SKE48犬塚あさな、愛を注ぎ続けた聖母が見つけた等身大の幸せ

アイドル 公開日:2018/05/02 80
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『無意識の色』のロングセール、先日のさいたまスーパーアリーナ単独公演も盛況、卒業公演以外では久方ぶりの日本ガイシホールでの単独公演「春のファン祭り!〜友達100人できるかな?〜」の開催と追い風吹くSKE48

今稿ではチームS副キャプテン、犬塚あさな(いぬづか・あさな/愛称:わんちゃん)について記したい。2010年に4期生としてデビュー、先日24歳を迎えて今年で在籍8周年の、いわゆる“ベテラン”。その犬塚、まさに戌“塚”年とも言うべく、今が「最良」と呼べる日々を送っている状況だ。

握手会は開催の度に人波を増やし続け、テレビ東京で現在放送中「SKE48がひとっ風呂浴びさせて頂きます!」への出演も決定。モバイルゲーム『Passion For You』と「EX大衆」(双葉社刊)によるグラビア争奪コラボ企画では惜しくも10位に終わったが、須田亜香里、江籠裕奈、熊崎晴香に荒井優希という中軸メンバーと互角の勝負を繰り広げた。NMB48の山本彩を彷彿させる猫顔系のエキゾチックな顔立ち、愛嬌たっぷりの対応が男性だけでなく女性にも刺さり、昨年台場で開催されたハロウィンイベント「T-SPOOK」に参加した際、SKE48を知らぬ女性たちが犬塚の神対応に触れた際に呟いた「あのカワイイ子、誰?」とのツイートがTwitter上で話題を呼ぶなど、昨年頃から、わずかながら着実な一歩を踏みしめている。




活躍目覚ましいメンバーと比較すれば地味に映るかもしれない。だが今の犬塚の着実な成長ぶりに、古くから彼女を知る人は目じりを下げつつ、驚いているのではないだろうか?なぜなら彼女は長きにわたる苦難の道を歩んできたからだ。

デビュー間もない頃の犬塚は歌もダンスも未経験ゆえ、ステージ上でコケては時に靴を飛ばすなど常に安定しないパフォーマンスを見せていた。気合を入れたMCもどこか空回りで、険のある物言いもしばしば。武器と言えば一度見た人は忘れないとう類まれなる記憶力と、握っただけでマイクや携帯を“水没”させる手汗の量…。ステージ上の彼女は心許ないにもほどがあった。加入して間もなく4期生を中心に発足したチームEへの昇格ならず。同期、さらに5期、6期生にも先を越され続け、気がつけば研究生として1400日の歳月を過ごした。

その間も腐らずステージに立つだけで安心感を得るほどまでに研ぎ澄まし続け、見事昇格も果たした。しかし昇格後も決して順調な道を歩んでいるとは言えなかった。選抜経験はなく、毎年のように総選挙では名前を読み上げられること適わず。握手会も開店休業状態に陥ることも多々。これだけ長年活躍の機会がなければ普通なら潰れてしまうものだ。ストレスからか公演中突然泣きだし、途中退席する場面もあった。それでも犬塚は決してSKE48を跡にしなかった。

過去、東京スポーツの取材の際にこう答えたことがある「(辞めようと思ったことは)何度もあります。けど、その度に誰かが助けてくれたり、(中略)そういう人たちが応援してくださるなら頑張ろうと思ってずっとやってきました」

彼女は自分を笑顔にしてくれる人を笑顔にするために努力を続けているのだ。

彼女を支える大きな柱は二本。一本目はメンバーの存在だ。研究生時代、身心共に砕かれつつあった犬塚は敬愛する中西優香、矢方美紀を始めとした先輩たちから受けた叱咤激励と深い愛情に助けられてきた。そして今度は自らが愛情をもって後輩たちに、SKE48の一員としてあるべき姿…公演に向きあう姿勢、ファン、スタッフへの感謝を叱咤激励も交え教えているという。“嫌われ役”を敢えて買うのも、全てはチーム、SKE48、そして本人のためだ。厳しいだけではない。昇格適わず涙する後輩がいれば必ず駆け寄ってはその気持ちに寄り添い、8期生の石川咲姫がダンスで悩んでいる際に付きっ切りでレッスンを共にすれば、公演のMCやSNSなどで魅力を紹介し、時には自らの身をもって癒す。「悔しい思いは優しさにも変えられる」という彼女の言葉通り、自らが得た大きな愛でメンバーを包みこむ。誰が呼んだか「SKEの母」。市野成美、山田樹奈、末永桜花、浅井裕華、北川愛乃……彼女への感謝を述べる者は、ここでは名前が挙げきれないほど多い。

後輩を諭すだけでない。自身が与えた訓示は自らの身をもって示す。ステージに立てば、常に絶やさぬ満点の笑顔で届ける全力のレスポンス。均整のとれたダンスと甘い歌声、多彩な表現力で魅せる。MCでは回しで場を落ち着かせれば、年齢&手汗&過剰な愛情表現ネタで徹底したイジられ役で盛り上げ、終演後はどれだけ疲れてもハイテンションで一人ひとりの目を見ながらのお見送り。SKE48そしてチームSの大黒柱である松井珠理奈は「私がいない時もチームSをまとめてくれてありがとう!」と彼女への感謝を隠さない。チームS公演を見た後輩の8期生、佐藤佳穂は犬塚を「手を抜く瞬間が全くない」と評したことも。

そしてもう一つの支柱がファンの存在だ。彼女は何かある度に「ファンの方のおかげ」という言葉を冠につける。どれだけ辛い日々を送り続けても、ファンの応援と笑顔があったから今も幸せであり続けているのだと。だから犬塚は自身も最大の愛でファンをもてなす。握手会では、入り口から満面の笑みで出迎えては真っ直ぐ目を見、力強く握り、終わるまで離さないという。彼女に触れた人は必ず笑顔になって帰ってもらおうという姿勢を貫き通しているのだ。SNS上でも届いたコメントにはキチッと真っ直ぐ対応。公演での全力ぶりも含め、全ては自分を応援するファンに喜んでもらうための行動だ。徐々に伸びる握手会の列は、彼女の愛度と努力の結晶だ。

犬塚のファンへの向き合い方に、アイドル界きっての“人たらし”須田は「スゴいプロ意識を感じる」という絶賛の声を上げたほど。

ファン、SKE48、メンバーに必要とされるために努力を続けてきた。それが今、小さく実を結びはじめている。長年辛苦を味わったとしても、自らの支えを頼りに真摯に歩み続ければ、いつか一筋の光が照らすのだ。今年の生誕祭で犬塚は「小さな幸せを感じられることを凄く誇りに思って、これからも幸せを感じられる人間でいれたらいいなと思っています」。等身大の夢を積み重ねることが、実は大きな夢に繋がるのだと。

アイドルを長く続けることは難しい。特に、常に新陳代謝をくりかえす48グループに関してはそうだ――さらに言えばベテランメンバーは――。犬塚の歩み方や喜びの見つけ方は、今の自分の立ち位置や先行きの見えなさにもがき不安を感じるメンバーにとって、一つの光明になるやもしれない。

過去のブログにて「私に関わった全ての方に幸せを感じていてほしい。笑顔でいてほしい」と綴った犬塚。その言葉通り、彼女は彼女に触れる全ての人の幸せと笑顔のために今日もまた舞台に立つ。

長々と綴ってきたが、実は犬塚、メンバーもファンも周知ながら、まだ日の目を見ない巨大な魅力を一つ秘めている。それは、谷真理佳が「一番の魅力はオッパイ」、松村香織が犬塚の衣装を着た際に「私が着ると(胸の部分が)スカスカだから、一杯詰めた」と語る、48グループ屈指のグラビア素養の塊のようなプロポーションだ。その“魅力”が誌面を賑わす日が来たら…犬塚はより多くの人に幸せと笑顔を届けることだろう。


文:田口俊輔

写真:ⓒAKS/犬塚あさな公式Twitter(@daisuki_wan)

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