劇団れなっち「ロミオ&ジュリエット」随所に散りばめられた”堤ワールド”に浸る

アイドル 公開日:2018/05/10 72
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AKB48加藤玲奈がオーディション選んだ”れなっち選抜”32名が繰り広げる、シェイクスピアの不朽の名作戯曲「ロミオとジュリエット」を川尻恵太の完全書き下ろし脚本、そして鬼才堤幸彦が責任演出の舞台、劇団れなっち「ロミオ&ジュリエット」が9日初日を迎えた。

今回は32名を白組、黒組の2つに分けたWキャストでの公演。白組ロミオにはHKT48の神志那結衣、ジュリエットにはAKB48岡田奈々。黒組ロミオはAKB48藤田奈那、ジュリエットは福岡聖菜が務めた。

モンタギュー家とキュピレット家は互いに仲が良いが、それぞれの家の子であるロミオとジュリエットは犬猿の仲という伏線から物語は始まる。互いに忌み嫌っている2人が、キュピレット家のばあやの策によって急接近していく。ある意味物語のキーパーソンである”ばあや”をSKE48北川愛乃、NMB48久代梨奈が演じるが、ジュリエットを愛しながら、いちばんの理解者として奔走するさまを見事に演じている。老け役という難しさをこなし、両人とも演技に幅をもたせているのが印象的だ。




ロミオ役の神志那と藤田の男装の麗人ぶりは圧巻。岡田も本読みから”好きになった”というように、胸キュンなセリフが多く、観に行かれた女性は虜になること間違いナシ。甘いマスクに痺れるセリフ、スラっとした容姿はまさに王子様だ。美人の神志那は化粧映えするくっきりした目鼻立ち、藤田もダンスで鍛えたスタイルと、宝塚歌劇すきが好じ、立ち振る舞いを研究した成果が舞台上で如何なく発揮されている。どちらも発声から鍛錬を積んだと思われる素晴らしさだ。

この劇でのジュリエットは、言葉汚く罵り、下品なお転婆娘だが、次第にロミオへの思いを募らせ、月に自分の思いを吐露し、それをロミオに見られてしまってからの目がハートの”乙女”への落差をぜひ楽しんでほしい。岡田にきゅんきゅんするし、本格的舞台は初めてという17歳の福岡の熱演にも声援したくなる愛おしさが感じられる。

ストーリーテラーの役割を持つ、神父役の小嶋菜月と田島芽瑠も難しい役どころ。物語を進めるだけでなく、”堤演出”も完璧にこなしながらの演技は骨が折れるだろう。その中で自分の個性を出すのに懸命だ。しかし聖職者ゆえ、手放しで弾けることなく、いい抜け具合での演技は見ものだ。

舞台は、全体的に散りばめられた”堤ワールド”が全開。観客参加のパターンはもちろん、”思い付いたら足していく”と昨日の囲み取材での宣言通り、黒組の通し稽古でも、昨日の白組にはなかったタイムリーな時事ネタがブッ込まれていたり、笑いのポイントが確実に増えてきている。これは各公演観てもどこか違う笑いのツボがあるに違いない。そのポイントは、キャストに万遍なく配置されており、これも大きな楽しみのひとつだ。

史上最高の恋愛悲劇が、堤演出によってどう味付けされているか?”さすが板の上のAKB48はすごい”と言わしめた、選抜出演陣の誰もに注目してご覧いただきたい。