”全員でNGT48”から”全員が主役のNGT48”へ 東京公演で魅せた成長

アイドル 公開日:2018/01/14 41
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48グループ恒例、新春のTOKYO DOME CITY HALLコンサートDay。今年も9日間に渡り様々な試みが繰り広げられる。そして2日目夜には、昨年、大躍進を果たしたNGT48の1年ぶりの東京単独公演「未来はどこまで青空なのか?」が開催された。

すでにテンションが振りきった荻野由佳の影ナレから場内の空気は待ちに待った状態。彼女の語気から溢れる自信。果たしてどのようなライブを展開するのか?

そして場内が暗転、『Overture』が鳴り響き、場内に「NGT48!」のコールが轟く。

スモークの中メンバー全員が登場。スタートを飾るのは『世界はどこまで青空なのか?』、荻野のどこか弱々しくも芯を感じさせる独唱から、メンバー一同で一列に横へ並ぶ。大会場のライブで度々披露される“全員でNGT48”を象徴するフォーメーション。どれだけグループが前に進んでも、この精神だけは変わらずにいることの証だ。その精神はここから貫かれ強くなる。

続く『言い訳Maybe』でセンターを本間日陽にバトンタッチ、場内に爽やかな風を吹かす。3曲目は中井りかを中心に据えた『君のことが好きだから』。フォーメーションを崩し、メンバー一人ひとりが各々の個を全開にし自由きままに盛り上げていく。太野彩香の満面の笑みが光る。そして4曲目は昨夏より始まった公演「誇りの丘」を象徴する1曲『やさしさに甘えられない』は、加藤美南を軸にタイトなパフォーマンスで空気を引き締める。この4曲の間、目まぐるしくメンバーの立ち位置が変わっていくのが印象的であった。選抜メンバーはもちろん、研究生も時には重要なポジションへと着くなど、たった4曲ながら全員に見せ場が訪れるという、実に“らしい”演出を見せた。そして必ず中心の両サイドに立つキャプテン・北原里英、柏木由紀。タイトなパフォーマンスはモチロン、佇まいだけで安心感を与える二人の存在は心強いの一言。

「2年連続で、この場所で単独公演を迎えられましたました。ありがとうございます!!」と北原のお礼の一言で深々と頭を下げるメンバー。続く荻野がこの日、病で参加叶わなかった高倉萌香、髙橋真生について触れる…しかし「髙橋萌香、高倉真生が休みですが、精一杯頑張ります!…」となぜか苗字を入れ替える大ミス。即座に隣の西潟茉莉奈に「違う、違う!」と冷静に窘められる場面が。こういう部分はまだまだ“らしい”ところか。





MC明け、ここからは1stシングル『青春時計』のナンバーを披露。まずは研究生による『下の名で呼べたのは…』がスタート。この1年での研究生の個性もパフォーマンスレベルの高まりには非常に目を見張るものがある。昨年とは違うのは成長面だけでない、昨年この場にいた水澤彩佳、大滝友梨亜の二人が卒業で去ってしまったことだ。絆をテーマにした曲を二人に届くように大切に歌い上げる7人。中でもCメロでは角ゆりあの優しい独唱には思わず引き込まれた。そして続くは『青春時計』、昨年この会場でリリース発表されるとアナウンスされた、この曲は今やNGT48の魂の一部となった。手を繋ぐ振りでは場内も手を繋ぐ、ピースフルな空間が支配する。

山口真帆の脱力極まりないMCを挟んで中盤戦にしてこの日のハイライト、ユニットコーナーに向かう。『LOVE TRIP』は長谷川玲奈に、菅原りこら踊れるメンバーを従え、日下部愛菜、清司麗菜というNGT48が誇るダンスメンバー“にゃーにゃー”コンビがセンターを務める。鋭すぎるキレとしなやかさの両面が備わったダンスで全く違う曲へと変えていく6人。間奏では日下部、清司によるバックフリップに地獄車とまさかの華麗なアクロバットが!! これには場内が「ふぅ~!」とため息。

次の2曲は意匠をこらした演出が。北原が、西潟、本間と共にフレンチ・キス『カッコ悪いI love you!』を歌う。柏木のポジションに北原が入り歌えば、続くNot yet『ペラペラペラオ』では北原のポジションを柏木が務めるという、遊び心満点なセット。何より、今ではもう見ること適わない両ユニットがこうした形で蘇るのはファンにとっては最高のプレゼントだっただろう。

加藤と山田野絵による『下衆な夢』、広いステージをたった二人で全面使用するダイナミズムに思わず唸る。続く『鏡の中のジャンヌダルク』は研究生・中村歩加がセンター。笑顔がトレードマークの中村だが、この時ばかりは完全封印。訴えかけるような強いまなざしに、表現力の高さを見せた。ユニットコーナー最後を飾るは。中井、山口、奈良未遥、菅原りこという“カワイイの権化”のような4人での『ハート型ウイルス』。合間は各出身地の方言で「あなたのことが好き」のフレーズ大会。悶えさせたのは言うまでもない。

ここからミニコーナー。中、高生メンバーによる今ライブに向けて行われた学力診断テストの結果発表がスタート。メンバーの珍解答が白日の下にさらされることに。ツッコまざるを得ない回答が連発される中、ブッチギリでキケンな回答を連発したのは前回最下位の女王・菅原。ありもしない妄想で回答をでっちあげれば、歴史上の人物の名前を写真で当てる質問ではエジソンの写真に「社長ですか?」という、質問に質問で返すという始末。これには柏木から「そういうのは止めましょうね」とグサリと一言。場内が笑いで包まれる。最終結果は…満点の本間に対し、33点という平均点を大幅に下回った菅原が二冠目を達成。ラスト、「このままじゃ留年しちゃうよ~!!どうしよう…」とガックリ肩を落とす菅原へ佐藤杏樹が「やり直した方がいいって」とバッサリ切り捨てたのは言うまでもない。しかし、ここまでの菅原の活躍には眼を見張るものがある。どのポジションでもしなやかなダンスは映え、ユニットコーナーでもハードさからカワイイの硬軟自在ぶりを見事発揮し、果ては笑いまでもかっさらうなど、まさに八面六臂。“NGT48の最終兵器”に相応しい大車輪の活躍ぶりだった。

賑やかな空間の後、小熊倫実の特技トイピアノ演奏でスタートした『大人になる前に』の蒼さ、センチメンタルな『ぎこちない通学電車』、『夕陽を見ているか?』とノスタルジックで優しい楽曲を披露。柔らかな空気が支配した。

昨年とは違う部分は演出にも現れた。昨年は多分な映像演出をほどこしたコンセプチュアルな内容を展開していたが。今回は派手な演出は一切皆無。メンバーのパフォーマンスと言葉だけで魅せていく。それはこの1年磨き上げてきた“個”さえあれば、ファンの気持ちを掴む掌握できる、という自負の表れだ。MC明けに始まった全員披露の鬼気迫るソロダンスコーナーは、まさにその象徴ともいえる場面だった。

ショートパンツにワイシャツという、SDN48を彷彿とさせる“大人”な衣装に変わり、『僕の涙は流れない』で始まる後半戦。中でもお姉さんメンバーに混ざった小熊、先ほどまで煌びやかでイノセントな空気を放っていた子とは思えない。そしてお馴染の『佐渡へ渡る』。西村菜那子のなめらかな体捌き、宮島亜弥の全身から溢れるコケティッシュな雰囲気、村雲颯香の淑やかさは、とても新成人を迎えたばかりとは思えないほど妖艶。子どもが観たら目を覆うこと必至の刺激的な瞬間になったのは間違いない。

妖しい土曜夜の雰囲気をガラリと変えたのはジャジーな『夜風の仕業』。柏木のソロ楽曲を佐藤、清司という“NGT48三大歌姫”で披露することに。ビターでハリのある佐藤、清涼感溢れる清司、そして大人の甘さを感じさせる柏木の三者三様の声が紡ぐハーモニーが優しく溶けて行った。MCで柏木は『夜風』を始めて三人で披露したことを告げる。練習中、佐藤、そして感極まって泣きそうになったと告白した清司は終始柏木と歌えたことの喜びを爆発させ続けていた。

そしていよいよラスト、ここからは各『未来とは?』(SKE48)、『ナギイチ』(NMB48、兵庫県出身の太野がセンターを務めるというニクい演出も)、『12秒』(HKT48)と各グループの楽曲を披露、NGT48が歌うことでまた楽曲の持つ彩が変わっていくのが面白い。荻野の「気を抜いちゃダメだよ!」という一言で始まった『誇りの丘』を挟み、この日のラストナンバーは『RIVER』。これからも力強く全員で突き進むという、彼女たちの宣言とも取れる楽曲で本編は終了した。

すでに時刻は予定終了時間を廻った。それでも鳴りやまないアンコールに導かれ、再びステージに集うメンバー(小熊と日下部は時間の都合で退席)。『ナニカガイル』『みどりと森の運動公園』で再び幕を明ける。『みどり~』ではカラーボールの投げ渡しが行われ、強肩を誇る長谷川はなんと3階バルコニーまで投げ込む大遠投を見せ、場内は沸きに沸いた。

そしてMC、サプライズで単独公演、そして北原の卒業コンサートの発表が行われる。感極まり涙する北原に真っ先に駆け寄り励まし、エールを送った西潟と荻野。ほんの短い一瞬だが、キャプテンとドラフト生の絆の美しさが眼前に表れた。

サプライズを挟み、ラストナンバーは大切な1曲『Maxとき315号』。加藤の「みんなの心に届きますように」という一言の通り、優しい言葉と旋律が場内、そして劇場で彼女たちの姿を見守るファン一人ひとりへと刻まれ、この日を終えた。

総選挙ランカー、選抜、研究生という枠を取り払い、全員の持ちうる魅力とポテンシャルの全てをありありと見せた。まさに“全員でNGT48”は“全員が主役のNGT48”へ、さらなるステップアップを遂げた姿を見せる一夜となった。ここに高倉、髙橋が加わったら、さらに素晴らしいライブになっただろう。

4月13、14日には新潟は朱鷺メッセでの単独公演開催も決定。NGT48はこれからも、広がり続ける未来へと強く羽ばたいていくことだろう。

文:田口俊輔
写真:ⓒAKS

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