていけるように!」と、語りかけるように、そして自分にも言い聞かせるように話す山本。静かにステージ後方を向くと、ステージのゲートが開き、光に向かって階段を上っていく。3万人のファンが残った会場のスクリーンには、『さや姉』に乗せて、メンバー直筆の山本へのメッセージが流れている。そうして、NMB48を支え続けた山本彩の卒業コンサートは終了した。

アンコール前、山本はMCで「最後に、こんなに素晴らしいステージを用意していただいて、本当にありがたく思います。NMB48での日々は、1日1日、一瞬一瞬が本当に色濃くて、気づいたら8年が経っていました。私は、前から歌うことを仕事にしたいと思っていましたが、チャンスをつかめずに挫折をして、一度その夢を手放していました。でも、もう一度私に歌うことを許してくれたのがNMB48でした。だから、この8年はNMB48にすべてを捧げて生きてきました。それは、グループに対する責任感だけじゃなくて、自分の意思としてやりたいから、NMB48が大好きで大切で、何よりも守りたかったからです。この8年間は、楽しいことだけじゃなくて潰れそうになるぐらい辛いこともあったんですが、いつも耳を傾けてついてきてくれたメンバー、喧嘩をしながらも味方でいてくれたマネージャーさんやスタッフさん。そして、いつも応援してくれたファンのみなさん。感謝してもしきれない気持ちで胸がいっぱいです。これからの私の人生をかけて、恩返しをさせてください。私は、NMB48に入って本当に良かったです。心からそう思っています。卒業してからも、今いるメンバーの道しるべとなるように。これからも山本彩、そしてNMB48に期待してください」と語った。

その思いは、きっとこの日のステージを見ていたすべての者にしっかりと伝わったはずだ。この日のライブがどんな意味を持ち、どんな道しるべになったのか、本当の意味でわかるのはもっと先のことなのかもしれないが、間違いなくNMB48にとって、アイドルシーンにとって、そして何より山本彩にとって、大きな大きな区切りであり、同時に新しいスタート地点であったことは間違いない。

また、本日より山本彩公式サイトにてJTのCMソングでおなじみの『ひといきつきながら』の新バージョンが公開された。これまでの山本彩の軌跡を振り返ることができる映像となっている。更に、昨年行われたソロツアー「山本彩 LIVE TOUR 2017~identity~」が全曲公開となってる。

ⓒNMB48

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