アイドル不毛の地大阪に舞い降りたグループ、NMB48を陰に日向に支え続けた8年間、”さや姉”こと山本彩の最後のコンサート「NMB48 SAYAKA SONIC~さやか、ささやか、さよなら、さやか~」が大阪・万博記念公園東の広場で開催された。
NMB48結成当初からメンバーの象徴として活躍した”さや姉”の有終を飾る晴れ舞台には、さや姉の人柄を裏付けるように、続々とOGが駆け付けた。
23曲目に披露した1期生5人ユニット「俺ら」の楽曲『俺らとは』には、オリジナルメンバーである山本、小笠原茉由、三秋里歩、岸野里香、山口夕輝が揃い、スクリーンに名前が表示されると、会場から驚きと歓喜の声が上がった。
また、NMB48の異端児として話題を振り撒いた木下百花(現・百花)が、メンバー時代イケメンキャラ”皇 輝音翔” 名義で歌った『プライオリティー』を”御食津神 棗”こと山本とパフォーマンス。女子からの黄色い声援のなか、太田夢莉と三田麻央とのイケない四角関係から、三田と百花の熱い口づけに、さらに大きな悲鳴が起き、たいへんな盛り上がりを見せた。
名曲『太宰治を読んだか』でも山田菜々が登場し、会場は熱狂。オリジナルメンバーの横山由依もメッセージを贈った。さらに渡辺美優紀の卒業シングルとなった『僕はいない』では、なんと”みるきー”本人が登場。姿が見えると、会場のみならず関係者席からも「おおおお!!!」と雄叫びが上がる、久しぶりの”さやみるきー”の競演に会場の盛り上がりとどよめききはピークに。間奏で2人がハグする振りも再現されると、ひと際大きな声援が飛んだ。
MCでは、NMB48の人気の礎を気付いた山本、山田、山本が3人で照れくさそうに会話。渡辺が「さやかちゃん」と呼ぶたびに”きゃあ!!”と声があがったが、山田が「さやかちゃん」と呼んでも何も起こらないことに「なんで!?」と不満をぶつけた。三田は「みるきーが”さやかちゃん”って呼んで”きゃあ!!”っていう気持ち、めっちゃ分かる!!」と興奮気味に話した。
アンコールパートの『卒業旅行』では、渡辺、山田、三秋、小笠原、岸野、山口、百花に加え、上西恵、近藤里奈、木下春奈、門脇佳奈子、沖田彩華、山岸奈津美も登場。これまで涙をこらえ、気丈に振る舞っていた山本も、目が潤んでいた。さらに『三日月の背中』では、肥川彩愛、松田栞、篠原栞那、小柳有沙、森彩華、原みづきの1期生が駆け付け(福本愛菜は欠席)、現役メンバー71名に卒業メンバー20名を加えた、総勢91名で圧巻のパフォーマンス。山本は「1期生が集まってくれました。ありがとう!懐かしいー」と同窓会のよう。”同期が卒業するんだって!”という言葉の下、一堂に会した様子は、NMB48結成時から応援し続けているファンには忘れがたい光景となっただろうし、みんなから慕われ、信頼を得ていた”さや姉”の愛され度合いの深さを物語る出来事で、観ているだけで目頭が自然と熱くなった。NMB48現役&卒業生のメンバーが一度限りの盛大な花道を作り、”さや姉”の新たな一歩に大きな声援を贈った。
ⓒNMB48